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結婚式と宗教問題

出席者

お正月には神社へ初詣、お彼岸・お盆にはお墓まいり、クリスマスもお祝いして… 日本人は一般的に、宗教を超えて様々なことを受け入れられる、そのような人が多いことと思います。 しかし宗派によっては、そうはいかないという場合もあります。 そしてそれは、結婚式・披露宴でも…  そもそも、人を好きになる時って、相手の宗教のことまでは考えない人が、多いのではないでしょうか? しかし現実には、宗教が原因で結婚を諦めざるを得ない、そういう人たちも少なくないようです。 本人同士が熱心な信者であれば、お付き合いの前に確認するのでしょうが、そうでない場合には、具体的に結婚の話になってから、問題が浮かび上がってくるのです。 そうなると、結婚式・披露宴をおこなうに際しても、色々と問題が出てきてしまうというわけです。 挙式をどうするか… 一般的なホテルや結婚式場では、神前式もしくはキリスト教式で、結婚式が執り行われます。 無宗教、あるいは、宗教にこだわらない場合には、「父とバージンロードを歩きたい」「和装の結婚式が夢だった」など、自分の好きなスタイルや、憧れのスタイルを選ぶという人が、大多数だと思われます。 ところが宗教によっては、「ダメ」という場合もあるものです。 両家ともに同じ宗教なら、問題が起こることはないでしょう。 しかし、両家の宗教が異なる場合には、深刻な問題になってしまいます。 では、一体どうしたら良いのでしょうか? 近年、宗教問題に関わらず、「人前式」をおこなうケースが、とても多くなっています。 人前式は、「神様」に誓うのではなく、「出席者」に誓うものです。 その内容も、新郎新婦の意向で、自由に決めることができます。 ですから、両家相反する宗教である場合には、人前式を選ぶことが、もっとも円満な解決法と言えるでしょう。    ♡ スピーチでも… スピーチで、避けた方が良い話題の一つが、「宗教」です。 しかしながら、熱心な信者であればあるほど、スピーチを通して、布教活動をおこなってしまう人がいます。 自分が信じる神様がいかに素晴らしいかを、多くの人に広めたいと思うのでしょう。 出席者の中に、相反する宗教の信者が、いないとは限りません。 違う宗教の熱心な信者がいると知っていて、あえて話題にする人もいます。 「宗教戦争」があるように、たとえそれが個人レベルであっても、その後の人間関係に、悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。 スピーチは「お祝いの言葉」です。 決して「布教演説」ではありません。 スピーチでは宗教に触れないことが、大人のマナーとも言えるのではないでしょうか。    ♡ こんなことも… 「乾杯をおこなってはならない」そういう宗教があるそうです。 あるご披露宴でのこと、出席者の中に、その宗教の信者が、2名だけいらっしゃいました。 新婦側のお父様とお母様でした。 ご両親は「乾杯は無しにして欲しい」そうおっしゃいました。 新郎新婦は、乾杯がないのは不自然なので、通常どおりおこないたいとの意見でした。 話し合いを重ねた結局、新婦の両親を除き、乾杯はおこなうことで話はまとまりました。 しかし、乾杯をしてはいけないだけでなく、起立することさえ許されないとのこと。 お客様全員がお立ちになっている中、2名だけ、それも新婦の両親が、起立しないというのも不自然ですし、失礼に当たるのではないかと心配です。 さらに、宗教上の理由…ということは、絶対に公言しないで欲しいとのこと。 さて、どうしたら良いものか…。 結局、「全員座ったまま乾杯をおこなう」ということで決着しました。 決着したのは良いのですが、乾杯の発声をしてくださる方まで、座ったままというわけにもいきません。 どう説明するのか、どう理由をつけるのか…難問でした。 「本日は皆様方に、 ごゆっくりとおくつろぎいただきたい というのが、 ご新郎ご新婦のご意向であるため、 乾杯も、ご着席いただいたままで おこないたいと存じます」 説明しているような、していないような…理由になっているような、いないような…    ♡ 結婚式・披露宴には、色々な地域から、様々な人たちが集まります。 宗教のみならず、風習や地域性の違いも、あって当然でしょう。 しかし、意見の大きな食い違いがある場合にも、どこかで妥協しなくてはなりません。 何か問題が生じた際には、新郎新婦をはじめ、ご出席者全員が、最も平和で心地よく過ごせる方法を、探してみてください。 また、人それぞれ色々な事情があることも、人によって考え方が異なることも、理解してあげて欲しい…そう思います。  ※本文中の内容は、  宗教を否定するものでは決してありません。  誤解なきようお願いいたします。続きを読む