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結婚披露宴とお酒

ハプニング

お祝いの席に欠かせないのが、「お酒」 披露宴でもお酒によるハプニング、少なくありません。 そう、こんな人たちも…  【1飲まないようにしていたのに…】 その新郎は、お酒がとても弱い方でした。 本人もそれはちゃんと自覚しており、お酌してもらったお酒は、飲むふりをして、足元のバケツに全て捨てていました。 披露宴は滞りなく、和やかに進行していました。 そして、お色直しの後、キャンドルサービスが始まりました。 そしてここで、新郎にとっては予期せぬことが、起こってしまったのです。 「イッキ、イッキ、イッキ」 あるお席で、ビールが用意され、イッキコールが始まったのです。 真面目な性格の新郎、スルーすれば良いものを、一気に飲み干してしまいました。 友人たちからは、盛大な拍手が寄せられました。 そうしたら、次のお席でも、イッキコールが。 そして、そのまた次のお席でも…。 結局ビール3杯を、一気飲みしてしまいました。 お酒の量としては、まあ何とか許容範囲だったようです。 しかし… 各テーブルのキャンドル点火が済み、メインキャンドルの前に立った新郎。 そのお顔を見ると…まるで茹でダコ! 真っ赤になってしまっていたのです。 メインキャンドル点火以降、カメラにおさめられた新郎のお顔は、全て真っ赤っか、という、とても残念なことになってしまいました。    ♡ 【2お酒が大好きで…】 新郎はお酒が大好き。 バケツに捨てるなんて、お酒の神様に申し訳ない! 友人がお酌に来るたびに、飲み干していました。 しかし、緊張も加わってか、いつもより酔いが早い。 そして、お召し替えへの退席に…。 凛々しいお姿を見せるべきシーンで、まさかの千鳥足。 一緒に退席したお母様を、まるで杖がわりのようにして、なんとか会場を出たものの、そこでしゃがみこんでしまいました。 急遽用意されたのは車椅子。 お着替え場所まで、車椅子で運ばれていきました。 少しお休みになり、何とか再入場できましたが、虚ろな瞳で披露宴を過ごすことに、なってしまいました。 謝辞までには、何とか酔いが覚めたものの、お開き後にお話しを伺ったところ、「披露宴の記憶が全くない」と。    ♡ お祝いの席だし、せっかくお酌してくれたのに、飲まないのは申し訳ない…そう思って飲んでしまう人、結構いるものです。 そして【1】のように、高砂席にいる時には、足元のバケツを利用できますが、キャンドルサービス時には、お客様のお席にバケツは無いため、注いでもらったお酒を、捨てる場所がありません。 スルーするか飲むかの、どちらかしかないのです。 実はこのように、イッキコールがかかってしまうこと、珍しくありません。 キャンドルサービス時だけでなく、余興などでも起こります。 お酒のことって、一体どうすれば良いのでしょうか?    ♡ お酒のことは、本当に判断が難しいものです。 でも、まず言えることは、飲めない人は、飲んではいけないということです。 第一に危険です。 急性アルコール中毒で、救急搬送されたケースも聞いています。 私の場合は、打ち合わせの際に必ず確認し、飲めない人の場合は、あらかじめ出席者にその旨を、お伝えするようにしています。 お酒が飲めない人、そして、お酒が弱い人も、必ず司会者に相談してください。 司会者から出席者に伝えて貰えば、角が立たずに済みますし、出席者の理解も得られることでしょう。    ♡ 【2】の場合には、大変申し訳ありませんが、ご自身の責任です。 誰にも、どうすることもできません。 普段お酒が強い人でも、飲み会の場ではないことを、忘れないでください。 披露宴の後に2次会がある場合には、かなりお辛いことになるかもしれません。 翌日から新婚旅行にお出かけの場合は、二日酔いによる体調不良も心配です。 そして、新郎新婦は主役でありながら、お客様をおもてなしする側です。 もてなす方が、グデングデンに酔っ払っていたら、出席者に対し失礼があるかもしれません。 勢いで無茶なことはせず、新郎新婦であるということ、一生に一度の大切な日であるということを、忘れずにいて欲しいと思います。  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。 続きを読む

