月別アーカイブ: 2017年3月

離婚していても、娘の結婚式に出席したい!

出席者

新郎新婦のご両親が離婚している、そういうケースも珍しくありません。 そして、そのようなケースでは、ほとんどと言っても良いほど、みなさん悩んでいるようです。 中でも一番の悩みは、やはり出席のこと。 父と母は別れてしまっていても、自分の父親であること、自分の母親であること、それは一生変わりません。 自分の命を、この世に授けてくれた両親。 父親にも、母親にも、晴れ姿を見て欲しい… それはきっと、ご両親にとっても同じ。 しかし、そうは思っても、簡単にはいかないことも、少なくありません。 ご両親がいつ離婚したのか、どちらに育てられたのか、現在の関係性はどうなのか、ご両親は再婚しているのか、父と母の交流はあるのか、両親の離婚理由は何なのか…etc 様々なことから、ご両親ともに出席して貰うことを、諦めなくてはならない人も、大勢いるようです。 あなたが親だったら、あなたが息子・娘だったら、どうしますか?真由子さん(仮名)のご両親は、真由子さんが小学生の時に、離婚されました。  お母様に好きな人ができ、ご両親は離婚、真由子さんは、お父様に引き取られました。 離婚から2年が経った頃、お母様が再婚し、真由子さんが成人式を迎えた年に、お父様も再婚しました。 つまり、現在は、お父様もお母様も、それぞれ新しい家庭を築いています。 真由子さんは、家を出て行ってしまったお母様に、恨みと憎しみしかなく、会うことも、連絡を取ることさえも、拒み続けて来ました。 私には、お父さんだけいればいい、そう思っていました。 しかし、お父様が再婚し、自分にも彼ができた頃から、折に触れ、お母様のことを、考えるようになったのです。 そして、彼との結婚が決まった時、「お母さんにも出席して欲しい…」お父様にそう告げました。 反対されると覚悟していましたが、お父様は、「やっと真由子も、    お母さんのこと、    許してあげられる日が来たんだね」と、嬉しそうに言ってくれたのです。 実は、お父様とお母様は、離婚してからも、ずっと連絡を取り合っていました。 娘のことを何より心配していたお母様に、お父様は、真由子さんの様子を、報告し続けていたそうです。 ですから、真由子さんに彼氏ができたことも、そろそろ結婚することも、お母様はご存知でした。 そして、「真由子が許してくれるなら、 結婚式に出席したい…」そう話していたのだそうです。    ♡ 結婚式当日、母と娘の願いが叶いました。 義理のお母様は、「私は欠席するから…」と、申し出てくださったそうで、お父様とお母様は、ちゃんと両親席に並んで座りました。 お母様は再婚しているので、当然、苗字が変わっていますが、その日は、旧姓で出席されました。 つまり、事情を知らない人には、お父様とお母様が離婚したことは、全くわかりません。 花嫁のお手紙で、真由子さんは、ご両親が離婚される前の、楽しかった思い出を振り返ったあと、こう結びました。 「お父さんとお母さんが、    結婚してくれて本当に良かった。     私を産んでくれてありがとう。     私は、    お父さんのことも、    お母さんのことも、    大好きです」と。    ♡ このケースは、ご両親のみならず、ご親族の温かな想いがあったこからこそ、叶えることができました。 ところが実際には、その願いが叶わない方が、多いことでしょう。 しかし、たとえ出席が叶わなかったとしても、親が子を想う心、子が親を想う心は、何より深く、強いものだと思います。 困難な状況の中でも、それぞれの親子にとって、最良の方法を探して欲しい… ご両親にとっても、息子さん・娘さんにとっても、素晴らしい結婚式となりますことを、心から願ってやみません。 ※本文中の内容は、事実に基づくフィクションです。続きを読む

披露宴、あちらを立てれば…

ハプニング

新郎新婦はもとより、ご出席者全てに喜んでいただけること、それが一番の願いです。 でも、価値観も感性も人それぞれ。 ひとりの人を喜ばせるために、他の誰かを、傷つけたり、悲しい思いをさせてしまう、そんなことも少なくありません。 あとからその日を振り返った時、全ての人に良い思い出が蘇るような、素敵なご披露宴にするためには、一体どうしたら良いのでしょうか? もし、あなただったら、こんな時、どうしますか?そのご披露宴には、新郎側も新婦側も、たくさんのご親族が出席していました。 どちらも、親戚付き合いが密接で、日頃よりとても仲が良いとのことでした。 確かにその親しさは一目瞭然。 挙式の時から、「一致団結して、   新郎新婦をお祝いしよう〜」という雰囲気がにじみ出ていました。 そしてご披露宴でも、「新しい親戚ができた!」と、皆さん、はしゃぐほど大喜び。 初めて会ったにもかかわらず、お互いのご親族が入り混じって、大家族のような温かな雰囲気でした。 そんな中、新郎新婦のお色直しが済み、扉の外で入場の準備をしていると、そこに、ご親族の一人が、花束を持って現れました。 どうやら、ご披露宴直前に、ホテル内の花屋さんに依頼し、作ってもらったようです。 「自分で用意したことにして、    可愛がってくれたおばあちゃんに、    感謝を込めてプレゼントしなさい」と、その花束を、新婦に渡したのです。 せっかく用意してくれた花束、せっかくの温かな心遣い、お断りすることもできません。 結局、キャンドルサービスで、お祖母様のお席に点火するおりに、贈呈することになりました。 お祖母様はそのサプライズを、とても喜んでくださいました。 さてこの話、どこに問題があったのでしょうか?    ♡ 実は後日、新郎から打ち明けられました。 「うちのおばあちゃんが、    怒っちゃってて…」と。 そうなんです。 お祖母様は、新婦側だけでは、なかったのです。 新郎のお祖母様も、ご出席されていました。 「あれは新婦が用意したものではなく、    新婦の親族が急に用意した物だから…」 そう言っても、納得してもらえなかったそうです。 可愛いお孫さんの結婚式、あの瞬間までは、嬉しさいっぱいだったことでしょう。一生の素敵な思い出になるはずでした。 でも、そのたった一つの出来事で、お祖母様にとっては、何ともやるせない結婚式に、なってしまったのです。 今後も繰り返し思い出しては、辛く寂しい気持ちに、なってしまうのかもしれません。    ♡ では、どうすれば良かったのでしょうか? 方法は・ご親族が花束を2つ用意する・お開き後にこっそり渡す・急遽、新郎も花束を用意するこれ以外には、ちょっと思い浮かびません。    ♡ このケースは、ご親族が用意した、お祖母様への花束贈呈でしたが、新郎新婦が考えるサプライズの中にも、似たようなケースがたくさんあります。 可愛がってくれた叔母様へ…特にお世話になった先輩へ…披露宴と同じ月がお誕生日の友人へ…大親友へ…などなど    ♡ そもそも、ご披露宴の出席者には、多かれ少なかれ、お世話になっているハズです。 ですから、その中の誰か一人のために、特別に何かを準備する際には、他の人への配慮が必要です。 やめた方が良いと言っている訳では、決してありません。誤解なさいませぬように。 おこなう際にはくれぐれも、お気を付けくださいませ。続きを読む

