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結婚式と宗教問題

出席者

お正月には神社へ初詣、お彼岸・お盆にはお墓まいり、クリスマスもお祝いして… 日本人は一般的に、宗教を超えて様々なことを受け入れられる、そのような人が多いことと思います。 しかし宗派によっては、そうはいかないという場合もあります。 そしてそれは、結婚式・披露宴でも…  そもそも、人を好きになる時って、相手の宗教のことまでは考えない人が、多いのではないでしょうか? しかし現実には、宗教が原因で結婚を諦めざるを得ない、そういう人たちも少なくないようです。 本人同士が熱心な信者であれば、お付き合いの前に確認するのでしょうが、そうでない場合には、具体的に結婚の話になってから、問題が浮かび上がってくるのです。 そうなると、結婚式・披露宴をおこなうに際しても、色々と問題が出てきてしまうというわけです。 挙式をどうするか… 一般的なホテルや結婚式場では、神前式もしくはキリスト教式で、結婚式が執り行われます。 無宗教、あるいは、宗教にこだわらない場合には、「父とバージンロードを歩きたい」「和装の結婚式が夢だった」など、自分の好きなスタイルや、憧れのスタイルを選ぶという人が、大多数だと思われます。 ところが宗教によっては、「ダメ」という場合もあるものです。 両家ともに同じ宗教なら、問題が起こることはないでしょう。 しかし、両家の宗教が異なる場合には、深刻な問題になってしまいます。 では、一体どうしたら良いのでしょうか? 近年、宗教問題に関わらず、「人前式」をおこなうケースが、とても多くなっています。 人前式は、「神様」に誓うのではなく、「出席者」に誓うものです。 その内容も、新郎新婦の意向で、自由に決めることができます。 ですから、両家相反する宗教である場合には、人前式を選ぶことが、もっとも円満な解決法と言えるでしょう。    ♡ スピーチでも… スピーチで、避けた方が良い話題の一つが、「宗教」です。 しかしながら、熱心な信者であればあるほど、スピーチを通して、布教活動をおこなってしまう人がいます。 自分が信じる神様がいかに素晴らしいかを、多くの人に広めたいと思うのでしょう。 出席者の中に、相反する宗教の信者が、いないとは限りません。 違う宗教の熱心な信者がいると知っていて、あえて話題にする人もいます。 「宗教戦争」があるように、たとえそれが個人レベルであっても、その後の人間関係に、悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。 スピーチは「お祝いの言葉」です。 決して「布教演説」ではありません。 スピーチでは宗教に触れないことが、大人のマナーとも言えるのではないでしょうか。    ♡ こんなことも… 「乾杯をおこなってはならない」そういう宗教があるそうです。 あるご披露宴でのこと、出席者の中に、その宗教の信者が、2名だけいらっしゃいました。 新婦側のお父様とお母様でした。 ご両親は「乾杯は無しにして欲しい」そうおっしゃいました。 新郎新婦は、乾杯がないのは不自然なので、通常どおりおこないたいとの意見でした。 話し合いを重ねた結局、新婦の両親を除き、乾杯はおこなうことで話はまとまりました。 しかし、乾杯をしてはいけないだけでなく、起立することさえ許されないとのこと。 お客様全員がお立ちになっている中、2名だけ、それも新婦の両親が、起立しないというのも不自然ですし、失礼に当たるのではないかと心配です。 さらに、宗教上の理由…ということは、絶対に公言しないで欲しいとのこと。 さて、どうしたら良いものか…。 結局、「全員座ったまま乾杯をおこなう」ということで決着しました。 決着したのは良いのですが、乾杯の発声をしてくださる方まで、座ったままというわけにもいきません。 どう説明するのか、どう理由をつけるのか…難問でした。 「本日は皆様方に、 ごゆっくりとおくつろぎいただきたい というのが、 ご新郎ご新婦のご意向であるため、 乾杯も、ご着席いただいたままで おこないたいと存じます」 説明しているような、していないような…理由になっているような、いないような…    ♡ 結婚式・披露宴には、色々な地域から、様々な人たちが集まります。 宗教のみならず、風習や地域性の違いも、あって当然でしょう。 しかし、意見の大きな食い違いがある場合にも、どこかで妥協しなくてはなりません。 何か問題が生じた際には、新郎新婦をはじめ、ご出席者全員が、最も平和で心地よく過ごせる方法を、探してみてください。 また、人それぞれ色々な事情があることも、人によって考え方が異なることも、理解してあげて欲しい…そう思います。  ※本文中の内容は、  宗教を否定するものでは決してありません。  誤解なきようお願いいたします。続きを読む

披露宴中盤、親族が消えた?

