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一目惚れ、その恋は叶うのか?

出逢い

好きな人ができると、何だか俄然やる気が出る人って、世の中にはたくさんいるものです。 「火事場の馬鹿力」的なパワーには、圧倒されるものがあります。 そしてその結果、仕事も結婚も手に入れてしてしまった、とてもラッキーな人もいるのです。  実さん(仮名)は、ある一流大学に進学しました。 しかし、せっかく第一志望の大学に入れたものの、将来やりたいことも見つからず、それゆえ勉強にも力が入らない。 合コンに誘われるもあまり気乗りせず、口実を作っては断っていました。 つまり、何に対してもやる気が起こらない、そんな学生生活を送っていたのです。 ただそんな彼にも、夢中になれる唯一の趣味がありました。 それは「車」 とは言っても、まだ自分の車を持つには至らず、もっぱら雑誌を読みふけったり、たまにレースを見にいくことで、その欲求を満たしている状態でした。    ♡ そんなある日のこと、車のショールームを訪れました。 以前からそのメーカーの車には、強い憧れを持っていましたが、ショールームに行くのは初めて。 その日も、たまたま通りかかったので、ふらっと入ってみただけでした。 そこで目に飛び込んできたのは、キラキラと眩いほどの輝きを放っている、憧れのカッコイイ高級車! ではなく… ものすごく綺麗な「女性」でした。 そして彼は思いました。「この女性を自分の彼女にしたい!」と。    ♡ 彼のおこなったその後の行動は… 彼女に声をかけることでも、ショールーム足繁く通うことでも、ありませんでした。 では何を…? 一生懸命勉強することと、その会社について深い知識を得ること、この二つだけでした。 その結果…    ♡ 彼は入社試験を見事クリアして、その会社の社員となったのです。 それも、本社に勤務できることとなりました。 そして、あの憧れの女性と、ついに再会することができたのです。 彼女は何と社長秘書でした。 新入社員の立場から見たら、高嶺の花です。 実さんは、彼女にアタックすることも、これまでの想いを伝えることも、しませんでした。 その代わり、ただひたすらに仕事を頑張ったのです。 彼女に認められたいとか、カッコイイところを見せたいとか、そんな想いは一切ありませんでした。 今、自分がやるべきことは、一生懸命仕事を覚えることであると、そう思ったからでした。    ♡ 気がつけば入社から10年。 ひたすら頑張ってきた実さんは、支店長を任命される程になっていました。 本社から支店への異動。 彼女とは今後、仕事上の交流さえ、無くなってしまうかもしれません。 今しかない! そう思った実さんは、思いきって彼女をスキーに誘いました。    ♡ それから更に5年後、二人は本社近くのホテルにて、結婚式・披露宴をおこないました。 社長・副社長も、お祝いに駆けつけてくれました。 「彼女にしたい!」あのショールームでの想いが、就職先を決め、仕事上の出世も獲得し、その時の女性は妻となったのです。 「いつしか、 愛のシュプールを描いていました」 実さんはちょっぴり照れながら、そう語ってくれました。    ♡ 一目惚れした時、その次に起こす行動は実に様々です。 このご時世、良からぬ方向に突っ走ってしまう人も、残念ながら少なくないでしょう。 そんな中、このようなお話を実際に伺うと、恋愛って素敵だな、愛の力って凄いな、そう感じずにはいられません。 たくさんの人に、素敵な出逢いが訪れますように…♡  ※本文中の内容は、事実に基づくフィクションです。続きを読む

披露宴で新郎が泣いたら変?

