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出逢いは雑踏の中に?

出逢い

人と人との出逢いには、さまざまな出逢い方があります。 まさかこんな所に…というご縁も、少なくありません。 そう、あなたが道で見かけたあの人が、もしかしたら運命の人かもしれないのです。  フランス大好き、フランス人大好き、フランスのファッション大好き…。 咲子さん(仮名)は、ただそんなミーハー的な理由だけで、フランスの大学に留学しました。 それでも、フランスは咲子さんを裏切らなかった。 憧れのフランスで、想像していた通りの、楽しく充実した日々を過ごしていました。 そんな咲子さんは、大学の夏休みを利用し、日本に1週間ほど帰国しました。 実家での生活を満喫した咲子さんは、フランスに戻る前日、急に思い立って、新宿で開催されていたフリーマーケットに、一人で行ってみることにしたのです。 そこはたくさんの来場者で、溢れかえっていました。 その人混みの中、咲子さんは、フランスの大スターを発見したのです。 いえ、正確には、フランスの大スターにそっくりの男性でした。 咲子さんは、身体中に電気が走ったような衝撃を覚え、まるで金縛りにあったかのように、その場から動けなくなってしまいました。    ♡ 「どうかしましたか?」彼はフランス語で話しかけてきました。 「あまりに素敵で見とれていた…」そんなこと言えるわけもなく、「あっ、ごめんなさい。 友人によく似ていたもので…」と、咄嗟にそうごまかしました。 フランス語で応答した咲子さんに、ちょっと驚いたような嬉しいような、そんな表情を見せた彼は、「似ているって、 フランス人のお友達がいるのですか?」そう聞いてきたのです。 咲子さんは、フランスに留学していること、今は夏休み中で一時帰国していることを、緊張しながらも彼に話しました。 彼も自分のことを話してくれました。 ジャーナリストであること、フランスに在住していること、日本には仕事で来たこと、生まれて初めて日本に来たこと…。 そして偶然にも、彼の住まいと、咲子さんが通う大学は、同じエリアだったのです。 連絡先を交わした二人は、次回フランスで会うことを約束しました。    ♡ フランスで再会した二人は、その日から交際が始まりました。 二人が結婚したのは、それからちょうど2年後のことでした。    ♡ 二人が出逢ったのは、フランスではなく日本であったこと。 その日本に、咲子さんは1週間、彼はわずか3日間の滞在だったこと。 さらに彼は初めての来日だったこと。 都心のフリーマーケットという、異常なほどの人混みの中で、たった一人の人に目が止まったこと。 フランスでの生活エリアが、二人とも同じであったこと。 彼が独身で、恋人もいなかったこと…。 もう出来過ぎた話としか思えません。     ♡ 咲子さんがもし日本の大学生だったら、咲子さんがもしフランス語を話せなかったら、彼とたとえ出逢ったとしても、交際・結婚には、至らなかった可能性の方が、高かったと言えるのではないでしょうか。 フランスに住んでいたからこそ、愛を育むことができたと考えると、咲子さんがフランス留学を決意したところから、二人が出逢うための準備が、着々と進んでいたのかもしれません。    ♡ ただ道でばったり会った人、もしかしたらその人が、あなたの運命の人かもしれません。 ほんのわずかなご縁でも、人生を左右する大切なご縁という可能性も無きにしも非ず。 恋愛や結婚に限らず、ご縁は大切にしたいものです。 ただし、警戒心と節度もお忘れなく…。  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。続きを読む

結婚披露宴はドイツ風に?

演出

日本にもたくさんの外国人がいて、ただ街を歩いていても、日本語以外の言葉が、たくさん耳に飛び込んできます。 ですから当然のことながら、外国の方と結婚する人も、決して少なくありません。 ある花嫁のお父様は、外国人と結婚する娘の披露宴に、こんな企画を思いつきました。  新郎はドイツ人、新婦は日本人。 お二人はドイツにて、結婚式・披露宴をおこないました。 ドイツの披露宴は、日本とはあまりに違うものでした。 ドイツでの披露宴から、もう数ヶ月経つというのに、お父様はその様子について、興奮気味に話してくださいました。 ごく簡単に言うと、「披露宴」というより、「ダンスパーティー」 踊ったり喋ったり食事をしたりと、カジュアルな雰囲気で、それが何時間も続くとのことでした。 で? それを日本でやりたい!と。    ♡ 出席者のリストを拝見すると、新婦の親族22名新婦の友人 3名新婦の両親 2名新郎の母  1名新郎・新婦 2名合計30名でした。 30名でドイツの雰囲気? 無理… そう思いました。 ほとんどがご親族で、ご高齢の方もいらっしゃいます。 そもそも日本人は、そのような場に慣れていません。 ご友人も女性3名しかいないため、率先して踊ってくれるとは思えません。 そう申し上げましたが、「それでもやりたい!!!」と。    ♡ 当日会場には、ダンス用の板が設置されました。 ちょうど入場口から高砂に向かい、一直線になるように配置し、ダンススペースの左右に、テーブルが置かれています。 そのダンススペースを、バージンロードに見立て、新婦はお父様とご入場なさいました。 ご披露宴の始まりです。    ♡ ご親族の発声で乾杯がおこなわれ、祝宴が始まりました。 皆様に本日の趣旨をお話しし、ダンス音楽を通常のBGMより、少し大きめにかけ始めました。 早速踊り始める人が… いらっしゃるわけありません。 いくら働きかけてもダメです。 ごく普通のお食事会になっています。 さあどうしたものか…。    ♡ お食事がある程度進んだ頃、ふと閃いたのです。 そうだ!ワルツにしよう!!と。 音響さんに無理を言って、急遽ワルツの曲を用意して貰いました。 そうしたら… 1組のご夫婦が、踊り始めたではありませんか。 そしてそれにつられ、2組、3組と…。 それをきっかけに、やがてディスコ音楽がかかっても、みんな立ち上がって、新婦の友人たちの動きを真似て、ノリノリで踊ってくださいました。 最初にワルツを思いついたのは、私の両親のことを思い出したからです。 高齢の方は意外と若かりし頃に、社交ダンスを楽しんだ経験があるものです。 私の両親がそうでした。 若い時に習得したものって、自然と身体が覚えているものです。 ラジオ体操と一緒です。 最初に踊ってくださった方は、偶然にも社交ダンス教室に、ご夫妻一緒に通っていらっしゃるそうで、それも幸いしました。 お父様も大満足の、「ドイツ風」披露宴となり、ご出席の皆様にも、楽しんでいただけたようでした。    ♡ この時はたまたま上手くいきましたが、成功する確率は、極めて低いものだったと思います。 国際結婚かどうかに関わらず、何か特別な演出をおこなう際には、ご出席者の年齢・お人柄・地域性を、十分考慮なさった上でお決めになることを、オススメ致したいと思います。  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。 続きを読む