出逢いは、こんなところにもあった!

出逢い

「人生って不公平だーっ!」そんな風に心の中で叫んだりしたこと、あなたにはありませんか? 一生懸命頑張っているのに…こんなに実績を上げているのに…何でこうなるんだ? おかしい、絶対おかしい! 仕事上の悩みは尽きないものです。 でも、会社を辞めようとまで思った人が、ちゃっかり、幸せを手に入れちゃったのです。 あなたがこんな状況になったら、どうするのでしょうか?悟さん(仮名)は、入社10年目。 大学を卒業してから、ずっと同じ会社で頑張ってきました。 自分では、結構イイ線いってるな…と、思っていました。 人事異動の季節を、彼は楽しみに待っていたのです。 そう、次は必ず、昇進できると確信していましたから。 そしてついにその時がやってきました。直属の上司から呼び出しがあったのです。 期待に胸を膨らませ、満面の笑みで会議室に向かいました。 ところが… 上司の口から出たのは、「昇進」の言葉ではなく、「転勤」の辞令でした。 本社勤務の彼が、とある地方の営業所に異動となったのです。肩書きは所長でした。 栄転では? いいえ、彼の言葉を借りると、それは明らかに「左遷」だというのです。 泣きました。 悔しい気持ちを抑えることができず、しばらく会社のトイレから、出ることができませんでした。 会社を辞めることを考えました。 その夜、ふと大学時代の友人を思い出しました。 確かあいつ、実家があの辺りだと言ってたよな。 久しぶりに電話をかけてみました。 友人は東京の企業に就職しましたが、父親の会社を継ぐため、今は実家にいるとのこと。 「こっちに来たら、    真っ先に、会いに来いよ!」 向こうに友達がいる。それがどんなに心強かったか。 悟さんは、安易に辞める道を選ばず、そこで頑張ってみようと、決心することができました。 引越しが済んだ夜、悟さんは友人と一緒に、郷土料理のお店にいました。 地元の良さを知ってもらえれば…そんな想いで誘ってくれたのです。 美味しいお料理に、お酒もどんどん進みます。 「やけ酒」そんな言葉がぴったりでした。 友達に会えた懐かしさと、左遷されたという悔しさ。 笑ってるんだか泣いてるんだか、自分でもわからないほど酔っていました。 「じゃあ、もうそろそろ…」と帰り支度を始めた時、ふと視線を感じて隣の席を見ると、女性と目が合いました。 「かわいい…」 普通は、それで終わりです。 でも、悟さんは、かなり酔っていました。気が大きくなっていたんです。 「あのー」 「今日、東京からこっちに来ました。 お騒がせしてすみませんでした。」 「明後日から、ここにいます。 良かったら、連絡してください!」 できたてほやほやの、新しい名刺。記念すべき1枚目を、その女性に渡し、そのまま店を後にしました。 果たして… 「1週間前、    郷土料理のお店で、    名刺をいただいた者です」 そんなメールが届いたのです。 あの女性でした。まさかと驚きました。全く期待なんてしていませんでした。 あんなに酔っ払っていたし、名刺を渡されたからって、連絡なんてくるはずないと…。 それを機に、時々メールで話をするように、なりました。 それから1ヶ月が過ぎ、こちらでの仕事にも生活にも、馴染んで来た頃、あの郷土料理の店で、彼女と再会し、おつきあいが始まったのです。 そして2年後、二人は結婚しました。    ♡ 彼女は当時を振り返り、こう話してくれました。 隣の席でしたし、話の内容は、聞くつもりはなくとも、全部聞こえていました。 酔っ払って、クダを巻いていたけど、仕事に対する一生懸命さを、ものすごく感じたのです。 こちらで頑張ってくれるといいなぁ、そんな風に思っていました。 そして、あの時、ナンパじゃなかった。ちゃんと、会社の名刺をくれた。 それで、誠実な人なんだろうなあって、思えたんです。 私は彼に、連絡先も名前も教えていないので、私から連絡しなければ、一生会うこともなかったと思います。 だからと言って、付き合いたいとか、そういう想いではなく、ただなんとなく、気になって連絡しちゃったんです。    ♡ 大学時代の友人を思い出したこと、その友人が故郷に帰っていたこと、あの店に連れていってもらったこと、理性を失うほど酔ったこと、名刺を渡したこと、彼女がメールをくれたこと、 そのどれか一つだけがなくても、きっと二人は結ばれなかったでしょう。 そして「左遷」というのは、悟さんの勘違いでした。 1年後に、昇進して再び本社勤務となりました。 つまり、転勤は昇進のための、修行のようなものだったのです。 でも、私には、人生のパートナーと出逢うための、転勤だったとしか思えません。    ♡ ご縁なんて、どこに潜んでいるか、わからないものです。 もしかしたら、あなたが今おかれている状況にも、何かが潜んでいるかも知れません。 ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。続きを読む

結婚式で妊娠を隠し通せる?