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結婚式・披露宴と言えば、ご親族が一堂に会する場でもあります。 日頃あまり交流の機会がないご親族は、新郎新婦の晴れ姿をご覧になるのも、久しぶりにお会いできるのも、とても嬉しいことでしょう。 しかし、お色直しを済ませ再入場した時、親族一同、ごっそりいなくなっていたとしたら…  大阪出身の裕也さん(仮名)は、東京の大学を経て、東京の企業に就職されました。 新婦は同じ会社の同僚、つまり、職場結婚です。 結婚式は、会社のある東京でおこなわれました。 新婦側のご親族は、皆、東京近郊にお住まいでしたが、新郎のご両親・ご親族は、大阪からお越しになりました。    ♡ 挙式・披露宴は、和やかな雰囲気で進行し、ご出席の皆様も、お喜びくださっているご様子です。 そして、新郎新婦はお色直しのため中座され、お色直しのあとは、お二人が楽しみにしていた、キャンドルサービスがおこなわれます。    ♡ ドライアイスの真っ白い煙に包まれ、新郎新婦が入場しました。 ところが… 新郎側のご親族席には、誰もいません。 ご両親が、ポツンと取り残されたように、座っているだけだったのです。    ♡ ご親族一同様は…お帰りになりました。    ♡ 東京・新大阪間は、新幹線で2時間半程度。 ご出席者のことを考え、挙式・披露宴は、昼間の時間帯を選びました。 遠距離ではありますが、時間的には、日帰りでも全く問題ありません。 しかし… どうやら、計算違いだったようなのです。    ♡ 新郎新婦のご入場直前、ご親族が引き出物の袋を持って、続々と会場を後にする姿を見て、急いで追いかけて尋ねると… 新幹線の時間に、間に合わないというのです。 「もう2時間経ったし…」と。 つまり、披露宴は2時間でお開きになると、思い込んでいたそうなのです。 そして、それに合わせギリギリの時間で、親族のお一人が全員分のチケットを、とってしまったのだとか。 今から変更もできないし、人数も多いし、高齢の方もいらっしゃるし… それで、帰ることにしたのだそうです。 ご親族およそ30名。 3テーブルが、空っぽになってしまいました。 そのあと、ご友人たちがスピーチや歌で、大いに盛り上げてはくれましたが、30名分の空席は、とても寂しく感じました。    ♡ ここまで大勢でというのは、珍しいケースではありますが、新幹線や飛行機の関係で、途中でお帰りになる方、よくお見掛けします。 せっかくのおめでたいお席、たとえ一席でも、空席になるのは寂しいものです。 後のご予定がない限り、お開きまで、新郎新婦をお祝いしてあげて欲しい。 披露宴のお時間は、ホテルや結婚式場によって異なります。 そして、スピーチや余興の関係で、予定よりも、長引いてしまうこともあります。 飛行機や新幹線等のチケットを、お買い求めの際には、十分ゆとりを持っていただけたら…そう願っています。  ※本文中の内容は、   事実に基づくフィクションです。続きを読む

少人数披露宴の難しさ

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出席者は親族だけ…など、ごく少人数での披露宴も、近年人気となっています。 新郎新婦が、ご両家ご両親と共に、親族のお宅一軒一軒を回って、直接ご挨拶するには無理がある。 かといって、ハガキ一枚だけで、結婚のご挨拶を済ませるのも、なんとなく申し訳ない気がする。 しかし、会社の上司や同僚、大勢の友人たちを招いた、本格的な披露宴までは、おこなうつもりがない。 そうなると… 「お食事会のような披露宴」ということになるようです。 少人数制のご披露宴、出席者に楽しんでいただくことは、できるのでしょうか?  少ない人数だから、何もしなくても、自然と、温かで楽しい披露宴になる、そう思っている人… ちょっと待って! 実は、小規模であればあるほど難しい、とも言えるのです。 どういうこと? 少人数の場合、・新郎新婦と出席者との距離が近い、・ゆっくりと過ごすことができるという利点があります。 だからこそ… 細かいところまで、お客様の目が届く、ということになります。 つまり? ・ごまかしがきかない・ボロが出やすいということなのです。 例えば? スピーチやら、余興やら、イベントいっぱいのご披露宴であれば、気持ちも、行動も、分散することになります。 しかし、2時間〜2時間半、なんの余興もなしに、ただ黙々と食事をしていると… ・盛り上がりがない・退屈・お料理がイマイチ など、色々なことが、気になってしまうのです。 でも、一人ひとりと、直接ゆっくり話ができるし… その通り!それはとても嬉しいことです。 しかし、歓談をしている相手以外の人は、その時間、どのように過ごすのでしょうか? 仮に、20名の出席者だったとしましょう。 一人5分間、個人的に話をしたとして、5分間✖️20名=100分間 100分間のうち、自分と話しているのは5分間です。 つまり、残りの95分間は、新郎新婦が自分以外の人と話している、ということになるのです。 その95分の間、ただひたすら食事をしている、時間を持て余してしまう人もいる、ということにもなりかねません。 つまり、新郎新婦は、開宴からお開きまで、ずーっと楽しい時間を過ごせても、出席者全員が同じ気持ちだとは、必ずしも言い切れないということです。 しかし、逆もまた真なり。 何もない披露宴であっても、全員が楽しく過ごせる場合もあります。 それは、・地域性・出席者の人柄・飲酒の有無などが、大きく影響しているように思われます。 だからこそ、・披露宴の雰囲気作り・進行の組み立てこれはとても難しいものなのです。    ♡ 披露宴の規模が、大きかろうと小さかろうと、自然と上手くいく…というのは稀なこと。 何もしないならしないなりに、その中でお客様がどう感じるのか、どのように過ごしてもらえるかは、きちんと想像しておく必要があります。 どうか、新郎新婦のみならず、ご出席の皆様にとって、心地よいひとときとなりますように。  ※本文中の内容は、  個人的な意見であることを、  ご理解・ご了承ください。続きを読む