サプライズ

結婚式・披露宴で涙するのは、花嫁とその両親だけではありません。 新郎や新郎の両親だって、同じように溢れる想いがあるのです。 新郎や新郎の両親が披露宴で泣くことを、あなたはどう思いますか?  結婚式の1週間ほど前、ある新郎のお母様のところに、新郎の友人から電話がありました。 「新郎についての思い出や、 今の気持ちなどを書いて欲しい」と。 余興で使うためという説明を受け、当日持ってくるようお願いされました。 とにかく書いてと言われ、お母様はどんな余興なのかもわからず、思いついたことを箇条書きにして、当日ご友人に渡しました。    ♡ ご披露宴の開宴少し前、そのご友人がお越しになり、披露宴の進行について尋ねられました。 ・ご両親への新婦の手紙があるかどうか?・お色直し退場はどうなっているか?この2点でした。 ・花嫁の手紙は有り・新婦はお父様とお色直し退場、 新郎は一人で退場そのようにお話ししました。 すると、「できれば新郎の退席は、 新郎のお母さんと一緒にして欲しい」そうおっしゃいました。 そして、「これ、お願いしたいのですが…」と、レポート用紙3枚に書かれたメモを、手渡したのです。 メモは新郎のお母様が書かれたもので、それを退席の時に話して欲しい、そういうことでした。 新郎にも新郎のお母様にも、絶対に言わないでください…とも。    ♡ 新郎のお召し替えの時間になりました。新郎が高砂を降りた時、新郎のお母様をお呼び出ししました。 新郎もお母様も、わけがわからないという表情で、高砂席前に並んでお立ちになりました。 そして…    ♡ 新郎が大きな産声をあげ、元気いっぱいで生まれてきた日のこと… 男ばかり4人の子を育てたご苦労… 子どもの頃の懐かしい思い出… 子どもたちのおかげで、母である自分自身も頑張れたこと… 上司や同僚、友人たちへの、感謝の気持ち… 新婦という素敵な娘ができて嬉しい、家族みんなで大切にしていきたいこと… 生まれてきてくれて、ありがとう…と。    ♡ メモをお手紙に変え、お母様の想いをお伝えしました。 お二人の目からは、涙が溢れて止まりませんでした。 そして、このサプライズは全て、ご友人が計画してくれたことを話すと、会場から聞こえていたすすり泣く声も、更に大きなものとなりました。    ♡ 新郎のお人柄からして、事前にお母様との退席を打診していたら、きっと断られたことと思います。 新郎のお母様も、メモだったから書いてくださったものの、お手紙としてお願いしていたら、ご遠慮なさったことでしょう。 ご両親やご兄弟のことをよく知っていて、特にお母様にはお世話になったことから、ご友人たちは、披露宴だからこそできることをしたい、披露宴でしかできないことをしてあげたいそう思ったそうです。 ご友人が、「花嫁の手紙」の有無を確認したのは、新婦に対する思いやりでした。 もし「花嫁の手紙」がなければ、余興で使うつもりだったようです。 また、花束贈呈時にしなかったのも、新婦の手紙と被らないための配慮でした。 そのあとお母様はご友人たちのお席を訪れ、「あんたたち何やってるのよ!」と言いながらも、ご友人たちの手をしっかりと握りしめ、また目を潤ませていらっしゃいました。    ♡ 「マザコンだと思われたらどうしよう」そう心配している新郎や、「子離れできていないみたいで恥ずかしい」そう思う新郎両親も多くいらっしゃいます。 「新郎が泣いたらおかしいですか?」「新郎の両親が泣いたら変ですか?」そういう質問も多く寄せられます。 考え方は人それぞれであり、そう感じる人もいないとは言いません。 でも実際の披露宴では、泣いている新郎や新郎のご両親、たくさんいらっしゃいます。 そしてそれを見た出席者も、その多くが共感し感動しているのです。 結婚とは、「嫁をもらうこと」ではなく、「親から独立し新しい家庭を築くこと」という感覚に変化しています。 ですからご両親へ抱く想いは、新婦だけのものではなく、新郎のものでもあるのです。 また、新郎の両親・新婦の両親、どちらの親にとっても、巣立つ子への様々な想いがあって、当然と言えるでしょう。 泣きたければ泣けばいい。 伝えたい想いがあるなら伝えればいい。 一生に一度の結婚式・披露宴を、悔いのないものにすることこそが、一番大切なのではないかと私は思います。  ※私個人の意見であり、  他の考え方を否定するものでも、  私の考えを押し付けるものでもないことを、  ご理解・ご了承ください。続きを読む

結婚式の引き出物は何?