デキ婚・授かり婚・おめでた婚

妊娠がわかった時、結婚式、やるか?やらないか?結婚式、いつやるか?妊娠を、報告するか?しないか? 前回まで、そのようなお話をしてきました。 今回は、出席者に妊娠報告をしない場合、つまり、妊娠を内緒にする場合の、心配や注意点について、お話したいと思います。 最近はマタニティウエディングが、珍しいことではなくなったため、どの会場でも、受け入れ態勢が整ってきました。 マタニティドレスも、豊富に取り揃えられており、お腹の膨らみが目立ちにくいものや、身体に優しい作りのものを、選びやすくなったと言えるでしょう。 しかし、報告しない…そう決めた場合でも、結局わかってしまった、そんなケースも少なくありません。 当日になってみないと、また実際に、挙式・披露宴をおこなってみないと、何が起こるかわかりませんが、ある程度予測できることもあります。 トラブルなどを、回避、あるいは最小限にするため、知っておいた方が良いことがあります。 そして本人が気を付けるだけでなく、事前に妊娠の報告を受けている人も、温かな配慮や協力が必要です。 あなたはこんなところに、気付くことができますか? まず絶対にお願いしたいこと。 会場のスタッフには、必ず正直に話してください! 当日、途中で具合が悪くなり、初めてその事実を知らされた…そういうケースもあります。 知っていれば、少しでも快適に過ごしていただけるよう、細やかに気を配ることができます。 また、途中で何かあっても、それなりに対処できます。 妊娠を隠したい場合にも、その旨きちんと伝えてください。 ご両親にもまだ報告できていない、そのような方の場合には、特に注意が必要です。 会場のスタッフは、秘密は必ずお守りします。安心して打ち明けてください。 祝辞(スピーチ)に、注意! 結婚式ではご懐妊を公表しなくても、身近な人にだけは、事前に報告している場合があります。 知っていれば当然、そのことに対してのお祝いを、祝辞に取り入れるのが普通です。 祝辞で言われてしまった言葉は、取り消すことができません。 ですから、祝辞をお願いしている人には、妊娠・出産については触れないよう、前もってお伝えください。 しかしながら、口止めしておいたとしても、つい、うっかり…ということも、なきにしもあらず。 直前にもう一度、念押ししておいた方が安心です。 祝電の電文に注意! 祝電をいただいた場合には、祝電披露をおこないます。そのため、お名前の読み方や、読む順番などを、事前に確認していただくはずです。 その際に、お名前や読む順番だけでなく、本文の内容までチェックしてください。 「もうすぐママになりますね…」とか、「元気な赤ちゃんを…」とか、妊娠・出産に関することが、書かれている可能性もあります。 プロ司会でしたら、祝電披露の際に、違う文章に入れ替えたり、その部分を他の言い方に直したりと、臨機応変に対処するはずですが、万が一ということもあります。 ご友人など、プロでない司会者の場合には、そこまで気が回らないということも、大いにあり得ます。 必ずチェックして、適切でない電文があれば、その旨、司会者に伝えましょう。 飲酒に注意! 披露宴中には、お客様がお酒を注ぎに、高砂席にお越しになることも、珍しくありません。 新郎のみならず、新婦に飲酒を勧める人も、多いでしょう。 でも、妊娠していることがバレないようにと、飲んでしまわないように。 ちょっと口をつけるだけ…といっても、全てのお客様に対応していたら、飲酒同様になってしまいます。 妊娠中の飲酒は、胎児にとっても危険です。 妊娠していない新婦でも、写真撮影のことを考え、顔が赤くならないようにと、お酒は口にしない人も多くいます。 つまり、アルコールを飲まないからといって、ご懐妊を疑われる心配はありません。 足元には、お酒を捨てるための入れ物が、用意されていることと思います。(念のため確認してください) その場の勢いや雰囲気で、お酒を飲んでしまわぬよう、くれぐれもお気をつけください。 会場は禁煙に! 何も言わなくても、会場内は禁煙となっているところ、多くなりました。 しかし、喫煙OKのところも勿論あります。 言うまでもなく、タバコの煙は、胎児に悪影響を及ぼします。 妊娠初期の場合には、つわりの症状を悪化させることも、予測できます。 会場内が喫煙可能で、喫煙者が多い場合には、煙の影響はかなり大きいものと、なってしまいます。 ですから、会場内は、必ず禁煙にしてもらいましょう。 妊娠していなくても、タバコの煙を嫌がる人が多い時代。 禁煙にしたことで、妊娠を疑われるようなことは、まずありません。 くれぐれも、我慢しないようにしてください。    ♡ マタニティウエディングの場合、周りの人が気遣ってあげること、思いやりの気持ちがとても大切です。 妊娠の報告を受けている人から、披露宴のスピーチを頼まれた際、妊娠・出産の話題を入れて良いか、確認するのも思いやりです。 祝辞の際に、着席を促してあげるのも…祝電を送る場合、電文に注意することも… どうか温かな気持ちで、新郎新婦を祝福してあげて欲しい、そう思います。    ♡ 万全を期したつもりでも、100%ということはありません。 誰かから、予期せぬ形で漏れてしまうことも、ないとは言えません。 しかし、もしそのようなことになっても、悪気があってのことではないということ、それだけは理解してあげてください。    ♡ 当日は、挙式からご披露宴会場、会場から美容室や写真室など、移動距離も長く、思っているより運動量が多くなります。 また、ご出席者への心配りなど、気を遣うこともたくさんあります。 妊娠をしていなくても、心身ともにかなり疲れるものですから、妊娠していれば、なおさらのこと。 事前に予測できる心配は、なるべく取り除いておき、当日はゆったりした気持ちで、楽しくお過ごしになれますように。 途中、ご体調の変化があった場合には、決して我慢せず、いつも近くにいる介添え(花嫁係)に、必ずお声をかけてください。 そして、当日までの体調管理にも、十分お気を付けください。    ♡ 事情により内緒にしているだけで、ご懐妊そのものは、とてもおめでたいものですし、生命の誕生は素晴らしいことです。 胎内記憶がある…、そんな話も聞きます。 新郎新婦そして、お腹の赤ちゃんにとっても、よき思い出となる、素敵な挙式・披露宴になりますよう、心よりお祈りしております。 前回、前々回の記事も、併せてお読みください。↓↓↓妊娠中の結婚式を、「やるか」「やらないか」については、こちらをご覧ください。 出席者への妊娠報告を、「する」か「しないか」については、こちらをご覧ください。 ※本文中の内容は、私個人の意見であり、  会場や担当者によって、  意見や方法が異なることがあります。  また、体調・環境・ご両親・出席者や、  地域によっても考え方が異なります。  必ず、担当医やご家族にご相談の上、  会場スタッフにお申し出ください。続きを読む

