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噂話から芽生えた恋心?

出逢い

友人から聞いた噂話。 「火のないところに煙は立たぬ」なのか、「根も葉もない噂」なのか… もしあなたなら、その真相を確かめてみますか?  「靖夫クンって、 梨花のこと好きみたいだよ」 梨花さん(仮名)がそう言われたのは、大学3年生の時でした。 靖夫さん(仮名)というのは、同じ大学の友人で、入学当時から仲良くしている友人の一人。 もう2年以上の付き合いになりますが、そんな様子は全く感じられません。 そして梨花さんも、靖夫さんに対して、友達を超えた感情はありませんでした。 「そんなことあるわけないじゃん、 誰がそんなこと言ったの?」 「本人がそう話しているらしいよ」 らしい…か…。 まあきっと無責任な噂話だろう、梨花さんはそう思いました。    ♡ しかしながら、そう言われると、何となく気にはなるもの。 靖夫さんの言動に対して、以前より敏感になってしまいました。 そして、そんな目で見るからか、その言葉は私に気があるからかも…?その行動は私のことが好きだからかも…?そんな風に思えてくるから不思議です。    ♡ では、靖夫さんの本心は、どうだったのでしょうか? 梨花さんのことは、友人としか思っていませんでした。 梨花さんが「やっぱり私のこと好きなのかも?」と感じたのは、気のせいだったことになります。 そして靖夫さんもまた、「梨花はお前のこと好きらしいぞ!」という話を友人から聞いていました。 つまり靖夫さんは、梨花さんが自分のことを好きだと、思っていたわけです。    ♡ お互いに、「相手が自分を好きなのだ」と認識し、「自分は相手を友達としか思っていない」という状態ですから、どちらも何も行動を起こすことなく、当然、何の進展もありませんでした。 しかし今度は、相手が何の行動も起こさないことに、お互いが疑問を持ち始めたのです。 「何で好きなら、 二人だけのデートに誘うとか、 してこないんだろう?」 「何で好きなら好きと、 言って来ないんだろう?」と。 そう考えると、何だかイライラしてしまうのです。 でも、もし告白されたらされたで、自分はどう対応するのだろう。 断るのか? 友達としか思えないと言えるのか? それとも、とりあえず付き合ってみるのか? うーん、だったら、告白されない方が、今のままずっと友達でいられるから、その方が良いのかも。 ああそうか、だから相手もそう考えて、特に何も言って来ないのか? 自問自答を繰り返す毎日でした。 後から振り返れば、この辺りから、お互いに相手を好きになり始めていたと、言えるのかもしれません。 この状態はその後も続き、気がつけばもう4年生になっていました。    ♡ そして迎えた夏休み、やっとチャンスが訪れました。 友人たちと夏祭りに出かけた日のこと、もうそろそろ帰ろうかという時に、二人はみんなとはぐれてしまったのです。 携帯電話は繋がりません。 このあとはメンバーの部屋で、飲み明かす予定になっていました。 人混みの中みんなを探すのは困難だと考え、直接友人の部屋に向かうことにしました。    ♡ 道すがら、「相手の想いを聞いてみようか…」二人ともそんな気持ちになっていました。 「梨花って、俺のこと好きなのか?」言葉にしたのは靖夫さんの方でした。 「何言ってるの? 靖夫クンが私のこと好きなんだよね?」 「エーーーーーーーーッ!?」    ♡ 友人の家に着くと、部屋に明かりが点いていません。 自分たちの方が早かったのかな?そう思ってドアノブを回すと、鍵はかかっていません。 声をかけながら部屋に入って行くと、突然クラッカーが鳴り響き、デコレーションケーキに、キャンドルの火が灯りました。 🎵happy birthday to you happy birthday to you happy birthday dear 梨花 happy birthday to you🎵 そう、その日は梨花さんのお誕生日でした。 「ねえ、どっちかから、 ちゃんと告白できたんでしょう?」 梨花さんと靖夫さんの手に、ケーキナイフが渡されました。 「はい、二人で将来の予行演習。 ケーキ入刀〜!」    ♡ あの日から5年、靖夫さん・梨花さんの手により、本物のウエディングケーキに、ナイフが入れられました。 そして、新郎新婦の生い立ちビデオでは、あの日のお誕生日ケーキ入刀シーンも、しっかりと映し出されました。    ♡ 友人たちの勘違いと、優しいお節介から始まった、新郎新婦の恋愛ストーリー。 もしかしたら、あなたの気付かないところでも、何かが始まっているかもしれません。 乞うご期待…。  ※本文中の内容は、 事実に基づくフィクションです。続きを読む