引き出物

何かとお金がかかる結婚式。 少しでも節約しようというお気持ち、よくわかります。 しかし、何をどう節約するのかは、とても重要です。 もしあなたが出席者だったら、このような「節約」に、納得できるでしょうか?  新郎新婦は、お二人とも30代後半。 結婚式場(ホテル)の予約から、お二人の節約は始まっていました。 というのも、新郎新婦がウエディング業界の方で、内部事情にとても詳しかったのです。 ですから、(詳細はお話できませんが)予約も「邪道」とも言える、特別な方法でおこなわれました。 ホテル側も受けてしまった手前、お断りすることができず、結婚式・披露宴は、予約通りおこなわれることになりました。 とは言っても、新郎新婦は決して悪い方々ではなく、「節約」に関してだけ、ただならぬ想いがあったようでした。    ♡ 結婚式当日、待ち構えていたように、婚礼担当者がやってきました。 そして、バックヤードに連れて行かれ、「これ、見てくれる?」と言うのです。 引き出物の袋でした。 中を覗き込むと… えっ? ラッピングは、明らかに素人がおこなったとわかる、お世辞にも綺麗とは言えない物でした。 言い方を変えると、貰って嬉しいという感じの物とは、程遠かったのです。 「ちょっと酷いでしょ?」 担当者も困った様子。 打ち合わせの時点で、引き出物が持ち込みだということは、私も聞いていました。 このホテルは、引き出物のみならず、全てのものが持ち込み料0円なので、お持ち込みをされるお客様も、たくさんいらっしゃいます。 しかし、このような引き出物は、これまで見たことがありません。 さらに、「この引き出物って、 全部100均らしい…」と。 つまり、100円ショップで引き出物を選び、100円ショップのラッピング用品で、新郎新婦が包装したものだったようです。 だから、箱に入っていなかったり、形がいびつだったり…。 ただ、それらを入れる紙袋だけは、ホテルの物でした。 紙袋が一番高い…。 「引き出物は、 ホテルが用意したものじゃないって、 アナウンスしてね。 絶対に言ってね!」 そう念を押されました。 新郎新婦の職業柄、ブライダル業界のライバルが、上司や同僚として多数出席するため、ホテル側が敏感になるのも頷けます。    ♡ 出席者は200名ほど。 お料理のお値段は、婚礼料理の最低ランクを、さらに下回るものでしたが、全体の雰囲気はとても良く、素敵なご披露宴になったと思います。 ただ、ホテルでの結婚式・披露宴ですし、会費制ではなかったため、出席者もご祝儀は常識的な金額を、包まれたことでしょう。 ですから、お料理と引き出物に関して、お客様に満足していただけたかどうかは、疑問です。 特にブライダル業界の方は、一般の人に比べ、かなり見る目も厳しいでしょうから。    ♡ テーブル装花や演出、そして、新郎新婦のお衣装も、必要最小限の簡素なものでした。 つまり、自分たちばかりにお金をかけ…というものではありませんでした。 何か他にお金を集めたい理由が、あったのでしょうか? しかしながら、「節約」も行き過ぎると、「ケチった」と思われかねません。 そもそも、結婚式・披露宴は、結婚の報告だけでなく、ご出席の皆様に、感謝の気持ちを伝える場でもあります。 そして、今後もお世話になる方々です。 出席してくださるお客様の立場になって、おもてなしの方法を検討して欲しい…、そう私は思います。  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。  また、  「節約」を否定するものでは、  決してありません。  誤解なきようお願いいたします。続きを読む

結婚相手は初恋の人

出逢い

「初恋」って、いくつの時でしたか? 幼稚園や保育園時代から、小学生時代という人が、多いのではないでしょうか。 「初恋は実らない」よくそう言われます。 しかし、初恋の人と結婚できた人もいるのです。 それも、長〜い年月を経て…  信子さん(仮名)の初恋は、幼馴染みの男の子でした。 彼とは家が近所で、同じ幼稚園に通っていました。 物心ついた時から、彼を含めた近所の子どもたちと、毎日のように遊んでいました。 そんな彼に恋心を抱いたのは、小学校に入学し、同じクラスになってからのこと。 勉強も運動も優秀な彼が、とても輝いて見えました。 しかし、まだ小学生。 自分の気持ちを打ち明けることもなく、その後も幼馴染みとして、普通に仲良く過ごしました。    ♡ 信子さんは大人になってからも、彼を想い続けていましたが、その想いを打ち明けることは、ありませんでした。 彼が自分に、特別な感情を抱いていないことが、わかっていたからです。 叶わぬ恋なら、友情を大切にしていきたい、そう思っていたのです。 そして彼は、25歳の時に、違う女性と結婚しました。 ショックではありましたが、いつかこういう日が来るだろうと、覚悟していました。 ですから、他の友人たちと一緒に、結婚式・披露宴にも出席し、友人として二人を祝福できたのです。    ♡ 信子さんもお年頃、恋のチャンスも巡ってきました。 お見合いをしたことも、お付き合いしてみたことも、幾度かありました。 しかし、いずれも結婚を決意するまでには、至りませんでした。 理由は自分でもわかりませんでした。 もしかしたら、心のどこかで、まだ初恋の彼を、忘れられなかったからかもしれません。    ♡ 時は過ぎ…信子さんはいつの間にか、58歳になっていました。 そして、58歳の信子さんは、純白のウエディングドレスを着て、バージンロードを歩いていたのです。 信子さんを迎えたのは、初恋の彼でした。 約50年という長い年月を経て、初恋が実った瞬間でした。    ♡ 実は… 彼の奥様は、病で他界されました。 そして前年、7回忌の法要を済ませたのち、信子さんに交際を申し込み、二人は結婚することとなったのです。    ♡ 結婚式には、地元の友人たちが大勢駆けつけ、まるで同窓会のような盛り上がりでした。 信子さんは彼に対する想いを、これまで誰にも告白したことは、ありませんでした。 でも、友人たちは皆わかっていました。 だからこそ、その純愛が実を結んだその日を、心から祝福してくれたのでしょう。 彼もそんな信子さんに、ウエディングドレスを着せてあげたいと、結婚式・披露宴を計画したのでした。    ♡ 信子さんのご両親は、ご健在でした。 ご両親へ、お手紙の朗読と花束贈呈が、おこなわれました。 「お父さん、お母さん、 長い間ありがとうございました」 本当に長い間でした。 笑い声と泣き声が、同時に押し寄せた、究極のクライマックスシーン。 ご両親の、涙と笑顔でくちゃくちゃになったお顔が、とても印象的でした。  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。続きを読む