披露宴での妊娠報告、する?しない?

デキ婚・授かり婚・おめでた婚

結婚前にわかったご懐妊。 喜びや幸せを感じる人、不安を覚える人、その想いは、様々でしょう。 また、乗り越えなくてはならないことも、たくさんあると推察できます。 ご両親への報告、職場への報告、出産準備、新居探し、入籍…etc 女性の場合は、仕事を続けるか否かで悩む方も、多いことと思います。 そして、ご両親への報告と共に、挙式・披露宴の検討に入る人も、多いのではないでしょうか? まず、「やる」か「やらない」か。 おこなうことが決まれば、次の課題は、・いつ・どれくらいの規模でという話になります。 「いつ」については、前回お話させていただきましたが、付け加えると、出産後におこなう人もいます。 「どれくらいの規模で」というのは、人数ではなく、・ご親族だけ・ご親族と、ごく親しい友人のみ・上司や同僚、取引先なども含めるのように、招待する人の範囲です。 そして今回の本題は、ご懐妊を、出席者に、「言う」か「言わない」か、です。 何故そんなことで悩むの?と、思う人も多いでしょうが、これは、新郎新婦だけの問題ではありません。 あなたなら、どちらを選択しますか?娘を嫁に出すご両親のお気持ち、ただでさえ複雑です。嬉しさ、寂しさ… ですから、ご懐妊を告げられたご両親は、もっと、もっと、たくさんの想いが交錯するでしょう。喜び、希望、心配、不安… そして次に、親族に何と報告したら良いのか…そう考えるご両親も少なくないのです。平たく言うと、世間体です。 もう、そんなことを、気にする時代でないことは、重々承知しているものの、自分の娘となると…つい、そう考えてしまうのです。 実はこれ、新婦側のご両親だけじゃないんです。新郎側のご両親も、同じなんです。    ♡ 「絶対にバレないようにお願いします!」たったその一言を伝えるために、司会進行の打ち合わせに、わざわざご遠方からお越しになった、新郎のお母様もいらっしゃいました。 お話を伺うと、「うちの地域では、絶対にダメなんです。 どんなことがあっても、 知られてはいけないんです。」と。 新郎側のご親族は、ほとんどが同じ地域にお住まいで、ご披露宴には、ご親族のみならず、地域の人たちも、多数ご出席されるとのことでした。    ♡ どうしてダメなのか、その深い理由までは問いませんでしたが、地域によっては、まだ風習のようなものが、根強く残っているところがあります。 そのような地域性のみならず、生まれ育った環境、年代や、職業によっても、考え方に影響する可能性があります。 また、仕事の都合上、どうしても隠さなければならない、そんなケースも珍しくありません。 本来なら、たくさんの方々にお集まりいただける、せっかくの機会にご報告できるのが、最も理想的かもしれません。 しかしながら、極端に言えば、たった一人の誰かがいるために、皆様にも報告できない…そんなことだってあるのです。 特に理由はない、でもどうしようか迷っている、勿論そういう人もいます。    ♡ 選択肢は3つ 1、ご懐妊を公表する新郎のウエルカムスピーチや、司会者などからの、プロフィール紹介の際に、ご懐妊のご報告をし、出産予定日をお知らせする。 2、ご懐妊を隠すとにかく、ごく普通に過ごす。前回お話したケースのように、途中で何かあっても、「体の調子が…」などとし、その理由を伝えない。 3、ご懐妊についてあえて公表はせず、  自然に任せるごく普通に振る舞い、公表もしない。しかし、祝辞や祝電の中に、妊娠・出産に関する内容があった場合には、そのまま自然に受け入れる。    ♡ 公表した場合のメリット ☆ご出席の皆様に、    体調を気遣っていただける。 例えば…主賓の祝辞を頂く際、ずっと座れないことがあります。主賓の話を着席して聴くのは失礼、でも「着席してください」という、主賓からの心遣いをいただけない、そんな場合です。 主賓の祝辞は、5分程度を予定していますが、長い人は、際限ありません。かなりお辛いはずです。 ご懐妊を知っていれば、大概の人は、着席を促してくれます。立たせたまま長い話はしません。 ☆ご出席の皆様に、    余計な心配をかけないで済む。 前回お話したように、お色直しに時間がかかったり、幾度も席を立つようなことがあっても、事情がわかっていれば、お客様も安心だからです。 ☆祝辞の内容に、    ビクビクすることがない。 祝辞をお願いしている人に、ご懐妊の話を打ち明けていた場合、祝辞の中で、その話に触れる可能性も考えられます。 つまり、隠していても、バレてしまう可能性があります。 公表していれば、どのような祝辞の内容であっても、気にする必要がありません。    ♡ 公表するかしないかは、ご両家のご両親とも相談し、あとにわだかまりが残らぬよう、最善の方法を選択されることを、心よりお祈りしております。    ♡ 次回は、公表しない場合の注意点について、お話しておきたいと思います。 結婚式・披露宴の、「日取り」については、こちらをご覧ください。 ※本文中の内容は、  個人的な意見であることを、  ご理解・ご了承ください。   また、ご懐妊について、  公表することを勧めるものでも、  公表しないことを勧めるものでも、  ありません。  誤解なきよう、お願いいたします。続きを読む

妊娠発覚!結婚式、どうする?