結婚式とマイクロバス

出席者

最近は新幹線も飛行機も便利になり、地方から都心へ、都心から地方へと、移動時間がかなり短縮されました。 結婚式にも、遠方から出席しやすくなった、そう言えるでしょう。 しかし、飛行機の発着空港や、新幹線の発着駅から、自宅までの距離が近いとは限らず、その場合には、親族一同、友人一同、結婚式場までマイクロバスを利用する、そんなケースもまだまだ多いようです。 とても便利なマイクロバス、しかしその一方で、こんなリスクもあります。 そのリスクとは? 【体調不良】 長距離の場合、当然のことながら、バスの中で過ごす時間も、とても長くなります。 結婚式の時間によっては、前の晩に出発しなくてはならない、そんなケースもあります。 乗り物に弱い人のみならず、長時間のバス移動は、思っている以上に、体への負担が大きいようです。 そして、もしも礼服で乗り込んでしまったら、バスの中で過ごす時間は、かなり窮屈なものとなってしまうでしょう。 その結果、車酔いや疲労が起こってしまうのです。 式場に到着した時には、みんなフラフラ。 挙式も披露宴も、頭がボーッとしてしまい、何だかよく覚えていない、そんな人まで出てしまうことも。 【バス内の居心地が悪い】 親族だけ、友人だけ、そのような気心の知れた人だけの場合は、もしかしたら遠足の時みたいに、物凄く楽しめたりするかもしれません。 実際、バスの中から大盛り上がり…そんな話も耳にします。 しかし、親族の中に友人ひとり…とか、小・中学校時代の友人たちの中に、高校時代の友人がひとり…など、親しい人たちのグループに、ポツンと一人入れられてしまったら、どう感じるでしょうか。 その人の性格などにもよりますが、嫌だな…と思う人もいるでしょう。 更に時間が長ければ、苦痛になってしまう可能性もあります。 【到着してから居場所がない】 余裕を持って出発するため、過剰に早く到着してしまう、 そんな場合があります。着替えをしたり、身支度を整えた後、どこで待っていたら良いのか…。 控え室が用意されていれば、問題はないでしょう。 館内にレストランがあれば、くつろいでお待ちになれるでしょう。 しかし、早い時間ともなれば、控え室もまだ開かない、レストランも営業時間前、ロビーに全員分の椅子はない、近隣のお店も開いていない… 疲れに疲れが重なって、お客様をイライラさせてしまう、そんな可能性があります。 また、親族の中には、高齢の方もいらっしゃるため、体調のことは本当に心配です。 【到着が大幅に遅れる】 「来ない!!!」 大騒ぎになることもあります。 春の行楽シーズン、ゴールデンウイーク、秋の紅葉シーズン、台風大雪…etc 季節によっても、気象条件によっても、交通事情に影響が出るものです。 マイクロバス会社やドライバーさんは、もちろんプロですから、そのあたりは、きっちり調べた上で、運行計画を立ててくれます。 しかし、予想以上に…ということも、ないとは言えません。 特に、交通事故による渋滞や、台風や雪などによる気象の影響は、推し量れない場合もあります。 多少の遅れであれば、大きな問題になりませんが、大幅に遅れると、大変なことになってしまいます。 実際に、私が担当したご宴席でも、大幅な遅れがありました。 新郎側の親族一同が乗ったバスが、挙式の時間が過ぎても到着しない。親族だけならまだしも、 バスには、新郎のご両親も同乗していたため、挙式も執りおこなうことができない。 結局、到着を待って、挙式も披露宴も、2時間遅れ!で、おこなわれました。 新郎新婦の勤務先社長をはじめ、全てのお客様を、2時間も待たせてしまいました。 それでもこの日は、たまたま、後のご宴席が入っていなかったから、まだ良かったようなもの。 そうでなければ、その日に披露宴は、できなかったかもしれません。    ♡ マイクロバスは、大勢が一緒に移動できるため、とても便利です。 また、飛行機や新幹線を利用するより、お値段もお安いかもしれません。 しかし、マイクロバスでお越しになる人への、細やかな心配りも、ぜひ忘れないで欲しい…。 そして、万が一の場合があることも、頭に入れておいていただければ…と、思います。 結婚式・披露宴が、滞りなく執りおこなわれますよう、心から願っております。  ※マイクロバスの運行に関しては、  必ずバス会社にお問い合わせください。  なお、  本文中の内容は、  マイクロバスを否定するものでは、  決してありませんので、  誤解なきよう、お願いいたします。続きを読む