ウエディングケーキ美味しい?

ハプニング

披露宴をおこなったことがある人や、準備中の人にとっては、ごく当たり前のことであっても、未経験の人にとっては、知らないことも多いようです。 だからこんなことも、してみたくなっちゃうのでしょうか?  近年、ウエディングケーキに、生ケーキを選ばれるケースが、多くなっています。 「ファーストバイト」の普及も、影響しているのかもしれません。 (ちなみに、 ファーストバイトとは、 ウエディングケーキ入刀後、 新郎新婦がお互いに、 ケーキを一口ずつ食べさせ合うという、 演出のことです) また、お二人ならではの、オリジナルケーキを作って欲しい、そのようなご希望も多いようです。    ♡ あるご披露宴で用意されたのは、いちごがハート形に飾られた、可愛いウエディングケーキでした。 生ケーキです。 ファーストバイトもおこなわれました。 後程ゲストの皆様にも、ケーキをお配りする予定で、その旨のアナウンスも入れていました。 そして乾杯が済み、歓談のお時間になって間もない頃、一人の男性がケーキに近づいてきました。 20代後半と思われる、新郎の同僚でした。 ウエディングケーキの近くには、写真やビデオを撮っている方が、数名いらっしゃったので、その男性も写真撮影をなさるのだろうと、思っていました。 ところが… いきなり指をグサッとケーキに刺し、ケーキを大きくすくって、自分自身の口に運びました。 えーーーっ!? もしかして、食べちゃった? 次の瞬間、 「まずーーーーーーーーーーいっ!」 口にケーキがいっぱいに詰まった状態で、そう言い放ったのです。 それからしばらくの間、 「ウェーっ、マズイ!」 「マズイ!マズイ!!マズイ!!!」 「なんだこのホテルひでーなあ〜、 ケーキ超〜マズイ!」 のたうち回るようにしながら、大声で叫んでいました。    ♡ マズイのは当然です。 そのケーキ、生ケーキですが、フェイク(偽物)ですから。 ファーストバイトでは、食べることのできるケーキを、新郎新婦は召上がっています。 どこを食べてもいいってわけじゃあ、ないんです。 足が早い生クリームを、常温で長時間放置することは、食品衛生上、好ましくありません。 ですから、デザートとして振舞われる場合でも、入刀したものとは別のケーキが、用意されることが多いのです。 入刀したケーキと、同じものが振舞われる場合には、入刀直前にケーキが登場するなど、何かしら工夫がされているはずです。 入場前から会場に飾られているケーキは、全部ではありませんが、ほとんどがフェイクだと言えるでしょう。 子どもたちがケーキに近づいた際には、食べてしまわないように気を配りますが、まさか大人がそんなことをするとは、想像すらしていませんでした。 ですからマイクを通して、「このケーキは偽物なので、 食べないでください」というような、説明などもおこなっていませんでした。 大声で叫ぶ男性には、会場スタッフが、丁寧に説明とお詫びをしてくれました。 しかし… ゲストに生ケーキが振舞われた際には、また大きな声を張り上げていました。 「ここのケーキ、マズイぞ!」 「食わない方がイイぞ!」と。 ケーキを楽しみにしていたゲストには、不快感を与えてしまったようです。    ♡ このウエディングケーキが、たとえ本物だったとしても、この男性がした行為は、決して許せるものではありません。 いえ本物だったら余計に、誰かの指が入ってしまったケーキを、振舞って貰っても嬉しくありません。    ♡ この日、2つのことを学び反省しました。 「自分が知っていても、 他の人が知っているとは限らない」 「自分で思っている常識と、 他の人が思っている常識は、 必ずしも一致するとは限らない」 以降、ウエディングケーキが、生ケーキの場合には、必ず付け加えることにしました。 「後程このケーキを、 皆様にお召上がりいただきますので、 お手を触れないよう、 ご理解・ご協力をお願いいたします」と。    ♡ 本物であれ偽物であれ、飾られているウエディングケーキは、お召し上がりになりませぬように。 フェイクの場合には、お身体への影響も懸念されますので…。  ※本文中にも記載した通り、  入刀用の生ケーキは、  全てフェイク(偽物)という訳では、  ありません。  本物の生ケーキを使用する場合もあります。  誤解なきよう、宜しくお願いいたします。続きを読む

