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運命の扉

出逢い

出逢いがなくて… そう悩んでいる人は、世の中にいっぱいいます。 でも、本当の悩みは、行動を起こす勇気がないこと…そんな人もいるのではないでしょうか? 限られた生活空間の中に、運命の人がいるとは限りません。いやむしろ、いない場合の方が、多いのではないでしょうか? もしかしたら、あの扉の向こうに、あなたの素敵な人生が、用意されているかもしれません。 あなたには、こんな経験、ありませんか?あなたなら、こんな時、どうしましますか? 瑠美さん(仮名)は、社会人になって10年目。ごく普通のOLでした。 実力が認められ、責任あるポストに起用されてはいましたが、だからと言って、キャリアウーマンを目指している訳ではなく、「一日も早く結婚して、専業主婦になりたい」むしろそう願っていました。 でも、積極的な婚活をするわけでも、合コンに参加するわけでもありません。 いつか白馬に乗った王子様が、迎えに来てくれると、思っているのでしょうか。 「あー、 運命の人はどこにいるんだろう…?」 そんな瑠美さんに、結婚式の招待状が届きました。 「私は結婚しない! ずっと独身で、バリバリ仕事するんだ!」そう言っていた親友からでした。 うっそー!結婚には全く興味ないって言ってたじゃん。結婚したくない人に結婚相手が現れ、結婚したい私には現れない。神様、これって変じゃないですか??? とは言っても、親友の結婚は心から嬉しいものです。 さて当日、結婚披露宴の席は、新郎友人と新婦友人の、混合テーブルで、瑠美さんはちょうど境目、つまり、新郎の友人と隣り合わせの席次でした。 知らない人同士でも、3時間近く隣に座っていれば、自然と話くらいするものです。 お開きになる頃には、すっかり打ち解けていました。そして「このあと飲み直しませんか?」そう声をかけられました。 新郎新婦は、翌日から新婚旅行に出かけるため、二次会はありませんでした。でも、友人たちとは久しぶりの再会。皆んなすぐに帰るとは思えません。 それより何より、新郎新婦の友人とはいえ、彼は初対面の男性です。警戒心もあります。 答えに困っていると、その心の内を察してか、「ここにいるので、 もし気が向いたら来てください…」と、お店の名前と場所を、メモに書いて渡してくれました。 結局友人たちは、それぞれ用事があるからと、実にあっさり帰ってしまいました。 先ほど貰ったメモを見ると、携帯の番号やメルアドの記載はありません。 迷いましたが、連絡もせず帰ってしまうのは悪いな…と思い、そのお店の扉を開きました。 それがまさしく、瑠美さんの『運命の扉』だったのです。 あれから一年。瑠美さんは、彼と出逢った思い出の場所にいました。そう、あの時と同じ結婚式場です。 憧れのウエディングドレス姿で、今度は高砂の席に彼と並んで…。 そして、友人のスピーチで初めて、驚きの事実を知ることとなりました。 友人の結婚式当日の出来事は全て、新郎新婦が作ったシナリオだったのです。 それだけでなく、新郎友人も新婦友人も、皆んながその内容を承知の上で、協力してくれていたというのです。 「もしも私が、 『いい人がいるから会ってみない?』 って言ったとしたら、 瑠美は会ってみようと思った? きっと、何かしら理由をつけて、 会わなかったんじゃないのかな?」 確かにそうだったかもしれない。いや、きっとそうだったと思う…。 「彼も全く同じタイプだった。 似た者同士。 二人は絶対お似合いだと思ったから、 私たちがお膳立てしたの。  瑠美が、 運命の扉を、 自分の手で開けてくれて本当に良かった。  待ってるばかりじゃ、 どんな幸せも掴めない。  これからは二人一緒だから大丈夫だよね。 たくさんの幸せを、自分たちの手で、 しっかり掴んでいってね。  本当に、おめでとう!」    ♡ 披露宴の席で、新郎側と新婦側の友人が、一緒のテーブルだったという経験、ありませんか? もちろん会場の都合や、人数の関係で、どうしてもそうなってしまう場合があります。 でも、あえてそうしている場合も、意外と多かったりするのです。 皆んなにも幸せになって欲しい…席次を決める際に、細やかな配慮をしている新郎新婦を、たくさん見てきました。 独身の男女を一つのテーブルに集める…◯◯さんと、◯◯さんを隣同士にする…などなど。 「友人の結婚式で出逢って結婚した」という人が多いのも、その陰にある新郎新婦の心遣いが、少なからず影響しているのかもしれません。 持つべきものは良き友。瑠美さんの第一歩は、友人たちが後押ししてくれました。 でも、最終的に決断したのは、瑠美さん自身でした。 運命の扉は自分で開くものです。しかし当然のことながら、その扉には、「運命」という張り紙が、貼ってあるわけではありません。 あの扉の向こう側に何があるのか…。それは誰にもわかりません。 それをあなた自身で、確かめに行ってみませんか? ※本文中のエピソードは、  事実に基づいたフィクションです。続きを読む