笑いあり涙あり、披露宴の子どもたち

出席者

どんな名俳優・名女優でも、子どもにはかなわない…そう言われています。 披露宴でも、子どもたちの可愛らしさは、時に、笑いを誘い、時に、涙を誘うことも。 無邪気な子どもたちが繰り広げた、披露宴でのエピソードを、ちょっぴりご紹介します。 【緊張しちゃった?】 披露宴でよくおこなわれる、お子様からの花束贈呈。 その日登場してくれたのは、新婦のお姉様のお嬢様、5歳。 小さな花束を渡したら、「おめでとう」って言って貰えるよう、お姉様にお願いしておきました。 お色直し中の時間に、一生懸命練習してくれていました。 そして、いざ本番。 花束を渡したところでマイクを向けると、実に堂々と、しっかりした口調で、お祝いのことばを言ってくれました。 「お誕生日おめでとう!」    ♡ 【あまりの嬉しさに…】 同じく、お子様の花束贈呈シーン。 新郎のお兄様のご子息。5歳と6歳。 花束を贈呈すると、新郎新婦から、大きな包みのプレゼントが、二人に贈られました。 マイクを向けると、「おめでとう」ではなく、「ありがとう」と…。 そして引き続きおこなわれた、新郎新婦との写真撮影。 しかし、カメラマンさんのお声がけも、お兄様ご夫妻の言葉も、全く聞こえていない様子。 床にペタンと座り、2人は黙々とプレゼントの包みを、開け始めたのです。 包みから出てきたのは、欲しがっていたラジコン・カー。 二人は大喜びです。 包み紙と箱をそこに放り出したまま、ラジコンカーを抱きしめ、新郎新婦に向かって大きな声で、「ありがとう!」そう言って、走り去って行きました。    ♡ 【サプライズ】 新婦は幼稚園の先生。 妊娠したこともあって、3月いっぱいで、寿退職されました。 披露宴には、園長先生をはじめ、先輩・同僚が出席していました。 そして、お色直し入場のあと、一番最初の余興が、同僚のエレクトーン演奏でした。 会場が暗くなり、スポットライトに包まれながら、演奏が始まりました。 「思い出のアルバム」作詞 増子とし 作曲 本多鉄麿 1番の演奏が終わりました。 そして、2番に入った瞬間、会場が、パッと明るくなりました。 と同時に、歌が始まったのです。 「春のことです 思い出してごらん あんなこと こんなこと あったでしょ ぽかぽかお庭で 仲良く遊んだ きれいな花も 咲いていた」 そこには幼稚園の園服を着た、つい先日巣立って行ったばかりの、教え子たちの姿が…。 赤いバラの花を1本づつ持ち、大きな声で、一生懸命歌っています。 新郎も新婦も、このことは全く知りませんでした。 同僚と、保護者が連携し、ホテルのスタッフと内密に進めた、サプライズだったのです。 歌が終わると、教え子たちは新郎新婦の元に行き、女の子は新郎に、男の子は新婦に、赤いバラを渡し、お祝いの言葉を…。 「先生、おめでとう」「先生、ありがとう」「元気な赤ちゃんを産んでね」「赤ちゃん、可愛がってあげてね」「先生、赤ちゃんが生まれても、 僕たちのこと忘れないでね」    ♡ 子どもたちの行動や、子どもたちのたった一言が、人を楽しませたり、笑わせたり、感動を与えることができる…。 まるで、魔法使いのようです。 どんなに素晴らしいスピーチでも、純粋、無垢な子どもたちには、やっぱり、かないそうもありません。  ※本文中の内容は、事実に基づくフィクションです。続きを読む

披露宴の出席人数、両家のバランス気になる?