感動スピーチが招いた疑惑?

スピーチ

結婚式・披露宴に、感動はつきもの。 まだ式が始まる前、新郎新婦を見た瞬間から、泣き始める人も多く見かけます。 親しい人が幸せな日を迎えるのは、それほど嬉しいものです。 しかし、こんな風になってしまうと、色々大変かもしれません。  小百合さん(仮名)は、28歳OL。 高卒なので、入社からおよそ10年。 上司からも期待され、同僚からも頼りにされ、後輩からも慕われて… 気がつけば、会社になくてはならない存在に、なっていました。 仕事も会社も大好きで、結婚をしてからも、勤務は続けていく予定でした。 しかし、急に新郎の転勤が決まったのです。 悩んだ末、小百合さんは会社を辞め、新郎についていくことを決意しました。    ♡ 退社から1ヶ月後、結婚式・披露宴がおこなわれました。 小百合さんの上司も同僚も、大勢出席してくれました。 新婦側の主賓は、直属の上司である部長でした。 そして、主賓の祝辞が始まったのです。    ♡ お祝いの言葉を述べたあと、思い出を振り返るように、語り始めました。 入社時の面接官として、初めて小百合さんに会った時のこと… 当時高校生だった小百合さんは、可愛いながらも、芯のしっかりとした女の子だったこと… 小百合さんの採用を決めたのは、自分だったこと… 入社してからも、ずっと見守っていたこと… 仕事に対して一生懸命頑張っている、小百合さんの姿… 愛情あふれる言葉に、新婦や会社の同僚のみならず、新郎側のお客様も感動し、目頭を押さえている人もいました。 5分が過ぎ、読んでいた原稿を閉じ、そろそろ祝辞も結びに… 誰もがそう思い、部長ご本人も、そういう予定だったと思います。 しかし… ご自身の話しに、感情が高ぶってしまったのか、祝辞は締めに入るどころか、逆にヒートアップしてしまったのです。 つまり、原稿にはなかったことを、話し始めたようでした。 いかに小百合さんが素晴らしいか、詳細に語り出したのです。 涙声でした。 そして…これからも、ずっとそばで働いてくれると思った… おめでたいことだから、喜んであげなきゃいけないけど、会社を辞めてしまったのは悔しい… 新郎に小百合さんを、奪われたような気持ちでいる… その時にはもう、涙声をはるかに超え、嗚咽になっていました。 感動に包まれていた会場も、次第にスーっと温度が下がるような、そんな雰囲気になりました。 「なんかやばくない?」 「何かあったのか?」 「普通じゃないよね?」 そんな囁き声も聞こえてきます。 泣きながら聞いていた、小百合さんの同僚や後輩も、なんだか冷めたような表情に、なってしまいました。    ♡ きっと部長は小百合さんを、「部下として」可愛がっていただけ、だと思います。 小百合さんは、本当に優秀な社員であり、良き部下だったのでしょう。 だからこそ、結婚は喜ばしいことだけど、会社は辞めて欲しくなかった。 その結果、まるで恋人を取られたかのような、恨み節になってしまったのでしょう。 娘を嫁に出す父親の気持ちと、同じような想いだったのかも、しれません。 初めの5分間だけで話を結んでいたら、とても素晴らしい祝辞、部下思いの良き上司…と、高評価だったことでしょう。 残念ですし、気の毒でなりません。    ♡ 感情をコントロールするのは、とても難しいものです。 でも、結婚式・披露宴の席で、特に男性があまり泣き過ぎると、良からぬ想像をされかねません。 本人のみならず、新婦にも、疑いをかけられるなど、迷惑をかけてしまう可能性もあります。 感激屋の人、すぐ大泣きしてしまう人、感受性が豊か過ぎる人は、くれぐれもお気をつけください。 自分への戒めも込めて…  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。続きを読む