出逢いは自然を装って…

出逢い

親が薦める結婚相手。 「親が…」というただそこだけに、強い抵抗感を持っている人も、多いのではないでしょうか? しかしながら、「親の目」というのは、結構、的確なものかもしれません。  まどかさん(仮名)は、ある企業の総務課で、事務の仕事に携わっていました。 よく気が利き、物腰も柔らかで、社内だけでなく取引先からも人気があり、いわゆる「お嫁さんにしたい…」という言葉がぴったりの女性でした。 ある日、直属の上司である部長のところへ、来客がありました。 応接室への案内やお茶出しは、まどかさんの大切な仕事の一つです。 その日お越しになったお客様は女性の方で、まどかさんは初対面でした。 会社名を告げて面会を求められたため、個人のお名前はわかりませんが、会社名からすると取引先ではないようです。 部長からは、「5分ほど繋いでおいてくれる?」そのように言われました。 このようなことも、珍しくありません。 まどかさんは5分ほどの間を、その女性客との雑談でつなぎました。 特にいつもと何ら変わりのない、職場での一コマでした。    ♡ それから半年ほどが経ったある日、部長から声がかかりました。 「来週の金曜日、 会食に同席してもらえるかな?」と。 特に別の予定もなかったため、同行することにしました。    ♡ そして迎えた当日。 部長とともに食事会場に到着すると、そこには半年ほど前に来社された女性と、自分と同年代の男性が待っていました。 部長の奥様と息子さんだと紹介されました。 「実は妻の会社で、 当社の商品を扱ってもらうことが決まって…。 契約のことなど君にお願いした方が良いと思って、 同席してもらったんだけど…。 段取りとか説明とか、よろしく頼むよ」と。 ちなみに息子さんは、奥様の会社には全く関係ないとのこと。 「まあ何となく、 ついでに来てもらったというか…」 何とも歯切れの悪い言い方でしたが、特に気にすることもなく、仕事のことも含め話は盛り上がり、楽しい時間を過ごすことができました。 その後、契約手続きも順調に進み、今度はお礼にと、部長の自宅に招かれました。 このようにして、まどかさんは部長のご家族と、すっかり仲良しになりました。 そのうち息子さんと二人だけで、食事やドライブなどにも出かけるように、なっていきました。 そう、ごく自然に、まどかさんと彼は恋人同士になりました。 そして…初めての出逢いからおよそ1年後に、二人は結婚式を挙げました。    ♡ 職場で毎日まどかさんを見ていたお父様は、このような女性がお嫁に来てくれたら、どんなに良いかと思ったそうです。 しかし、パワハラだのセクハラだの、色々と問題になっているこのご時世。 話の持って行きようによっては、大問題に発展しかねません。 また双方が気に入るとも限らず、どちらにも嫌な思いだけはさせたくない、そんな気持ちもありました。 そこでまず、奥様にまどかさんを会わせたのだそうです。 奥様も一目でまどかさんを気に入り、協力してくれることとなりました。 息子さんにもまどかさんにも、その意図は隠したまま、なるべく自然な形で事を進めていったのです。    ♡ まどかさんは… 「うちの息子と会ってみないか?と もしも最初に言われたとしたら、 お断りしていたかもしれません。  だって上司ですから… 色々と考えてしまいます」 「食事会の時、彼が同席していたことに、 ちょっと違和感というか、 何か裏があるのでは?と感じましたが、 後から全てを知った時、 それも部長の思いやりや優しさだったのだと、 とてもありがたく思いました」    ♡ 自分が気に入った部下(特に男性)を、家に連れてくるお父様は結構多いようです。 上司という厳しい目で見て、「この人なら大丈夫!」と思った人なら、信じてみても良いかもしれません。 また息子や娘に合う人は、親の勘でわかるのかもしれません。 それでも、最終的に決めるのは、親ではなく本人です。 ですから、「親の世話にはならない!」と、片意地を張るのではなく、時には自然な流れに身を任せてみるのも、良いのではないでしょうか。 もしかしたらそれが、素敵な出逢いや、幸せな結婚に、繋がるかもしれませんから…。    ♡ 部下と娘の出逢いを、新婦のお母様が計画したケースは、こちらの記事をお読みください。  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。  尚、親が薦める結婚について、  賛成や否定をするものではないことを、  ご理解ください。念のため…。続きを読む