出席者

披露宴では、新郎側・新婦側のバランスを、気にする人も多いようです。 ・出席者の数・プロフィール紹介・主賓祝辞・スピーチ・余興の数などなど。 果たして、バランスって、どこまで重要なのでしょうか? そして出席者は、どこまで気にしているのでしょうか? 今回は、出席者数のバランスに、注目してみたいと思います。 「バランス」あなたは、気になりますか? バランス問題で、最初に発生するのが、「出席者の数」でしょう。 招待状をお送りする時点で、頭を悩ませている人が、大勢いるようです。 新郎側と新婦側の出席者、その数合わせは不可能に近いケースも、珍しくありません。    ♡ 【家族・親族の数】 例1父 一人っ子母 一人っ子祖父母の出席無し このケースでは、身内の参加は両親2人だけになります。親族無しということです。 例2父 3人兄弟母 3人姉妹兄 妻と子供3人姉 夫と子供3人祖父母2×2=4人 このケースの場合、上記だけで16名になります。 そこに、両親の兄弟姉妹と配偶者を合わせると、24名になるわけです。 もしも、例1の人と、例2の人が、結婚したとしたら… 両親・親族の出席者は、2名 VS 24名というわけです。 更にその家系のしきたりによって、従兄弟とか、祖父の兄弟とか本家とか…招待しなくてはならない親族は、限りなく増える可能性もあります。 少ない方に合わせた場合は2人です。 例2の祖父母も兄弟も、出席できないことになります。    ♡ 【仕事関係の出席者数】 新郎新婦ともに、一般的な会社に、正社員として勤務している場合は、比較的バランスが取りやすいでしょう。 しかし、・どちらかが経営者、・どちらかが契約社員やフリーター、・フリーランサーなど特殊な職業、・新婦はすでに寿退社、などの場合は、バランスを取るのがとても困難です。 職種によっても、関わっている人の数に、かなりの違いがあるはずですから、出席者数にも当然影響します。    ♡ 【友人の出席者数】 ごくわずかな友人と、深くお付き合いしている人もいれば、広い交友関係をお持ちの人もいます。 遠方出身の人は、宿泊費・交通費の負担を考えると、招待できる数に、限りもあるでしょう。 親族や仕事関係よりは、人数を合わせやすいかもしれませんが、最も出席して欲しいのは、やはり友人。 そう考えると、少ない方に合わせるのも、難しい気がします。    ♡ 【両親知人の出席者】 両親が、地元の有力者、会社経営者などの場合、両親関係の招待者も加わることが、少なくありません。 これも、両家、数を合わせるのは、難しいことが推察されます。 などなど…    ♡ そもそも、招待者のバランスに拘っているのは、誰なのでしょうか? 新郎新婦?両親?親族?出席者? 新郎・両親・親族は、体裁とか見栄とか、そのような理由から、気にする人も多いかもしれません。 では、出席者はどうなのでしょう? 例えば、あなたは席次表を、どうご覧になりますか? 新郎側の出席者何人、新婦側の出席者何人って、数えますか? 出席者の肩書き、すごいなあ〜、出席者300名、豪華だなあ〜、そういう風に思う人は、多いかもしれません。 でも、出席者のバランスに注目する人は、あまりいないのではないでしょうか? そもそも、(手作りのものは別として)一般的な席次表の場合、全く見ていないという人も大勢います。 つまり、一般の出席者は、両家のバランスについて、あまり気にしていないのでは、ないでしょうか? それよりも、人数調整のために、仲の良い友人に出席して貰えなかった、呼びたくない人まで招待することになった、そういうことの方が、残念だと思いますし、心配です。    ♡ どうしても気になる人は、席次表の「新郎友人」「新婦友人」などの記載を、新郎・新婦の文字を取り除き、どちらも「友人」とするだけで、問題が解決する場合があります。 招待したい人、出席したい人が、ちゃんと参加できることが、後悔の無い、素敵なご披露宴になる、第一歩なのではないかと私は思います。 ※本文中の内容は、一般的な披露宴に対する私個人の意見であり、立場や境遇によって見解が異なりますことを、ご理解・ご了承ください。続きを読む

新郎新婦と出席者の温度差(料理編)

出席者

素晴らしい結婚披露宴にしたい、新郎新婦なら、誰もがそう思っているはず。 では、その「素晴らしい」とは、どのような披露宴のことなのでしょうか? 素晴らしい披露宴とは…・出席者に喜んでもらえる・出席者に楽しんでもらえる・出席者に感謝の気持ちが伝わる・新郎新婦が楽しめる・新郎が素敵に見える・花嫁が美しく見える・両親が喜んでくれる…などなど、人によって重点を置くポイントが、異なることと思います。 もちろん、上記のようなこと全てを願う人も、多いことと思います。 しかし、そう願いながらも、素晴らしい披露宴にならなかった、そういう人も、いるのではないでしょうか? 今回は、「新郎新婦」の想いと、「出席者」の受けとめ方は、必ずしも一致しなかった… そんなケースの中から、お料理の選び方に関して、お話したいと思います。 あなたには、出席者の気持ちがわかりますか? あなたが出席者なら、新郎新婦の想いを、察してあげることができますか?とにかく一番大切なのは、ゲストに「出席して良かった」と、思ってもらえること…、 そう、お考えの人が、圧倒的に多いのではないでしょうか。 では、出席者は、どうしたら喜んでくれるのでしょう?    ♡ 悩みどころでもあるお料理。試食会に参加したり、友人や同僚に意見を求めたり、ネットで調べてみたりと、みなさんかなり苦労しているようです。 お料理を楽しみにしている出席者も、多いからでしょう。 しかし、新郎新婦が美味しいと納得し、高額なお料理を選んだとしても、出席者には満足いただけなかった、そんなケースもあります。    ♡ ある新郎新婦は… 新郎新婦の親族は、地方の不便な場所に住んでいる人が多く、こういう時だからこそ…と、フランス料理を選びました。 かなり高額なお料理でした。 あまり食べる機会もないだろうし、きっと喜んで貰えるはず、そう思ったのです。 しかし、あまり召し上がって貰えませんでした。 理由は、「食べたことないし、 味もよく分からない」とのこと。 お箸も用意されていましたが、フォークとナイフが、テーブルにいっぱい並んでいるのを、会場に入った瞬間、目にした段階で、気後れしてしまったようです。 残念ながら、新郎新婦の想いは、全く伝わらなかったということになります。    ♡ 披露宴には、いろいろな年齢層の人が集まります。お住いの地域も違います。 全ての人に喜んでいただくのは、確かに難しい場合もあると思います。 上司・同僚・友人・両親と、幅広い人たちの意見を採り入れ、広い視野で判断されることも、成功のポイントになるかもしれません。    ♡ こんな新郎新婦も… 披露宴の料理なんて、どうせ残す人が多いんだし、値段なんてわからないだろうし、そこにお金をかけるなんて勿体ない。 そう思って、お料理のお値段を、ものすごく抑えてしまったのです。 しかし、お料理のランクって、意外とわかってしまうものです。 案の定、出席者はかなり不満だったようです。 それは新郎新婦の意向であり、ホテル側には何の責任もありませんが、ホテルのスタッフは逐一文句を言われ、最後には、「絨毯(じゅうたん)の色が悪い!」とのお叱りまで受けてしまいました。    ♡ まあ、ここまで酷いケースは稀ですが、お料理に満足いかなかった披露宴は、後々までも、ずーっとそのことを、言われ続けてしまう可能性もあります。 人間って、食の欲求が満たされていると、少々のことは気にならないそうです。 お腹が満たされると、心も満たされる。 言い方を変えると、お料理に満足できないと、他の些細なことにも、不満が生まれてしまうのです。 「食べ物の恨みは恐ろしい」 お料理にかけるお金を少しでも浮かせて、他のことに回そうと考えている人は、十分お気をつけください。    ♡ 今回は、お料理について、お話させていただきました。 お料理は、出席者も期待している、重要なポイントの一つです。 金額の問題だけではなく、出席者全員に喜ばれるお料理を、選ぶことができますように。 本当に難しいものです…。  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。  また私個人の意見であり、  それぞれ考え方が異なりますことを、  ご理解ご了承ください。続きを読む