救われた花嫁のブーケ

ハプニング

結婚式に贈られる、手作りのプレゼント。 手間とお金をかけ、心を込めて作成してくれる、それはとてもありがたいもの。 しかしその裏で、会場スタッフが苦労していることも、あったりするのです。 例えばこんなことが…  ある新婦は、高校時代のご友人から、「ブーケを作ってあげたい」そう申し出があったそうです。 そんな特技があるとは、知りませんでしたが、せっかくのお気持ちなので、作って貰うことにしました。 新婦と友人宅の距離は1時間ほど。 「受け取りに行くので、 できたら連絡してね」 そう言うと、 「生花だから、 作るの結婚式前日だよ。  前日の夜取りに来るのって、 大変でしょ?  当日、必ず持っていくから、 心配しないでね」と。 事前にその作品を、見ることができないのは、ちょっぴり心配だけど、信じてお任せすることにしました。    ♡ 当日、挙式前の早い時間に、友人はブーケを持ってきてくれました。 真っ白な花とグリーンで作られた、とても素敵なキャスケードブーケでした。 想像以上の出来栄えに、お願いして良かったと、新婦は心から嬉しく思いました。    ♡ 挙式が済み、披露宴の開始時刻が過ぎました。 まだ、新郎新婦のお支度が、整っていないようです。 一応状況を確認するため、様子を見に行きました。 すると… ご入場口から少し離れたところに、新郎新婦の姿を確認できました。 ではもう間もなくだろう…と、会場に戻ろうとしましたが、ブーケを持つ新婦の手元で、介添えさんが何やらごそごそしています。 近くまで行き、どうしたのかと尋ねると… ブーケのお花が、ポロポロと、取れているではありませんか。 もう開宴時刻は過ぎています。 作り直す時間など、もちろんありません。 しかしまさか、花をポロポロ落としながら歩くわけにも、ブーケなしというわけにもいきません。 テープやワイヤーの予備はないため、可能なところは、テープを剥がして巻き直し、針と糸を使って固定していきます。 新婦はその作業の様子を、心配そうにじっと見つめています。 「ごめんなさい。 もう、これ以上は無理です」 介添えさんの言葉を合図に、新郎新婦、ご入場となりました。    ♡ 幸運にも、この時の介添えさんは、フラワーアレンジメントの、資格をお持ちでした。 だからこそできた、素晴らしい応急処置でした。 もし、何の知識も技術もない、介添えさんだったとしたら、どうなっていたことでしょう。 せっかくご友人が贈ってくれた、心のこもった手作りブーケを、お色直しの瞬間まで、ちゃんと使うことができたのも、この介添えさんのお陰でした。    ♡ フラワーアレンジメント、着付け、お裁縫など、自主的に学ばれている介添えさんも、多くいらっしゃいます。 結婚式に携わるからには…と、万が一に備えているのです。 そのような心構えが、万が一の場合のみならず、普段のきめ細やかな心配りにも、繋がっていると言えるでしょう。 そしてプロフェッショナルに、支えられているからこそ、新郎新婦も、一生に一度の大切な日を、安心して過ごすことができるのだと、改めて感じさせられました。    ♡ 蛇足にはなりますが… 生花のブーケは、重さに耐えきれなくなってしまう、可能性があるそうです。 キャスケードブーケのように、高度な技術が必要なブーケは、特に注意が必要とのこと。 プロでない方が手作りされる際には、くれぐれもお気を付けくださいませ。続きを読む

披露宴のスライド上映に秘密?