出逢ったのは異国の地

出逢い

運命の人は、あなたのすぐ近くにいるかもしれません。 でも、近くにいたからって、近くで出逢えるとは限りません。 1万キロ以上も移動しなければ、出逢うことができなかったかもしれない、そんな運命もあったりするのです。  裕美さん(仮名)は23歳。小さい頃からお花が大好きで、フラワーコーディネーターの専門学校を経て、お花関係のお仕事に携わっていました。 大好きなお花に囲まれた仕事は、とても楽しく幸せなものでした。 しかし、仕事に慣れるにつれ、もっと深く学びたいと、思うようになっていきました。 そのために、新たな資格を取得しようと考えたのです。 仕事は一旦やめることを決意しました。 仕事を辞めてから学校に通うまで、少し日にちがありました。 長年の夢を叶えるチャンスでした。 裕美さんが抱いていた夢とは、オランダで毎年開催されている、フラワーパレードを、見に行くことだったのです。 裕美さんは意を決して、一人オランダに渡りました。    ♡ せっかく海外に行くのだから… 裕美さんは、オランダ以外の場所でも、観光を楽しみたいと思いました。 そして選んだところはイタリアのナポリ。 オランダからナポリまでは、実に1800キロ。 日本で言ったら、函館から福岡までの距離に匹敵します。 ミラノでもローマでもフィレンツェでもなく、なぜナポリを選んだのか? 理由は特にありませんでした。 ただ何となく、まるで何かに引き寄せられるように…    ♡ 宿泊先はホテルではなく、ユースホステルでした。 ユースホステルは安価というだけでなく、世界各国から旅人たちが集まり、交流の場、情報交換の場ともなるため、人気が高い施設でもあります。 また、その地域ならではの、体験プログラムなども用意され、一人旅の人にとっては、過ごしやすく安心して楽しめる、ありがたい施設とも言えるでしょう。    ♡ 裕美さんはそこに3日間滞在しました。 日本語以外の言葉は、ほとんど話せない裕美さんでも、各国の旅行者たちと友達になれました。 でもやはり日本人というのは、同じ日本人に安心感を覚えるもの。 言葉の通じない海外であれば尚のことです。    ♡ 裕美さんはそこで、一人の日本人男性と出逢いました。 彼は30歳になったのを機に、念願のヨーロッパ一人旅を実行したのです。 彼にとっては初めての海外旅行でした。 そして何と偶然にも、裕美さんと同じ群馬県人だったのです。 話が盛り上がらないわけはありません。 3日間はあっという間に過ぎてしまいました。 そして裕美さんは帰国、彼は次の目的地へと旅立ちました。    ♡ 普通なら旅の良き思い出の一つで、終わったかもしれません。 でも、二人は同じ県内に住む者同士。 せっかく知り合ったのだからと、帰国してからも度々会うようになりました。 最初は友達として。 そしていつしか恋人同士に…。    ♡ 裕美さんと彼は、ナポリのユースホステルで出逢ってから、ちょうど2周年の記念日に、結婚式を挙げました。    ♡ 住まいが近くでありながら、全く接点のなかった二人が、まさか異国の地で出逢うなんて、誰が想像できたでしょう。 二人が旅行先にナポリを選んだのも、そこに確たる目的があったわけでは、ありませんでした。 この旅に出た本当の理由は、念願のヨーロッパ旅行実現でも、憧れのフラワーパレード参加でもなく、二人が出逢うために、必要不可欠だったからかもしれません。 どこにどんな出逢いがあるかわからない。 だからこそ、人生って楽しいのかもしれません。  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。  尚、この記事は、  一人旅を薦めるものでも、  旅先での出逢いを薦めるものでも、  決してありません。  危険に遭遇する可能性も考えられますので、  くれぐれも 慎重な行動をお願いいたします。続きを読む

出逢いは雑踏の中に?

出逢い

人と人との出逢いには、さまざまな出逢い方があります。 まさかこんな所に…というご縁も、少なくありません。 そう、あなたが道で見かけたあの人が、もしかしたら運命の人かもしれないのです。  フランス大好き、フランス人大好き、フランスのファッション大好き…。 咲子さん(仮名)は、ただそんなミーハー的な理由だけで、フランスの大学に留学しました。 それでも、フランスは咲子さんを裏切らなかった。 憧れのフランスで、想像していた通りの、楽しく充実した日々を過ごしていました。 そんな咲子さんは、大学の夏休みを利用し、日本に1週間ほど帰国しました。 実家での生活を満喫した咲子さんは、フランスに戻る前日、急に思い立って、新宿で開催されていたフリーマーケットに、一人で行ってみることにしたのです。 そこはたくさんの来場者で、溢れかえっていました。 その人混みの中、咲子さんは、フランスの大スターを発見したのです。 いえ、正確には、フランスの大スターにそっくりの男性でした。 咲子さんは、身体中に電気が走ったような衝撃を覚え、まるで金縛りにあったかのように、その場から動けなくなってしまいました。    ♡ 「どうかしましたか?」彼はフランス語で話しかけてきました。 「あまりに素敵で見とれていた…」そんなこと言えるわけもなく、「あっ、ごめんなさい。 友人によく似ていたもので…」と、咄嗟にそうごまかしました。 フランス語で応答した咲子さんに、ちょっと驚いたような嬉しいような、そんな表情を見せた彼は、「似ているって、 フランス人のお友達がいるのですか?」そう聞いてきたのです。 咲子さんは、フランスに留学していること、今は夏休み中で一時帰国していることを、緊張しながらも彼に話しました。 彼も自分のことを話してくれました。 ジャーナリストであること、フランスに在住していること、日本には仕事で来たこと、生まれて初めて日本に来たこと…。 そして偶然にも、彼の住まいと、咲子さんが通う大学は、同じエリアだったのです。 連絡先を交わした二人は、次回フランスで会うことを約束しました。    ♡ フランスで再会した二人は、その日から交際が始まりました。 二人が結婚したのは、それからちょうど2年後のことでした。    ♡ 二人が出逢ったのは、フランスではなく日本であったこと。 その日本に、咲子さんは1週間、彼はわずか3日間の滞在だったこと。 さらに彼は初めての来日だったこと。 都心のフリーマーケットという、異常なほどの人混みの中で、たった一人の人に目が止まったこと。 フランスでの生活エリアが、二人とも同じであったこと。 彼が独身で、恋人もいなかったこと…。 もう出来過ぎた話としか思えません。     ♡ 咲子さんがもし日本の大学生だったら、咲子さんがもしフランス語を話せなかったら、彼とたとえ出逢ったとしても、交際・結婚には、至らなかった可能性の方が、高かったと言えるのではないでしょうか。 フランスに住んでいたからこそ、愛を育むことができたと考えると、咲子さんがフランス留学を決意したところから、二人が出逢うための準備が、着々と進んでいたのかもしれません。    ♡ ただ道でばったり会った人、もしかしたらその人が、あなたの運命の人かもしれません。 ほんのわずかなご縁でも、人生を左右する大切なご縁という可能性も無きにしも非ず。 恋愛や結婚に限らず、ご縁は大切にしたいものです。 ただし、警戒心と節度もお忘れなく…。  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。続きを読む