デキ婚・授かり婚・おめでた婚

「新婦」が「妊婦」 そういうケースは、全く珍しくなくなりました。 厚生労働省の調査によると、結婚期間が妊娠期間より短い出生(できちゃった結婚)の割合は、平成11年以降、25%〜28%の範囲で推移しています。 つまり、4組に1組以上ということです。 ですから結婚式をおこなう人の中にも、妊婦さんがたくさんいらっしゃいます。 そのためか、「できちゃった結婚」「できちゃった婚」から、「おめでた婚」や「授かり婚」などと、表現の仕方も変化してきています。 新郎新婦の気持ちとしても、「できてしまったから…」というよりも「できたからこそ…」とプラスに捉える人が増えました。 ご両親や周りの人たちも、温かな理解を示し、「結婚」と「出産」おめでたが重なることを、大いに祝福してくれるようになりました。 しかし、結婚式・披露宴には、妊婦さんだからこそ直面する、様々なことへの心配もあります。 一体、どのような問題や心配が、待ち受けているのでしょうか?結婚式・披露宴に向けての、最初の問題は、結婚式の「日取り」です。 やはり、一番心配なのは、新婦のご体調なのです。 「お腹が目立たないうちに…」と、5ヶ月未満(妊娠初期)でおこなうケースも、数多く見てきました。 また、結婚式の日取りを決めた後に、ご懐妊されたり、ご懐妊がわかったケースもあります。 妊娠中の症状は、人によって大きな違いがあります。 自覚症状がほとんどない、という人もいるようですが、結婚式・披露宴は、日常の生活と異なりますので、注意するに越したことはありません。 どうしてもこの時期に重なってしまう人は、「注意」だけでなく、ある程度の覚悟も必要かもしれません。 詳しいことは、担当医にお聞きいただくのが1番ですが、予測できる症状は下記の通りです。 ・吐き気、嘔吐・頭痛、腹痛、胸の痛み、腰痛・イライラ、だるさ・貧血、立ちくらみ、めまい・頻尿など    ♡ こんなこともありました。 ご披露宴が始まって間もなく、新婦より気分が悪いとの訴えがあり、お色直しのタイミングを変更し、早めに退席することになりました。 症状はというと、吐き気がひどく、嘔吐を繰り返し、次のドレスに着替えることすら、できなくなってしまったんです。 席を外してから1時間以上が過ぎ、もうこれ以上、引き延ばすわけにはいかないと、やっとの思いでお色直しを済ませました。 何とかご入場できたのは、先ほど退席してからおよそ2時間後。 でも、少し休んだからといって、そのあとスッキリしたわけではありません。 披露宴がお開きとなり、お客様のお見送りが済むまで、かなりお辛いのを我慢されていたようです。    ♡ 体調により、お色直しの時間を長めにとり、少しお休みいただくケースは、少なくありません。 また、ご披露宴の途中、幾度も席を外されるケースもあります。 でも、少し休めばそれで楽になる、という単純なものでもありません。 また、新婦が辛いのを我慢すればイイ、という問題でもありません。 あまりに長いお色直しや、頻繁に退席する様子を見たら、出席者は当然心配します。 ご出席者に対し、先ほどの新婦は、ご懐妊の件を内緒にしていましたので、ただ「体調が…」としか、事情を説明できませんでした。 女性のお客様は、何となく察していたようですが、「もしかして、 花嫁さん逃げちゃったんじゃないのか?」と、何人もの男性出席者に尋ねられました。 また、次の予定や、予約していた飛行機の時間に、もう間に合わないからと、途中でお帰りになったお客様もいました。 それでも、たまたまこの会場は、後のご宴席が入っていなかったため、続行することができました。 しかし、そうでなければ、途中でやめるか、次のご宴席の方々に、ご迷惑をかける可能性もありました。 人によって異なりますが、安定期に入る5ヶ月目から、あまり直前にならない、8ヶ月くらいまでにおこなう方が、リスクも少なく安心でしょう。 結婚式・披露宴は、「誰のため」「何のため」におこなうのか…。 新婦の体調が悪ければ、その目的を果たすことができません。 出席者のお祝いの気持ちも、心配の気持ちに変わってしまいます。 何より、一生に一度の大切な日が、一生で一番辛い日になってしまったら、こんなに悲しいことはありません。 ですから、結婚式・披露宴を、ご懐妊中におこなう場合には、その日取りには十分注意が必要です。 ほんの数日から数週間の違いで、楽しく幸せに過ごせるなら、そちらを選んだ方が絶対に良いはずです。 担当医にご相談の上、ぜひ、より良い日を選んでください。 あなたのためにも、ご出席者のためにも、そして、お腹の新しい命のためにも…    ♡ 今回は、結婚式・披露宴の、「日取り」についてお話しました。 次回は、出席者にご懐妊の事実を、伝えるか?伝えないか?について、書いてみたいと思います。 ※本文中の内容は、  私の個人的な意見であり、  医師などの専門家の見解とは、  異なる場合がありますことを、  ご理解ご了承ください。続きを読む

やるべきか?やらざるべきか?