プロフィール映像

今は、いつでも簡単かつ大量に、写真撮影ができる時代になりました。 しかしながら、新郎新婦が子どもの頃といえば、20年以上前? となると、まだスマホも無く、カメラもフィルム時代。 今ほど頻繁に写真を撮る機会は、なかったかもしれません。 そのためか、プロフィールビデオなどの制作にあたり、「写真がない!」そう悩む方もいらっしゃいます。 そして、こんな秘密の話を、打ち明けてくれた人もいました。  ある披露宴で、スライドの上映がありました。 新郎新婦の写真を一枚一枚映し出し、それに合わせて、ナレーションを入れるというものです。 プロフィール写真は、ビデオでの上映が主流となっていますが、ナレーションを入れるとなると、録音よりもリアルの方が手軽です。 スライド上映であれば、お客様の反応を見ながら、タイミングの調整ができ、アドリブを入れることも可能なため、会場全体の一体感も期待できます。 その新郎新婦のケースでは、お互いの成長過程を逐一比較できるよう、同じ時代の写真を、同じ枚数選び、交互に披露することとなりました。 生まれたばかりの新郎↓生まれたばかりの新婦↓1歳の新郎↓1歳の新婦 こんな具合です。 一人っ子の新郎は写真が多過ぎ、二人姉妹の新婦は写真が少な過ぎ、双方のバランスを取るのが、とても大変だったそうです。 それでも打ち合わせの際には、なんとか同じ年代・同じ枚数の写真を、用意してきてくれました。 ナレーション原稿を作るために、写真を一枚一枚見ながら、エピソードなどをお聞きしていきます。 新郎側のお話が済み、次は新婦側です。 まず1枚目の写真を見ながら、生まれた時のお話を伺いました。 そして、2枚目に移ったその時でした。 新婦の口から、びっくりするような話が、飛び出したのです。 それは…    ♡ 「ここから数枚は、 私の写真ではありません!」 えっ? 「私、写真ないんです」 なぜ? 「実は私、 姉とそっくりなんです。  両親にとって姉は初めての子で、 嬉しかったのと珍しかったのとで、 写真は物凄くたくさん撮りました。  そして、 6歳違いで生まれたのが私です。  1枚目、生まれた時の写真は、 確かに私の写真です。  でも、 そこから先は、 同じ顔だから…という理由で、 私の写真は撮っていないんです」 そんなことが…。 「だから、 姉の写真にしちゃいました。  内緒にしてくださいね」 内緒は…もちろんです。 でも…それならば、その時代の写真は無しにして、ご自身が写っているものを、ご披露した方が良いのでは…? 「いいんです。  姉の写真を使うことで、 新郎とのバランスもとれるし…。  ほんとソックリなので、 両親と姉以外の人には、 絶対にバレないはずです!」    ♡ 結局、新郎側の枚数を調整し、最小限度3枚だけ、お姉様の写真を使うことになりました。    ♡ ご披露宴当日、新婦がおっしゃっていた通り、どなたにも気付かれることは、ありませんでした。 もちろん、ご両親とお姉様はわかったようで、微妙な表情をなさっていましたが…。    ♡ 当日の新婦とご家族の様子から見て、お姉様だけが可愛がられていたとか、そういう訳ではないようです。 むしろ、愛情たっぷりに育てられたからこそ、抵抗なくお姉様のお写真を、使うことができたのでしょう。 そもそも、問題があるご家庭なら、スライド上映をなさろうとは、思わないでしょうから…。    ♡ お約束通り秘密は守りました。 新郎新婦にも喜んでいただき、お客様にも楽しんでいただけました。 でも、本当にあれで良かったのか?と、何となくモヤモヤした気持ちになるのは、はたして私だけでしょうか…。  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。続きを読む