計画的、恋愛結婚?

出逢い

自分で決めたはずのことが、実は計画されたことだった。 自分で選んだ人が、実は親に選ばれた人だった。 あなたにはそんな経験、ありませんか?  金曜、夜11時、遊里子さん(仮名)の電話が鳴りました。 またか… 案の定、電話は母親からのものでした。 遊里子さんのお母さんは、バリバリのキャリアウーマン。 そんな母を尊敬し、「私もお母さんみたいになりたい」と、働きながら資格取得の勉強に励んでいました。 そんな遊里子さんですから、金曜日の夜でも家にいることがほとんど。 つまり、恋人がいるわけでもなく、同僚や友人と飲みに行くわけでもない、ということです。 母親もそれをよく知っているからこそ、電話をかけてくるのです。 要件は決まっていました。「遊里子ごめんね。 迎えに来て。お願い」 いちいち呼び出さなくても、バスかタクシーで帰って来ればいいのに… そう思ってはいたものの、結局いつも迎えに行っていました。    ♡ そんなある日、金曜、夜11時ではなく、金曜、夜9時に、電話が鳴りました。 時間は違いましたが、要件は一緒でした。 迎えに来て…と。 しかし、迎えに行くと、「これからカラオケに行くから、 遊里子も一緒に行こうよ〜」そう言われました。 メンバーは、お母さんの同僚や部下たちです。 迎えに行くたびに会っているため、顔くらいは知っていますが、だからと言ってカラオケに同行するほど、親しいわけではありません。 はっきり言って、行きたくありません。 一緒に行く理由もありません。 「一旦帰って、 また迎えにくるの大変でしょ? だったら、一緒に行こうよ〜」無茶苦茶な理由です。 まあでも、お母さんの言う通り、一旦帰ってからまた来るのも面倒くさいし、断るのもみんなに失礼かと思い、仕方なく同行することにしました。    ♡ みんなが気を遣ってくれたこともあり、遊里子さんは一人部外者でありながら、疎外感に包まれることもなく、そこそこ楽しく過ごすことはできました。 しかし、帰りの車の中で、「もう、二度とイヤだからね。 絶対にもう行かないからね。 こんなことするなら、 迎えにも行かないからね!」そう、強く抗議した遊里子さんでした。    ♡ そんなことがあったためか、ここ1ヶ月ほど、金曜の夜でも、お母さんは飲みに行ったりせず、バスで早めに帰宅するようになりました。 遊里子さんも、勉強に集中できるようになりました。 でもそれは、嵐の前の静けさだったのです。    ♡ 「今度の土曜日、 会社の人たちが家に来るから」突然、お母さんが言い出したのです。 ご近所の人や友人が家に来るのは、そう珍しいことではありませんでしたが、会社の人を家に招くことなど、これまで一度もありませんでした。 別に反対する理由はありませんでしたが、「来るのはいいけど、 私は参加しないからね」一応そう念押ししておきました。 しかし… 実際には、そういうわけにもいきませんでした。    ♡ その日をきっかけに、月に1度ほどの頻度で、会社の人たちが訪れるようになりました。 遊里子さんも、だんだんみんなと仲良くなり、お父さんも楽しそうに過ごしていました。    ♡ そんなある日、メンバーの一人から「チケットを貰ったのだけど、 よかったら一緒に行かない?」と、映画に誘われました。 ちょうど観たいと思っていた映画でした。 お母さんの方を見ると、「いいじゃない、 せっかくだから行ってくれば?」そう言われました。 誘ってくれた相手は男性でしたが、お母さんの部下であり、心配なことは何もないだろうと、お誘いを受けることに決めました。    ♡ そして当日。 映画を観て…食事をして… 次の約束まで交わして… 遊里子さんと彼との、お付き合いが始まりました。    ♡ 実は、全てがお母さんの計画通りでした。 振り返れば、金曜夜のお迎えとともに、このストーリーは始まっていたのです。 仕事も優秀で、人柄も良い彼を、上司であるお母さんがとても気に入り、「彼と娘を結婚させたい!」そう思ったのだそうです。 もちろん遊里子さんも彼も、そんなことは全く知りませんでした。 顔見知り程度から始めて、カラオケ、ホームパーティーと、徐々に親しくなっていけば、彼と娘は自然と結ばれるだろう、そうお母さんは考えたのです。 お父さんはそのことを知っていました。 家に招いたのも、お父さんに彼を見て貰うチャンスを、作りたかったという理由もありました。 あの時お父さんが嬉しそうにしていたのは、お父さんもまた、彼のことを気に入ったからだったのです。    ♡ 遊里子さんと彼がこのことを知ったのは、結婚式の3ヶ月前のことでした。    ♡ 「お見合い」のような形を取らなかったのは、お母さんと彼が、上司・部下の関係だったからです。 どちらかが気に入らないという可能性も、無いとは言えないため、その場合、部下に気まずい思いを、させてはいけないという思いやりでした。 自然と二人が恋愛できる環境だけを作り、あとは二人の気持ちに任せるという手法、あなたは、どのように感じましたか? もしかしたらあなたの人生も、あなたを想う誰かの計画に、導かれているかもしれません…。  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。 続きを読む