余興

一般の方が意外と知らないこと… それは、結婚式やパーティーなど、どこかで何かを行う際には、そこに、たくさんの業者が関わっているということです。 と言っても、見積書や請求書は、ホテルや結婚式場などが、統括してくれますし、内情を知っていようといまいと、特に問題がないように思われます。 しかし、思わぬところで、悩みのタネとなってしまう場合もあるのです。 こんなことに、気づいていましたか?ある新郎新婦との、進行についての打ち合わせ。 仲の良いご友人が、ピアノを弾いてくれることになった、そうお聞きしました。 プロではありませんが、幼い頃から習っているため、ぜひ弾いてあげたいとの、お申し出があったそうです。 ピアノのご使用料についてお話すると、「えーっ?」と驚いて、しばらく黙り込んでしまいました。 もともとそのご披露宴に、BGMなどとして、ピアノの演奏が入っている場合には、同じピアノを使えば良いため、特にご使用料はかからないでしょう。 しかし、そうでない場合には、そのご友人の演奏のために、わざわざピアノを調達することとなり、ご使用料が発生します。 料金については、会場によって、かなり差があることと思いますので、具体的な金額は差し控えますが、ピアノは調律のこともあるため、そのご使用料も、決してお安くありません。 その新郎新婦は、演奏を依頼するのではなく、ただピアノを借りるだけなので、特にお金などかからないと、思っていたのだそうです。 弾いてくれるのは1曲。そのたった1曲のために◯万円。でも、友人の気持ちは嬉しいし…。 それに、もしやめるとしても、友人に何とお断りしたら良いのか…? 悩まれるのも無理はありません。 結局その新郎新婦は、使用料を支払って、ご友人に演奏していただきました。    ♡ このケース、決して珍しいものではありません。 ピアノ以外にもあります。 ・カラオケ結婚式場では、あらかじめカラオケの装置が、準備されているところもあり、使っても使わなくても、お金がかからない、もしくは、あらかじめ料金に含まれている、というところもあります。 ホテルの場合には、ご希望がなければ、基本的に準備されていないところの方が、多いと思われます。 ・ビデオなどの上映近年、映像を作ってくれるご友人も、少なくありません。 その際に必要となるのが、スクリーンやプロジェクターです。 これもかなりの金額になることが予測されます。 その他、例えマイク1本、譜面台1台にしても、倉庫からちょっと出してくれば良い、という簡単なものではありません。 一つの宴席には、多くの業者が関わっているからです。 ですから、何を使用するにも、料金が発生する可能性が大きいのです。 せっかくのお祝いの気持ちも、思わぬことで、新郎新婦を悩ませているかも知れません。 このような裏事情は、新郎新婦のみならず、余興を企画してくれる出席者の方々にも、ぜひ知っておいて欲しい…そう思います。 ※本文の内容は、ホテルや結婚式場によって、大きく異なる可能性があります。実際に行われる会場に、必ず確認をお願いいたします。続きを読む

えっ?それ持って帰るの?

出席者

いきなりですが、昔の婚礼料理って、ご存知ですか? まずご存知ないことを承知の上で、お尋ねしてしまいました。 でも、昔って言っても、そう遠い昔ではありません。私が司会を始めた頃は、まだまだこういうスタイルが、多かったことを記憶しています。 披露宴会場に入ってすぐ、目に飛び込んでくるのが、テーブルの上に並べられた「鯛」。 「めでたい(鯛)」として、必ず出されていたお料理です。鯛は骨が多くて食べにくい上に、披露宴が始まる前から、テーブルに並べられているため、冷たい。 つまり、その場で召し上がるのではなく、持ち帰る人がほとんど。それを前提に用意されたお料理でした。 それに加えて、鯛以外のお料理も、持ち帰ることができるように、折り詰め用の入れ物なども、用意されていたのです。 今は、食中毒などの危険があることから、婚礼料理の持ち帰りは、ほとんどの会場で、当たり前のように禁止となっています。 しかしながら、地方によっては、結婚式のお料理は持ち帰るものだ!という考え方や習慣が、根強く残っているところもあります。 だからといって、ここまでしなくても…。 あなたにも、何か持って来てしまった経験、ありませんか?そして、この持ち帰り、あなたはどう思いますか?隠れて色々持ち帰る人は、ハッキリ言って、よく見ます。 さすがに、フランス料理は、無理かと思われますが、どんなものでも持ち帰れるよう、そのための容器を持ち込む方も、いらっしゃるのです。 持ち帰ったそのお料理、果たしてどれくらいの人が、ちゃんと食べているのだろうか?と、いつも疑問に思っていました。 できたての温かなお料理を、ぜひその場で美味しく、召し上がっていただきたいものです。 ただ最近は、飲食業界全体が、食中毒に関して、かなり敏感になっているため、いくら容器を持ち込んだところで、発見されて止められるでしょう。 お料理がダメなら、そのかわりに… 皆様、色々と考えるものです。 私が勝手に選んだ、驚きのベスト3! 第3位 花器お花のお持ち帰りがOKの場合、包装紙などが用意されています。 つまり、生けてあるお花を抜いて、包装紙に包んで持ち帰ってください、ということです。 しかし、花瓶などの花器ごと、持って行ってしまう人がいます。みんながお花を抜いた後の、花器だけを持って帰る人もいます。 花器ごと全員が持ち帰れるように、あらかじめ準備されている場合も、あるにはあるのですが、その旨ご案内がない場合には、お持ち帰りいただけるのは、お花のみです。 そんなこと、当然わかっているだろうと思いきや、多いんです、持って行っちゃう人…。 だから必ず、アナウンスに、付け加えなくてはなりません。「お花を生けてある器は、 ご遠慮ください!」と。 第2位 飲み物お客様のテーブル上のものではなく、サイドテーブルに予備として置いてある、瓶に入った、ビールやお酒などです。 そこから、まだ抜栓されていないものを探し、引き出物の袋に入れて、持ち帰ってしまうのです。 消費量計算(飲んだ分だけ)の場合、後ほど新郎新婦に全て請求が行きます。コンビニで購入した方が断然お安いです。 フリードリンク制の場合、ホテルや結婚式場の負担になります。 もしも、本当にもしもで、こんなことあり得ませんが、一人一本ずつ持ち帰ったとしたら、100本?200本?かなりの損害になります。 この「飲み物」の持ち帰り、少なくないことに加えて、注意しづらいので本当に困ります。 第1位 ???これは私の司会人生で、たった一度、たった一人でしたが、ダントツの1位です。 それは…メロン!!! フランス料理のデザートである、切り分けられたメロンを、そのまま手に持って帰ったご親族(男性)。 今でも忘れられません。 お見送り(立礼)されている、新郎新婦、ご両家ご両親には、メロンを手に持ったまま、ご挨拶なさっていました。 そのお姿もなかなかのものでしたが、一体あのメロンは、あの後どうしたのでしょう?まさか家まで??あのままの状態で???    ♡ 難しいことはわかりませんが、行き過ぎた行為は、犯罪にあたる可能性もあります。 何より、後から新郎新婦に、迷惑がかかる場合も大いにあります。 結婚披露宴には、引き出物が用意されていますので、その他のものは、色々とお持ち帰りにならぬよう、心からお願い申し上げます。 新郎新婦の幸せな笑顔が、何よりものお福分け。 溢れるほどの思い出を、大切にお持ち帰りくださいませ。 ※本文の内容に関しては、私個人の意見や感想であり、また地域や会場などによって、当てはまらない可能性もあることを、ご理解・ご了承ください。続きを読む

