どんな名俳優・名女優でも、
子どもにはかなわない…
そう言われています。
披露宴でも、
子どもたちの可愛らしさは、
時に、笑いを誘い、
時に、涙を誘うことも。
無邪気な子どもたちが繰り広げた、
披露宴でのエピソードを、
ちょっぴりご紹介します。
【緊張しちゃった?】
披露宴でよくおこなわれる、
お子様からの花束贈呈。
その日登場してくれたのは、
新婦のお姉様のお嬢様、5歳。
小さな花束を渡したら、
「おめでとう」って言って貰えるよう、
お姉様にお願いしておきました。
お色直し中の時間に、
一生懸命練習してくれていました。
そして、いざ本番。
花束を渡したところでマイクを向けると、
実に堂々と、しっかりした口調で、
お祝いのことばを言ってくれました。
「お誕生日おめでとう!」
♡
【あまりの嬉しさに…】
同じく、
お子様の花束贈呈シーン。
新郎のお兄様のご子息。
5歳と6歳。
花束を贈呈すると、
新郎新婦から、
大きな包みのプレゼントが、
二人に贈られました。
マイクを向けると、
「おめでとう」ではなく、
「ありがとう」と…。
そして引き続きおこなわれた、
新郎新婦との写真撮影。
しかし、
カメラマンさんのお声がけも、
お兄様ご夫妻の言葉も、
全く聞こえていない様子。
床にペタンと座り、
2人は黙々とプレゼントの包みを、
開け始めたのです。
包みから出てきたのは、
欲しがっていたラジコン・カー。
二人は大喜びです。
包み紙と箱をそこに放り出したまま、
ラジコンカーを抱きしめ、
新郎新婦に向かって大きな声で、
「ありがとう!」
そう言って、走り去って行きました。
♡
【サプライズ】
新婦は幼稚園の先生。
妊娠したこともあって、
3月いっぱいで、寿退職されました。
披露宴には、
園長先生をはじめ、
先輩・同僚が出席していました。
そして、お色直し入場のあと、
一番最初の余興が、
同僚のエレクトーン演奏でした。
会場が暗くなり、
スポットライトに包まれながら、
演奏が始まりました。
「思い出のアルバム」
作詞 増子とし 作曲 本多鉄麿
1番の演奏が終わりました。
そして、
2番に入った瞬間、
会場が、パッと明るくなりました。
と同時に、歌が始まったのです。
「春のことです 思い出してごらん
あんなこと こんなこと あったでしょ
ぽかぽかお庭で 仲良く遊んだ
きれいな花も 咲いていた」
そこには幼稚園の園服を着た、
つい先日巣立って行ったばかりの、
教え子たちの姿が…。
赤いバラの花を1本づつ持ち、
大きな声で、一生懸命歌っています。
新郎も新婦も、
このことは全く知りませんでした。
同僚と、保護者が連携し、
ホテルのスタッフと内密に進めた、
サプライズだったのです。
歌が終わると、
教え子たちは新郎新婦の元に行き、
女の子は新郎に、男の子は新婦に、
赤いバラを渡し、お祝いの言葉を…。
「先生、おめでとう」
「先生、ありがとう」
「元気な赤ちゃんを産んでね」
「赤ちゃん、可愛がってあげてね」
「先生、赤ちゃんが生まれても、
僕たちのこと忘れないでね」
♡
子どもたちの行動や、
子どもたちのたった一言が、
人を楽しませたり、笑わせたり、
感動を与えることができる…。
まるで、
魔法使いのようです。
どんなに素晴らしいスピーチでも、
純粋、無垢な子どもたちには、
やっぱり、かないそうもありません。
※本文中の内容は、
事実に基づくフィクションです。