キューピッドが結婚を決めた?

出逢い

ローマ神話に出てくる恋の神クピド。 英語名を、キューピッド(Cupid)と言います。 あなたはキューピッドの存在を、信じますか?  キューピッドが放った矢に当たった者は、恋心を起こすと言われていることは、あまりに有名です。 つまりキューピッドは、恋愛成就の手助けをしてくれる神様なのです。    ♡ 京介さん(仮名)は、25歳。 おとなしく、生真面目なタイプの男性でした。 彼には高校時代、好きな女性がいました。 しかし自分の想いを伝えることもできず、ただ遠くから彼女を見つめているのが精一杯でした。 彼女と再会したのは、卒業から1年後のクラス会でのこと。 高校時代と全く変わらない、彼女の可憐な笑顔を見て、思い切ってこの想いを打ち明けようか…そんな気持ちになりました。 ところが、すぐに彼女の身体に異変を感じました。 そう、彼女は妊娠していたのです。 すでに結婚し、4ヶ月後にはママになるそうです。 告白はしていませんが、完全なる失恋。 ショックでした。 「クラス会、行かなきゃ良かった…」そう落ち込むばかりで、彼女を祝福してあげようという、心の余裕はありませんでした。 でも、結婚してしまった彼女に、どうすることもできません。 この恋は、諦めるしかありませんでした。    ♡ それから2年、もう彼女を思い出すことも、ほとんどなくなった頃のことです。 「京介くん!」自宅近くの駅で、声をかけられました。 振り返ると、そこには、子どもを連れた彼女の姿がありました。 まだ学生である自分と比較し、彼女はとても大人っぽく見えました。 「幸せそうだね」そう言うと、 「うん、 この子が生まれてきてくれたから、 とっても幸せ」と。 しかし、なんとなくですが、笑顔に寂しさが含まれているような、そんな気がしました。 「今度、一緒にご飯でも行こうよ。」 これまで彼女の前では緊張して、話すことさえままならなかったのに、この時には不思議と、自然にそんな言葉が口をついて出ました。 「子ども、一緒でもイイかな?」「もちろんだよ!」 それから1週間後、駅前のファミレスに3人の姿がありました。 そこで彼女からこう打ち明けられたのです。 「実はね… 離婚しちゃったんだ…」と。 こんな小さな子どもを抱え、これから彼女はどうやって生きて行くのだろう…? 「また一緒にご飯食べようよ。」 京介さんは、そう言うのが精一杯でした。 「子ども連れてるとね、 外に出るのって色々と大変で…。 だから、次は家に来ない?」 そんな彼女の言葉に従い、次は家にお邪魔することとなりました。 一人暮らしの彼にとって、彼女の手料理は温かく、とても幸せな気持ちになりました。 それをきっかけに、その後も時々ですが、彼女の家に立ち寄るようになりました。 大学を無事卒業し、社会人となっても、それは変わらず、続いていました。 そして次第に、そこはとても居心地の良い場所と、なっていったのです。 でも、だからと言って、恋人関係に発展することもなく、ただ仲の良い友人といった関係でした。 ところが… この仲の良い友人関係に、終止符を打つ日が訪れたのです。 それも、ある日突然に…。    ♡ その日も、会社帰りに彼女の家に立ち寄り、彼女の子どもと遊んでいました。 その時です。 「パパ!」 子どもが叫んだのです。 びっくりして周りを見ましたが、そこには京介さんしかいません。 子どもの目は、まっすぐに京介さんを見つめていました。    ♡ この子が物心ついてから、近くにいた男性は京介さんだけ。 自分を可愛がってくれる京介さんを、父親だと認識していたのでしょう。 これまで、この子の父親になることなど、全く考えていませんでした。 彼女と付き合うことも、結婚も、特に望んではいませんでした。 ただ時々楽しい時間が過ごせるだけで、彼は十分幸せだったからです。 いえ、この関係を壊したくなくて、彼女を好きだという気持ちを、無意識に封印していたのです。 しかし、「パパ!」という思いがけない言葉に、ハッとしました。 このままではダメだ。 ちゃんとこの子の父親になろう、彼女を夫として支えていこうと、固く決心したのです。    ♡ 実は彼女の方も、彼のことが好きでした。 京介さんの優しさに触れるたび、心が救われるような気持ちになりました。 離婚に至った辛い思い出も、どんどん薄らいでいき、いつの間にか思い出すことも、なくなっていました。 でも、バツイチ子持ちという事実に、引け目を感じていたのです。 ですから京介さんと同じように、この関係を壊すくらいなら、このままがいいと思っていました。    ♡ 結婚披露宴での入場シーン。 新郎新婦の間には、子どもの姿がありました。 片方の手で新郎の手を、もう片方の手で新婦の手を、しっかりと握り締めていました。 その幼く愛くるしいながらも、どこか誇らしげな姿は、まさしく愛のキューピットに見えました。  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。続きを読む