離婚していても、娘の結婚式に出席したい!

出席者

新郎新婦のご両親が離婚している、そういうケースも珍しくありません。 そして、そのようなケースでは、ほとんどと言っても良いほど、みなさん悩んでいるようです。 中でも一番の悩みは、やはり出席のこと。 父と母は別れてしまっていても、自分の父親であること、自分の母親であること、それは一生変わりません。 自分の命を、この世に授けてくれた両親。 父親にも、母親にも、晴れ姿を見て欲しい… それはきっと、ご両親にとっても同じ。 しかし、そうは思っても、簡単にはいかないことも、少なくありません。 ご両親がいつ離婚したのか、どちらに育てられたのか、現在の関係性はどうなのか、ご両親は再婚しているのか、父と母の交流はあるのか、両親の離婚理由は何なのか…etc 様々なことから、ご両親ともに出席して貰うことを、諦めなくてはならない人も、大勢いるようです。 あなたが親だったら、あなたが息子・娘だったら、どうしますか?真由子さん(仮名)のご両親は、真由子さんが小学生の時に、離婚されました。  お母様に好きな人ができ、ご両親は離婚、真由子さんは、お父様に引き取られました。 離婚から2年が経った頃、お母様が再婚し、真由子さんが成人式を迎えた年に、お父様も再婚しました。 つまり、現在は、お父様もお母様も、それぞれ新しい家庭を築いています。 真由子さんは、家を出て行ってしまったお母様に、恨みと憎しみしかなく、会うことも、連絡を取ることさえも、拒み続けて来ました。 私には、お父さんだけいればいい、そう思っていました。 しかし、お父様が再婚し、自分にも彼ができた頃から、折に触れ、お母様のことを、考えるようになったのです。 そして、彼との結婚が決まった時、「お母さんにも出席して欲しい…」お父様にそう告げました。 反対されると覚悟していましたが、お父様は、「やっと真由子も、    お母さんのこと、    許してあげられる日が来たんだね」と、嬉しそうに言ってくれたのです。 実は、お父様とお母様は、離婚してからも、ずっと連絡を取り合っていました。 娘のことを何より心配していたお母様に、お父様は、真由子さんの様子を、報告し続けていたそうです。 ですから、真由子さんに彼氏ができたことも、そろそろ結婚することも、お母様はご存知でした。 そして、「真由子が許してくれるなら、 結婚式に出席したい…」そう話していたのだそうです。    ♡ 結婚式当日、母と娘の願いが叶いました。 義理のお母様は、「私は欠席するから…」と、申し出てくださったそうで、お父様とお母様は、ちゃんと両親席に並んで座りました。 お母様は再婚しているので、当然、苗字が変わっていますが、その日は、旧姓で出席されました。 つまり、事情を知らない人には、お父様とお母様が離婚したことは、全くわかりません。 花嫁のお手紙で、真由子さんは、ご両親が離婚される前の、楽しかった思い出を振り返ったあと、こう結びました。 「お父さんとお母さんが、    結婚してくれて本当に良かった。     私を産んでくれてありがとう。     私は、    お父さんのことも、    お母さんのことも、    大好きです」と。    ♡ このケースは、ご両親のみならず、ご親族の温かな想いがあったこからこそ、叶えることができました。 ところが実際には、その願いが叶わない方が、多いことでしょう。 しかし、たとえ出席が叶わなかったとしても、親が子を想う心、子が親を想う心は、何より深く、強いものだと思います。 困難な状況の中でも、それぞれの親子にとって、最良の方法を探して欲しい… ご両親にとっても、息子さん・娘さんにとっても、素晴らしい結婚式となりますことを、心から願ってやみません。 ※本文中の内容は、事実に基づくフィクションです。続きを読む

えっ?それ持って帰るの?

