披露宴の余興として、
映像を作ってきてくださるご友人も、
多くなりました。
素人さんでも、
とても素敵に作られているものが多く、
凄いなあ…って感心してしまいます。
でも、
ほんの少しだけ、
気を付けたいこともあります。
その映像、
誰もが喜んでくれる作品に、
仕上がっていますか?
心を込めて作った映像、
しかし、
こんな想いをさせてしまうことって、
とても多いんです。
【新郎あるいは新婦だけ?】
例えば、
新郎側の余興だった場合…
映像に登場するのは、
新郎関係者のみに、なりがちです。
新郎側の友人が作るわけですし、
新郎側の余興ですから、
それはそれで、
仕方ないことかもしれません。
でも、
新婦の気持ち、
そして、
新婦友人の気持ちは、
ちょっぴり複雑です。
新郎友人たちからの、
お祝いの言葉を集めた映像なら、
特に問題はないかもしれません。
でも…
新郎と仲間たちとの思い出写真、
新郎恩師へのインタビュー、
懐かしい場所の映像、
そして、
新郎側だけの、
ご両親・ご兄弟へのインタビュー
そのような内容だったとしたら、
どう感じるでしょうか?
「何で新郎だけ?」
そう思ってしまうものも、
無理はありません。
「新婦側の映像、
私たち作ってあげなかった…」
そう感じる人もいるでしょう。
「私たちも娘に一言、
言ってあげたかった」
ご両親のお気持ちも微妙です。
【長すぎる】
制作者がプロではない場合、
どうしても映像が長くなりがちです。
良いところだけを切り取り、
テンポよい映像に編集できるのは、
プロの技があるからこそなのです。
言葉も聞き取りづらい、
文字も読みにくい、
そんな映像が長く続くと、
ダラダラと間延びした印象となり、
見ている人も飽きてしまいます。
本人とその関係者は、
楽しくて懐かしいかもしれませんが、
多くの人にとっては、
そうでもない…と、
なってしまう可能性があります。
いわゆる「身内ウケ」です。
♡
そんな心配を払拭するために、
細やかな気配りをしてくださるご友人も、
勿論たくさんいます。
♡
新郎は沖縄県のご出身で、
結婚式・披露宴は、
東京でおこなわれました。
さすがに友人全員を、
沖縄から招待するのは難しいと考え、
友人たちと相談した結果、
代表で2名だけ、
出席することとなりました。
そして、
余興で映像を上映したのです。
沖縄の美しい風景をバックに、
友人たちからの、
温かなメッセージが続きます。
恩師のメッセージもありました。
出席できなかった、
お祖父様・お祖母様のメッセージまで。
それじゃあ、
最初に書いたパターンと、
全く同じでは?
はい。
しかし、
一つだけ、工夫が凝らされていました。
それは…
全員のお祝いコメントの中に、
必ず新婦に向けてのメッセージが、
加えられていたのです。
「◯◯さん、
彼から写真を見せてもらいました。
美しくて、びっくりしました。
彼には勿体ないと思います」(友人)
「僕たちは◯◯さんの味方です。
彼が大切にしてくれなかったら、
◯◯さんに代わってお仕置きしますから、
いつでも言ってください」(友人)
「頼りない彼だと思いますが、
◯◯さん、
よろしくお願いします」(恩師)
「孫が増えて嬉しいです。
◯◯さん、
早くお会いしたいです」(祖父母)
などなど…
全ての人が、
「◯◯さん」と、
必ず新婦の名前を呼んでくれたのも、
温かな心遣いでしょう。
お二人の新婚旅行は、
沖縄に決まっていました。
その時に会えることを、
楽しみにしてくれている気持ちも、
ちゃんと伝わってきました。
♡
人の心って、
本当に微妙、かつ、複雑なものです。
人の心を動かすのは、
ほんのちょっとの、
言葉や行動、心遣いなんです。
余興に映像を作成してあげること、
それも心のこもった素敵な贈り物です。
しかし、
あとほんの少しの思いやりをプラスすることで、
何倍も、何十倍もの感動を、
生み出すことだってできるのです。
新郎にも新婦にも、
そして出席者の皆様にも、
もれなく楽しんでいただける…
是非、
そんな素敵なプレゼントを、
贈ってあげて欲しいと思います。
※本文中の内容は、
事実に基づくフィクションです。
また私個人の意見であることを、
ご理解ご了承ください。