一目惚れ、その恋は叶うのか?

出逢い

好きな人ができると、何だか俄然やる気が出る人って、世の中にはたくさんいるものです。 「火事場の馬鹿力」的なパワーには、圧倒されるものがあります。 そしてその結果、仕事も結婚も手に入れてしてしまった、とてもラッキーな人もいるのです。  実さん(仮名)は、ある一流大学に進学しました。 しかし、せっかく第一志望の大学に入れたものの、将来やりたいことも見つからず、それゆえ勉強にも力が入らない。 合コンに誘われるもあまり気乗りせず、口実を作っては断っていました。 つまり、何に対してもやる気が起こらない、そんな学生生活を送っていたのです。 ただそんな彼にも、夢中になれる唯一の趣味がありました。 それは「車」 とは言っても、まだ自分の車を持つには至らず、もっぱら雑誌を読みふけったり、たまにレースを見にいくことで、その欲求を満たしている状態でした。    ♡ そんなある日のこと、車のショールームを訪れました。 以前からそのメーカーの車には、強い憧れを持っていましたが、ショールームに行くのは初めて。 その日も、たまたま通りかかったので、ふらっと入ってみただけでした。 そこで目に飛び込んできたのは、キラキラと眩いほどの輝きを放っている、憧れのカッコイイ高級車! ではなく… ものすごく綺麗な「女性」でした。 そして彼は思いました。「この女性を自分の彼女にしたい!」と。    ♡ 彼のおこなったその後の行動は… 彼女に声をかけることでも、ショールーム足繁く通うことでも、ありませんでした。 では何を…? 一生懸命勉強することと、その会社について深い知識を得ること、この二つだけでした。 その結果…    ♡ 彼は入社試験を見事クリアして、その会社の社員となったのです。 それも、本社に勤務できることとなりました。 そして、あの憧れの女性と、ついに再会することができたのです。 彼女は何と社長秘書でした。 新入社員の立場から見たら、高嶺の花です。 実さんは、彼女にアタックすることも、これまでの想いを伝えることも、しませんでした。 その代わり、ただひたすらに仕事を頑張ったのです。 彼女に認められたいとか、カッコイイところを見せたいとか、そんな想いは一切ありませんでした。 今、自分がやるべきことは、一生懸命仕事を覚えることであると、そう思ったからでした。    ♡ 気がつけば入社から10年。 ひたすら頑張ってきた実さんは、支店長を任命される程になっていました。 本社から支店への異動。 彼女とは今後、仕事上の交流さえ、無くなってしまうかもしれません。 今しかない! そう思った実さんは、思いきって彼女をスキーに誘いました。    ♡ それから更に5年後、二人は本社近くのホテルにて、結婚式・披露宴をおこないました。 社長・副社長も、お祝いに駆けつけてくれました。 「彼女にしたい!」あのショールームでの想いが、就職先を決め、仕事上の出世も獲得し、その時の女性は妻となったのです。 「いつしか、 愛のシュプールを描いていました」 実さんはちょっぴり照れながら、そう語ってくれました。    ♡ 一目惚れした時、その次に起こす行動は実に様々です。 このご時世、良からぬ方向に突っ走ってしまう人も、残念ながら少なくないでしょう。 そんな中、このようなお話を実際に伺うと、恋愛って素敵だな、愛の力って凄いな、そう感じずにはいられません。 たくさんの人に、素敵な出逢いが訪れますように…♡  ※本文中の内容は、事実に基づくフィクションです。続きを読む

二度と会いたくない人と結婚?