「忌み言葉」披露宴で、つい…

スピーチ

「忌み言葉」というものがあります。 結婚式・披露宴では、別れや不吉なことを連想させる言葉は、使ってはいけないとされています。 特にスピーチをする際には、誰もが気を遣うことと思います。 しかし、そうは言っても、忌み言葉を瞬時に、他の言葉に置き換えるのは、よほど慣れていても、とても難しいものです。 ですから、つい使ってしまう方、結構いらっしゃるものなのです。 そう、こんな風に…  ケース1【スピーチの定番】 「最後になりますが、 新郎新婦の末永いお幸せをお祈りし、 私からの祝辞を、 終わらせていただきます」 スピーチの締めに使われる言葉、とても多く聞かれます。    ♡ ケース2【その場で急に思いつく】 ある新郎新婦は、居合道をなさっていたことから、ウエディングケーキ入刀は、「ナイフ」ではなく、「真剣」が使われました。 その直後の乾杯スピーチで… 「ケーキが真っ二つに、 スパーンと切れてしまうかと、 ヒヤヒヤしておりましたが、 切れることなくホッとしました。  ですから、 お二人のご縁も切れることなく、 永遠に結ばれていることでしょう」 きっと瞬時に思いついたのでしょう。 ご本人は上手いことを言ったと、満足だったかもしれません。 でも、「切れることなく」と、「切れる」を打ち消しても、忌み言葉でなくなる訳ではありません。    ♡ ケース3【余興とスピーチ】 余興として、実演が多いものの一つに、「空手」があります。 その場合、必ずと言って良いほど、「瓦割り」がおこなわれます。 そもそも、「割る」ということ自体、あまり縁起の良いイメージでは、ありません。 しかし、武道としてのパフォーマンスですから、マイナスイメージには、繋がらないのかもしれません。 ただし…「お二人の愛の力が加わったのか、 見事◯枚も割ることができました」 スピーチの中で、つい言ってしまうのです。 風船を使った余興でも… 「割れてしまってすみません。 代わりの風船も用意していないので、 割れたままですが、 これで終わりにしたいと思います。  本当にすみません」 全然謝ってないし…って思われます。 余興の方に神経を配っていると、スピーチの方にまで気が回らない、そういう人も多いようです。    ♡ 日常の生活では、使っても何ら問題ない言葉だけに、結婚式の場でも、ついうっかり使ってしまいがちです。 結婚式は新郎新婦にとって、新生活のスタートラインです。 別れや不幸をイメージする言葉は、お二人にはありがたくないもの。 自信のない方は、一度スピーチ原稿を作って、チェックしてみることを、おススメいたします。 新郎新婦の、末永いお幸せのために… 追記もし忌み言葉を使ってしまった場合、そのままスルーしてください。訂正やお詫びをすると、かえって強調してしまうことに、なってしまいますので、くれぐれもお気をつけください。  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。 続きを読む

披露宴中盤、親族が消えた?

出席者

結婚式・披露宴と言えば、ご親族が一堂に会する場でもあります。 日頃あまり交流の機会がないご親族は、新郎新婦の晴れ姿をご覧になるのも、久しぶりにお会いできるのも、とても嬉しいことでしょう。 しかし、お色直しを済ませ再入場した時、親族一同、ごっそりいなくなっていたとしたら…  大阪出身の裕也さん(仮名)は、東京の大学を経て、東京の企業に就職されました。 新婦は同じ会社の同僚、つまり、職場結婚です。 結婚式は、会社のある東京でおこなわれました。 新婦側のご親族は、皆、東京近郊にお住まいでしたが、新郎のご両親・ご親族は、大阪からお越しになりました。    ♡ 挙式・披露宴は、和やかな雰囲気で進行し、ご出席の皆様も、お喜びくださっているご様子です。 そして、新郎新婦はお色直しのため中座され、お色直しのあとは、お二人が楽しみにしていた、キャンドルサービスがおこなわれます。    ♡ ドライアイスの真っ白い煙に包まれ、新郎新婦が入場しました。 ところが… 新郎側のご親族席には、誰もいません。 ご両親が、ポツンと取り残されたように、座っているだけだったのです。    ♡ ご親族一同様は…お帰りになりました。    ♡ 東京・新大阪間は、新幹線で2時間半程度。 ご出席者のことを考え、挙式・披露宴は、昼間の時間帯を選びました。 遠距離ではありますが、時間的には、日帰りでも全く問題ありません。 しかし… どうやら、計算違いだったようなのです。    ♡ 新郎新婦のご入場直前、ご親族が引き出物の袋を持って、続々と会場を後にする姿を見て、急いで追いかけて尋ねると… 新幹線の時間に、間に合わないというのです。 「もう2時間経ったし…」と。 つまり、披露宴は2時間でお開きになると、思い込んでいたそうなのです。 そして、それに合わせギリギリの時間で、親族のお一人が全員分のチケットを、とってしまったのだとか。 今から変更もできないし、人数も多いし、高齢の方もいらっしゃるし… それで、帰ることにしたのだそうです。 ご親族およそ30名。 3テーブルが、空っぽになってしまいました。 そのあと、ご友人たちがスピーチや歌で、大いに盛り上げてはくれましたが、30名分の空席は、とても寂しく感じました。    ♡ ここまで大勢でというのは、珍しいケースではありますが、新幹線や飛行機の関係で、途中でお帰りになる方、よくお見掛けします。 せっかくのおめでたいお席、たとえ一席でも、空席になるのは寂しいものです。 後のご予定がない限り、お開きまで、新郎新婦をお祝いしてあげて欲しい。 披露宴のお時間は、ホテルや結婚式場によって異なります。 そして、スピーチや余興の関係で、予定よりも、長引いてしまうこともあります。 飛行機や新幹線等のチケットを、お買い求めの際には、十分ゆとりを持っていただけたら…そう願っています。  ※本文中の内容は、   事実に基づくフィクションです。続きを読む