感動のシーンが、台無し!

ハプニング

結婚披露宴の、クライマックスシーンといえば、多くの人が、「ご両親への花束贈呈」を、思い浮かべることでしょう。 花嫁が感謝のお手紙を朗読し、花束贈呈へ…。 司会者という立場の私でも、感動し、涙が溢れることもしばしば。 ですから、親しいお付き合いがある方なら、なおさらのこと。 普段は厳しい上司が、上を向いて懸命に涙をこらえていたり… 仲の良いご友人たちの目から、とどめもなく涙が溢れ出していたり… 手紙を読む新婦の隣で、新郎の方が大泣きしていたり… 「絶対に泣かない!」と、豪語していたお父様が、声を上げて泣いていたり…。 この瞬間に立ち会うことができ、本当に良かったと思える、とっても素敵な感動シーンです。 暗い会場の中、スポットライトが当たり、新婦はお手紙を読み始めました。 一生懸命に想いを伝えようと、一言一言を大切に、そして、涙をこらえながら読んでいました。会場からは、すすり泣く声も聞こえています。 その時でした。 突然、美しいBGMのメロディーとは別に、水戸黄門の主題歌「あゝ人生に涙あり」が、鳴り響いたのです。 ♪人生楽ありゃ、苦もあるさ〜♪ そうです。それは、携帯電話の着信音でした。 会場にいる全員を驚かせた、持ち主がとった行動とは? 「はい、もしもし〜」出ちゃったんです、その電話に…。 親戚の叔父様でした。 「うん、オレオレ。」 「今〜?」 「うん、結婚式の最中。」 「なんか、 嫁さんが手紙かなんか読んでるとこ。」 「うんうん、そうそう、 花束贈呈とか言ってたな」 「えっ? なんか電波悪いんだか、 よく聞こえねえんだよな。 音楽かかってるし、喋ってるし。 こっちの声は聞こえてるかあ?」 「そうか、なら良かった」   :見かねた隣の席の人が、電話をやめるよう、ジェスチャーで促す。「わかってるよ、うるさいなあ〜」 「あーイヤイヤ何でもない。こっちの話。」   :  (中略)   :「結婚式って、 なっげーんだよ(長いんだよ)。 おー、多分、時間的には、 もうそろそろ終わると思うんだけどよ。」 「えっ?泊まらないよ。 今日、帰るよ。 飛行機じゃなくて、新幹線で帰る。」 「多分もう終わるから、余裕で間に合う」 「うん、悪いな、 まあ、そういう事情だから、 とりあえず切るわ。」 「いいよ、いいよ、 終わったらこっちから掛け直すから。」 「うん、それじゃあまた後で」 その時にはもう、新婦手紙も、花束贈呈も済み、新郎父の謝辞になっていました。    ♡ 悔しかったです。この人の電話を止められなかったこと。 この男性の大きな声と戦いながら、一生懸命お手紙を読んでいた新婦が、かわいそうでなりません。 新婦の声に集中しようと必死でしたが、どのような内容だったのかさえ、全く頭に入ってきませんでした。 きっとほとんどの出席者が、同じだったことでしょう。 そのかわり、男性のちょっと訛りが入った話し方、声の大きさ、喋った言葉は、今でもはっきりと覚えています。    ♡ 携帯電話については、マナーモードの設定を、あらかじめお願いしていますが、どうしても一人くらいは、鳴らしてしまうものです。 しかし、多くの場合、すぐに着信音を消すか、あるいは、急いで会場の外に出るか、どちらかの行動をなさいます。 しかしこの男性は、大声で会話を続けていたのです。 「そういう事情だから…」と、電話の相手におっしゃっていましたが、そういう事情だとわかっているなら、出ないで欲しかった…。 せめて電話の着信が、あと10分遅かったら…と、残念でなりません。    ♡ さらに言わせていただければ、赤文字の部分は「忌み言葉」です。 結婚式・披露宴の場では、使ってはいけない言葉とされています。 その忌み言葉を、よりにもよって、新婦のお手紙朗読に重ねるなんて…。    ♡ ついうっかりしてしまう、マナーモード設定。 しかし、もし忘れてしまっていたとしても、大人の対応をお願いしたいものです。 ※本文中のエピソードは、   事実に基づいたフィクションです。続きを読む

プロカメラマンの神業!