出逢い

「運命の人は、 出逢ったその瞬間に、 わかるものだ」などと言われることがあります。 しかし、実際にはそのような人は希です。 出逢った時には、印象が悪かった、好みではなかった、嫌いなタイプだった… そんなマイナスイメージから、恋に発展するケースは山ほどあります。 二度と会いたくない… そこまで思った相手と、結婚しちゃった人もいます。  郁男さん(仮名)は、ある有名な運送会社の社員です。 入社してから5年、配車の仕事に携わってきました。 つまり、会社内での勤務でした。 しかし、そろそろ結婚も考える年ごろ。 お相手はいませんでしたが、将来に備えてもっと稼ぎたい、そう思うようになりました。 そして、労働の大変さは承知の上で、内勤よりも給料の良い、ドライバーを志願したのです。 その願いは受け入れられ、郁男さんはドライバーとして、勤務することになりました。    ♡ そして迎えた、記念すべきドライバー・デビューの日。 しかしその日は何と、ゴールデンウイークの真っ最中。 当然のことながら、道は渋滞しています。 これまで幾度か手伝いで、トラックに乗ることはあったため、初日ではありましたが、助手なしの一人での走行です。 通常の渋滞と違い、異常とも言える車の数。 到着のメドも、全く立ちません。 お届け先はある有名デパート。 ゴールデンウイーク中ですから、先方も交通事情は、理解してくれているハズでした。 しかしながら、ようやくたどり着いたのは、予定から5時間も後のこと。 文句を言われることは、当然覚悟していました。    ♡ 「何やってるのっ!」 「今、何時だと思ってるのっ!」 「幾ら何でも遅すぎでしょ!」 いきなり怒鳴られました。 もの凄い剣幕です。 その人は、フロアーマネージャーの女性でした。 「手伝いなさいよね!」 有無を言わせず、バックヤードに連れて行かれ、本来やるべき仕事以上のことを、手伝うはめになってしまいました。    ♡ 仕事を終えた郁男さんは、ぐったりしていました。 ゴールデンウイーク中なんだから、渋滞は分かっていたハズ。延着も了承していたハズ。 それなのに… 何もあんな言い方しなくたって。 帰りも渋滞に巻き込まれながら、考えるのはマイナスなことばかり。 「何でドライバーなんて、 志願しちゃったんだろう」 「よりにもよって、 ゴールデンウイークが初日なんて」 「あのデパートは、 もう絶対に行きたくない」 「あの女性にだけは、 もう二度と会いたくない」    ♡ それから1週間後、配送先はあのデパートでした。 それも、あのフロアの荷物でした。 嫌だ嫌だと思っていると、悲しいかな、現実になってしまうものです。 しかし、仕事なので仕方ありません。 「あの女性がお休みだといいな…」 そんな淡い期待を抱きながら、デパートへ向かいました。 ゴールデンウイークが明け、今日は予定通りに到着できました。 ちょっとホッとはしましたが、前回のことを蒸し返して、きっと怒鳴られるだろうと想像し、気分は相変わらず重いままでした。 とりあえず怒鳴られる前に、謝ろう…そう思いました。    ♡ 休みだったらいいのに…という淡い期待は叶わず、やはり対応したのは、あの女性でした。 そして顔をあわせるなり、「先日はごめんなさい!」そう謝りました。 でも… 謝ったのは郁男さんではなく、何と彼女の方だったのです。    ♡ ゴールデンウイークといえば、デパートにとって繁盛期。 忙しさで大変だったところに、荷物が遅れて届き、イライラが爆発してしまったとのこと。 彼女はあの日以来、そのことをずっと気にしていて、次に会ったら謝ろうと思っていたそうです。 「何だ、 いい人だったんじゃないか」    ♡ 郁男さんと、5歳年上の彼女は、仕事で顔を合わせるごとに、親しくなっていきました。 そして、初めて会ったあの日から、ちょうど2年後、お二人は入籍しました。    ♡ 出逢った瞬間に、何も感じることはなくても、たとえマイナス印象であったとしても、もしかしたら運命の赤い糸は、繋がっているかもしれません。 運命の人、あなたは見逃していませんか?  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。続きを読む

出逢いは、こんなところにもあった!