出席者

いきなりですが、昔の婚礼料理って、ご存知ですか? まずご存知ないことを承知の上で、お尋ねしてしまいました。 でも、昔って言っても、そう遠い昔ではありません。私が司会を始めた頃は、まだまだこういうスタイルが、多かったことを記憶しています。 披露宴会場に入ってすぐ、目に飛び込んでくるのが、テーブルの上に並べられた「鯛」。 「めでたい(鯛)」として、必ず出されていたお料理です。鯛は骨が多くて食べにくい上に、披露宴が始まる前から、テーブルに並べられているため、冷たい。 つまり、その場で召し上がるのではなく、持ち帰る人がほとんど。それを前提に用意されたお料理でした。 それに加えて、鯛以外のお料理も、持ち帰ることができるように、折り詰め用の入れ物なども、用意されていたのです。 今は、食中毒などの危険があることから、婚礼料理の持ち帰りは、ほとんどの会場で、当たり前のように禁止となっています。 しかしながら、地方によっては、結婚式のお料理は持ち帰るものだ!という考え方や習慣が、根強く残っているところもあります。 だからといって、ここまでしなくても…。 あなたにも、何か持って来てしまった経験、ありませんか?そして、この持ち帰り、あなたはどう思いますか?隠れて色々持ち帰る人は、ハッキリ言って、よく見ます。 さすがに、フランス料理は、無理かと思われますが、どんなものでも持ち帰れるよう、そのための容器を持ち込む方も、いらっしゃるのです。 持ち帰ったそのお料理、果たしてどれくらいの人が、ちゃんと食べているのだろうか?と、いつも疑問に思っていました。 できたての温かなお料理を、ぜひその場で美味しく、召し上がっていただきたいものです。 ただ最近は、飲食業界全体が、食中毒に関して、かなり敏感になっているため、いくら容器を持ち込んだところで、発見されて止められるでしょう。 お料理がダメなら、そのかわりに… 皆様、色々と考えるものです。 私が勝手に選んだ、驚きのベスト3! 第3位 花器お花のお持ち帰りがOKの場合、包装紙などが用意されています。 つまり、生けてあるお花を抜いて、包装紙に包んで持ち帰ってください、ということです。 しかし、花瓶などの花器ごと、持って行ってしまう人がいます。みんながお花を抜いた後の、花器だけを持って帰る人もいます。 花器ごと全員が持ち帰れるように、あらかじめ準備されている場合も、あるにはあるのですが、その旨ご案内がない場合には、お持ち帰りいただけるのは、お花のみです。 そんなこと、当然わかっているだろうと思いきや、多いんです、持って行っちゃう人…。 だから必ず、アナウンスに、付け加えなくてはなりません。「お花を生けてある器は、 ご遠慮ください!」と。 第2位 飲み物お客様のテーブル上のものではなく、サイドテーブルに予備として置いてある、瓶に入った、ビールやお酒などです。 そこから、まだ抜栓されていないものを探し、引き出物の袋に入れて、持ち帰ってしまうのです。 消費量計算(飲んだ分だけ)の場合、後ほど新郎新婦に全て請求が行きます。コンビニで購入した方が断然お安いです。 フリードリンク制の場合、ホテルや結婚式場の負担になります。 もしも、本当にもしもで、こんなことあり得ませんが、一人一本ずつ持ち帰ったとしたら、100本?200本?かなりの損害になります。 この「飲み物」の持ち帰り、少なくないことに加えて、注意しづらいので本当に困ります。 第1位 ???これは私の司会人生で、たった一度、たった一人でしたが、ダントツの1位です。 それは…メロン!!! フランス料理のデザートである、切り分けられたメロンを、そのまま手に持って帰ったご親族(男性)。 今でも忘れられません。 お見送り(立礼)されている、新郎新婦、ご両家ご両親には、メロンを手に持ったまま、ご挨拶なさっていました。 そのお姿もなかなかのものでしたが、一体あのメロンは、あの後どうしたのでしょう?まさか家まで??あのままの状態で???    ♡ 難しいことはわかりませんが、行き過ぎた行為は、犯罪にあたる可能性もあります。 何より、後から新郎新婦に、迷惑がかかる場合も大いにあります。 結婚披露宴には、引き出物が用意されていますので、その他のものは、色々とお持ち帰りにならぬよう、心からお願い申し上げます。 新郎新婦の幸せな笑顔が、何よりものお福分け。 溢れるほどの思い出を、大切にお持ち帰りくださいませ。 ※本文の内容に関しては、私個人の意見や感想であり、また地域や会場などによって、当てはまらない可能性もあることを、ご理解・ご了承ください。続きを読む

プロカメラマンの神業!