ハプニング

仲の良い友人たちが、結婚をお祝いしてくれるのは、とても嬉しいものです。 そして、一生に一度の大切な日を、盛り上げようとしてくれるその気持ちも、本当にありがたいもの。 でも、中には、いるんです。 「盛り上げる」という意味を、ちょっとばかり、取り違えている人たちが…。 あるご披露宴、お料理は中華でした。 テーブルはターンテーブル付き、つまり円卓の上に、もう一枚、回転する丸い板が取り付けられているものでした。 当然ご存知のことと思いますが、この回転する板は、お料理を取りやすくするためのもので、決して、遊ぶ道具ではありません。 もしあなただったら、このような盛り上げ方、どのように受けとめますか?ご披露宴の中盤、いよいよキャンドルサービスです。 思い出の曲に乗せて扉が開き、真っ白なタキシードと、純白のウエディングドレスで、新郎新婦がご入場されました。 そして、一礼から顔を上げ、会場を見渡した新郎新婦。 二人の目に飛び込んできたのは、異様な光景でした。何かが違う。何かがおかしい。 テーブル一つ一つに当てられた照明。そこには、キャンドルと装花が、美しく浮かび上がっている…はずでした。 キャンドルは、確かにありました。 しかし、お花の代わりに見えたものは… なんと男性の裸体でした。 テーブルの中央に乗り、あぐらをかき、ネクタイで頭にハチマキをし、そのネクタイには、キャンドルが固定されています。 パンツ(下着)だけは、身につけてくれていたことが、せめてもの救いです。 それが一つのテーブルだけではなく、5卓。全体の半数にも及んでいます。 つまり新婦友人たちの席にまで、進出しているのです。 そしてご丁寧にも、仲間と思われる男性が、そのテーブルを、回転させているのです。 新郎新婦は大爆笑! …するとでも、思ったのでしょうか? 新婦側の友人も喜ぶ、…と、考えたのでしょうか? お酒が入ると脱いでしまう男性、よく見かけます。 親しい仲間たちだけの飲み会だったら、盛り上がるのかもしれませんが、結婚披露宴の席ではいかがなものか。 新郎新婦、特に新婦の立場なら、絶対に許せない!と、思うのも当然のことでしょう。 各テーブルへの点火が済むと、いよいよ、メインキャンドル点火が、おこなわれます。 高砂席の横に、素敵なメインキャンドルが、用意されています。 するとその周りに、テーブル中央でクルクルと回転していた、裸の男性たちが集まってきたのです。 ん?人数が増えている?総勢10名? カメラに向かって、様々なポーズをとる男性陣。 いくらアナウンスを入れても、やめるどころか、新郎新婦の間に割り込んでみたり、トーチに手をかけたりと、その行動はエスカレートする一方。 会場の最高責任者である、キャプテン(ボーイ長)も、新郎新婦から、必死で、男性たちを遠ざけようとするものの、逆に邪魔者扱いされている始末。 「どけーーーーーーーーっ!」 と、怒鳴りたい衝動を抑え、司会者としては、その場から退いていただきたい旨、優しく丁寧に、アナウンスを繰り返すことしか、できませんでした。    ♡ 披露宴の中で、特に素敵な写真が欲しい、と思うシーンは2箇所。 ウエディングケーキ入刀時と、メインキャンドル点火時です。 なぜなら、他の人が入らない、新郎新婦二人だけのショットであり、結婚の報告や年賀状など、ポストカードに使用するにも、最適だからです。 その大切なシーンに、裸の男性たちが、写り込んでいたとしたら…    ♡ 心配で心配で、披露宴お開き後、すぐにカメラマンに確認しました。 二人だけのショット… ちゃんと撮ってくれていました。 いつ?どうやって?? まさしく神業! プロカメラマンさんが、キラキラと輝いて見えました。 お客様のお見送りを済ませた新婦が、駆け寄ってきました。 「メインキャンドルの写真、 どうなっていますか?  友人たちが撮ってくれた写真を見たら、 それはもう酷くて…」 と、悔しさと怒りを滲ませ、今にも泣き出しそうなお顔で、そうおっしゃいました。 「大丈夫ですよ。 とっても素敵に撮れています。」 信じられない… といった様子で、モニターを覗き込んだ新婦。 「プロカメラマンに 撮影をお願いしていて良かった。 もう、どうしようかと思いました。  本当に、 本当に、 ありがとうございました」 新婦の目から、涙がこぼれ落ちました。    ♡ 後日、この日の新郎新婦から、ポストカードが届きました。 使われていたのは、メインキャンドル点火のお写真でした。 もちろん、お二人だけのショットです。 新郎新婦の幸せな表情も、ちゃんと捉えてくれていたのです。 本当に素晴らしいお写真でした。    ♡ スマホやデジカメの精度が上がり、誰にでもそれなりに、素敵な写真が撮れる時代になりました。 しかし、あの状況で、ポストカードに使用できる写真を撮れたか?といったら、100%無理でしょう。 やっぱりプロカメラマンは凄い!プロフェッショナルとは、こういうものなのだと、当たり前のことながら、改めて強く感じた瞬間でした。    ♡ 写真はこの通り無事でしたが、ご友人たちの行動、あなたは、どのように感じましたか? 盛り上げたいというその気持ち、何かしてあげたいという想い、それはとても尊いものです。 でも、「盛り上げる」と「悪ふざけ」は、似ているようで大きく異なります。 それも良い思い出だったと、笑って振り返ることのできる日が、やがて訪れるかもしれません。 その一方、悔しさや、恨む気持ちが、ずっと残ってしまう可能性だって、あり得るのです。 仲が良かった友人たちとの、今後の人間関係に、悪影響が出てしまうことも、無いとは言えないでしょう。 せっかくのお祝いの気持ちが、逆効果になってしまったら、こんなに残念なことはありません。 お一人お一人の、お祝いの気持ち、優しさ、思いやりが、どうか美しい形のまま、まっすぐ、新郎新婦に届けられますように。 ※本文中のエピソードは、   事実に基づいたフィクションです。続きを読む