出逢い

「人生って不公平だーっ!」そんな風に心の中で叫んだりしたこと、あなたにはありませんか? 一生懸命頑張っているのに…こんなに実績を上げているのに…何でこうなるんだ? おかしい、絶対おかしい! 仕事上の悩みは尽きないものです。 でも、会社を辞めようとまで思った人が、ちゃっかり、幸せを手に入れちゃったのです。 あなたがこんな状況になったら、どうするのでしょうか?悟さん(仮名)は、入社10年目。 大学を卒業してから、ずっと同じ会社で頑張ってきました。 自分では、結構イイ線いってるな…と、思っていました。 人事異動の季節を、彼は楽しみに待っていたのです。 そう、次は必ず、昇進できると確信していましたから。 そしてついにその時がやってきました。直属の上司から呼び出しがあったのです。 期待に胸を膨らませ、満面の笑みで会議室に向かいました。 ところが… 上司の口から出たのは、「昇進」の言葉ではなく、「転勤」の辞令でした。 本社勤務の彼が、とある地方の営業所に異動となったのです。肩書きは所長でした。 栄転では? いいえ、彼の言葉を借りると、それは明らかに「左遷」だというのです。 泣きました。 悔しい気持ちを抑えることができず、しばらく会社のトイレから、出ることができませんでした。 会社を辞めることを考えました。 その夜、ふと大学時代の友人を思い出しました。 確かあいつ、実家があの辺りだと言ってたよな。 久しぶりに電話をかけてみました。 友人は東京の企業に就職しましたが、父親の会社を継ぐため、今は実家にいるとのこと。 「こっちに来たら、    真っ先に、会いに来いよ!」 向こうに友達がいる。それがどんなに心強かったか。 悟さんは、安易に辞める道を選ばず、そこで頑張ってみようと、決心することができました。 引越しが済んだ夜、悟さんは友人と一緒に、郷土料理のお店にいました。 地元の良さを知ってもらえれば…そんな想いで誘ってくれたのです。 美味しいお料理に、お酒もどんどん進みます。 「やけ酒」そんな言葉がぴったりでした。 友達に会えた懐かしさと、左遷されたという悔しさ。 笑ってるんだか泣いてるんだか、自分でもわからないほど酔っていました。 「じゃあ、もうそろそろ…」と帰り支度を始めた時、ふと視線を感じて隣の席を見ると、女性と目が合いました。 「かわいい…」 普通は、それで終わりです。 でも、悟さんは、かなり酔っていました。気が大きくなっていたんです。 「あのー」 「今日、東京からこっちに来ました。 お騒がせしてすみませんでした。」 「明後日から、ここにいます。 良かったら、連絡してください!」 できたてほやほやの、新しい名刺。記念すべき1枚目を、その女性に渡し、そのまま店を後にしました。 果たして… 「1週間前、    郷土料理のお店で、    名刺をいただいた者です」 そんなメールが届いたのです。 あの女性でした。まさかと驚きました。全く期待なんてしていませんでした。 あんなに酔っ払っていたし、名刺を渡されたからって、連絡なんてくるはずないと…。 それを機に、時々メールで話をするように、なりました。 それから1ヶ月が過ぎ、こちらでの仕事にも生活にも、馴染んで来た頃、あの郷土料理の店で、彼女と再会し、おつきあいが始まったのです。 そして2年後、二人は結婚しました。    ♡ 彼女は当時を振り返り、こう話してくれました。 隣の席でしたし、話の内容は、聞くつもりはなくとも、全部聞こえていました。 酔っ払って、クダを巻いていたけど、仕事に対する一生懸命さを、ものすごく感じたのです。 こちらで頑張ってくれるといいなぁ、そんな風に思っていました。 そして、あの時、ナンパじゃなかった。ちゃんと、会社の名刺をくれた。 それで、誠実な人なんだろうなあって、思えたんです。 私は彼に、連絡先も名前も教えていないので、私から連絡しなければ、一生会うこともなかったと思います。 だからと言って、付き合いたいとか、そういう想いではなく、ただなんとなく、気になって連絡しちゃったんです。    ♡ 大学時代の友人を思い出したこと、その友人が故郷に帰っていたこと、あの店に連れていってもらったこと、理性を失うほど酔ったこと、名刺を渡したこと、彼女がメールをくれたこと、 そのどれか一つだけがなくても、きっと二人は結ばれなかったでしょう。 そして「左遷」というのは、悟さんの勘違いでした。 1年後に、昇進して再び本社勤務となりました。 つまり、転勤は昇進のための、修行のようなものだったのです。 でも、私には、人生のパートナーと出逢うための、転勤だったとしか思えません。    ♡ ご縁なんて、どこに潜んでいるか、わからないものです。 もしかしたら、あなたが今おかれている状況にも、何かが潜んでいるかも知れません。 ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。続きを読む