ハプニング

仲の良い友人たちが、結婚をお祝いしてくれるのは、とても嬉しいものです。 そして、一生に一度の大切な日を、盛り上げようとしてくれるその気持ちも、本当にありがたいもの。 でも、中には、いるんです。 「盛り上げる」という意味を、ちょっとばかり、取り違えている人たちが…。 あるご披露宴、お料理は中華でした。 テーブルはターンテーブル付き、つまり円卓の上に、もう一枚、回転する丸い板が取り付けられているものでした。 当然ご存知のことと思いますが、この回転する板は、お料理を取りやすくするためのもので、決して、遊ぶ道具ではありません。 もしあなただったら、このような盛り上げ方、どのように受けとめますか?ご披露宴の中盤、いよいよキャンドルサービスです。 思い出の曲に乗せて扉が開き、真っ白なタキシードと、純白のウエディングドレスで、新郎新婦がご入場されました。 そして、一礼から顔を上げ、会場を見渡した新郎新婦。 二人の目に飛び込んできたのは、異様な光景でした。何かが違う。何かがおかしい。 テーブル一つ一つに当てられた照明。そこには、キャンドルと装花が、美しく浮かび上がっている…はずでした。 キャンドルは、確かにありました。 しかし、お花の代わりに見えたものは… なんと男性の裸体でした。 テーブルの中央に乗り、あぐらをかき、ネクタイで頭にハチマキをし、そのネクタイには、キャンドルが固定されています。 パンツ(下着)だけは、身につけてくれていたことが、せめてもの救いです。 それが一つのテーブルだけではなく、5卓。全体の半数にも及んでいます。 つまり新婦友人たちの席にまで、進出しているのです。 そしてご丁寧にも、仲間と思われる男性が、そのテーブルを、回転させているのです。 新郎新婦は大爆笑! …するとでも、思ったのでしょうか? 新婦側の友人も喜ぶ、…と、考えたのでしょうか? お酒が入ると脱いでしまう男性、よく見かけます。 親しい仲間たちだけの飲み会だったら、盛り上がるのかもしれませんが、結婚披露宴の席ではいかがなものか。 新郎新婦、特に新婦の立場なら、絶対に許せない!と、思うのも当然のことでしょう。 各テーブルへの点火が済むと、いよいよ、メインキャンドル点火が、おこなわれます。 高砂席の横に、素敵なメインキャンドルが、用意されています。 するとその周りに、テーブル中央でクルクルと回転していた、裸の男性たちが集まってきたのです。 ん?人数が増えている?総勢10名? カメラに向かって、様々なポーズをとる男性陣。 いくらアナウンスを入れても、やめるどころか、新郎新婦の間に割り込んでみたり、トーチに手をかけたりと、その行動はエスカレートする一方。 会場の最高責任者である、キャプテン(ボーイ長)も、新郎新婦から、必死で、男性たちを遠ざけようとするものの、逆に邪魔者扱いされている始末。 「どけーーーーーーーーっ!」 と、怒鳴りたい衝動を抑え、司会者としては、その場から退いていただきたい旨、優しく丁寧に、アナウンスを繰り返すことしか、できませんでした。    ♡ 披露宴の中で、特に素敵な写真が欲しい、と思うシーンは2箇所。 ウエディングケーキ入刀時と、メインキャンドル点火時です。 なぜなら、他の人が入らない、新郎新婦二人だけのショットであり、結婚の報告や年賀状など、ポストカードに使用するにも、最適だからです。 その大切なシーンに、裸の男性たちが、写り込んでいたとしたら…    ♡ 心配で心配で、披露宴お開き後、すぐにカメラマンに確認しました。 二人だけのショット… ちゃんと撮ってくれていました。 いつ?どうやって?? まさしく神業! プロカメラマンさんが、キラキラと輝いて見えました。 お客様のお見送りを済ませた新婦が、駆け寄ってきました。 「メインキャンドルの写真、 どうなっていますか?  友人たちが撮ってくれた写真を見たら、 それはもう酷くて…」 と、悔しさと怒りを滲ませ、今にも泣き出しそうなお顔で、そうおっしゃいました。 「大丈夫ですよ。 とっても素敵に撮れています。」 信じられない… といった様子で、モニターを覗き込んだ新婦。 「プロカメラマンに 撮影をお願いしていて良かった。 もう、どうしようかと思いました。  本当に、 本当に、 ありがとうございました」 新婦の目から、涙がこぼれ落ちました。    ♡ 後日、この日の新郎新婦から、ポストカードが届きました。 使われていたのは、メインキャンドル点火のお写真でした。 もちろん、お二人だけのショットです。 新郎新婦の幸せな表情も、ちゃんと捉えてくれていたのです。 本当に素晴らしいお写真でした。    ♡ スマホやデジカメの精度が上がり、誰にでもそれなりに、素敵な写真が撮れる時代になりました。 しかし、あの状況で、ポストカードに使用できる写真を撮れたか?といったら、100%無理でしょう。 やっぱりプロカメラマンは凄い!プロフェッショナルとは、こういうものなのだと、当たり前のことながら、改めて強く感じた瞬間でした。    ♡ 写真はこの通り無事でしたが、ご友人たちの行動、あなたは、どのように感じましたか? 盛り上げたいというその気持ち、何かしてあげたいという想い、それはとても尊いものです。 でも、「盛り上げる」と「悪ふざけ」は、似ているようで大きく異なります。 それも良い思い出だったと、笑って振り返ることのできる日が、やがて訪れるかもしれません。 その一方、悔しさや、恨む気持ちが、ずっと残ってしまう可能性だって、あり得るのです。 仲が良かった友人たちとの、今後の人間関係に、悪影響が出てしまうことも、無いとは言えないでしょう。 せっかくのお祝いの気持ちが、逆効果になってしまったら、こんなに残念なことはありません。 お一人お一人の、お祝いの気持ち、優しさ、思いやりが、どうか美しい形のまま、まっすぐ、新郎新婦に届けられますように。 ※本文中のエピソードは、   事実に基づいたフィクションです。続きを読む