花嫁の手紙で、両親が見たもの

ハプニング

結婚披露宴で、特に大切にしたいシーンの一つ、新婦の手紙朗読〜ご両親への花束贈呈。 一番の感動シーンでもあります。 もしそんな時、会場のスタッフによって、こんなことがおこなわれたら、あなたはどう感じるでしょうか?   【スタッフのミス・ケース1】 前回の記事へ  【スタッフのミス・ケース2】 そのご披露宴は、とても和やかに進行し、いよいよクライマックスシーンである、ご両親への花束贈呈となりました。 ご両家ご両親はお開き口付近に、新郎新婦は高砂席の前に、それぞれ並んでお立ちになりました。 つまり、ご両親は会場の一番後ろ、新郎新婦は会場の一番前。 ご両親と新郎新婦の間にテーブルがあり、お客様が座っている状態です。 その位置で、新婦は感謝のお手紙を読み始めました。 程なくご新婦のご両親は泣き始め、新郎のご両親も目頭を押さえています。 会場のあちらこちらで、すすり泣く声が聞こえていました。 その時です。 会場スタッフが、ご両親のすぐ前を横切りました。 息子・娘の姿を、泣きながら見つめている、ご両親の視界を遮ったのです。 このシーン、配膳係は邪魔にならぬよう、全員会場から外に出ていました。 会場内にいるスタッフは、ビデオさん・カメラさん・照明さん、介添えさん・司会者だけです。 みんな持ち場を離れるわけには、いきません。 つまり、誰もご両親の前を歩いているスタッフを、止めに行くことができないのです。 ご両親を撮影していたビデオさんは、手で追い払うような仕草をしましたが、本人は全く気付きません。 結果、会場スタッフは、ご両親の目の前を、4往復もしてしまいました。 それも、実に堂々と椅子を持って…。    ♡ 理由がありました。 お手紙→花束贈呈→謝辞に続き、エンドロールの上映があります。 新郎新婦のご両親にも、エンドロールをご覧いただく予定でした。 立ったままではなく、座ってご覧いただくために、その時の椅子を準備していたのです。 ご両家ご両親がこれまで座っていた、テーブル席に置かれた椅子を、お開き口近くに移動させていたのです。 4脚ですから4往復。 それって、お手紙の朗読中にやる必要が、あるのでしょうか? 理屈はわかります。 あらかじめ椅子を移動していた方が、謝辞の後、ご両親を、スムーズに誘導できるからです。 お手紙の朗読中、お客様の視線は会場前方にいる、新郎新婦に向けられています。 ですからスタッフは、お客様の後ろを通っていることになり、何の抵抗も感じなかったのでしょう。 だからこそ、実に堂々と椅子を運んでいたのです。 ご両親のすぐ目の前だということは、全く気にせずに…。    ♡ 時おり涙を拭いながら、朗読をじっと聞いていたご両親は、途中からスタッフの動きに目を奪われ、感動も薄らいでしまったようでした。 さらにビデオカメラでも、お嬢様のお手紙に涙するご両親の表情を、納得できる形で撮影することは、できなかったようでした。    ♡ スタッフは日頃から、厳しい教育を受けているはずです。 しかし現場はナマモノ。 全てのことを、前もって予測し指導することは、不可能とも言えるでしょう。 たった一人の、たった一つの行動が、大成功となるはずだった宴席を、全て台無しにしてしまったとしたら、それはとても悲しいことです。 現場に出たら神経を研ぎ澄まし、現実をしっかりと見つめ、細部にまで心を配ること。 それこそが、どんな素晴らしいマニュアルにも、勝るものなのではないでしょうか。 自戒の念を込めて…  ※私個人の意見であり、  人によって違いがありますことを、  ご理解・ご了承ください。  本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。続きを読む

新郎新婦は、どこから入場?

ハプニング

結婚式・披露宴に携わる人も、人間です。 ミスをすることだってあります。 たとえベテランスタッフであっても、いつも完璧とは限りません。 些細なミスはお客様にも気付かれず、大きな問題にもならないでしょう。 でも、ちょっとしたスタッフのミスが、ちょっとしたでは済まされない、こんなことも起こってしまいました。  【ケース1】 ある結婚式場で行われた披露宴。 新郎新婦のお色直し入場シーンで、それは起こりました。    ♡ 「新郎新婦のご入場です!」 音楽がかかり、会場が徐々に暗くなっていきます。 そして、前奏のあと、歌が始まるその瞬間、扉が開いて新郎新婦が登場… という手はずでした。 しかし、扉を開けるタイミングの5秒ほど前に、扉は開いてしまったのです。 5秒なんてどうってことない… そう思うかもしれません。 しかし開いた扉は、新郎新婦が入場する予定の扉ではなく、すぐ隣の扉でした。 会場には、ロビーに通じる扉が、隣り合わせで2箇所あったのです。 驚いたのは照明スタッフ。 新郎新婦入場とともに、お二人にスポットライト当てるため、照明機材を入場予定の扉に向け、スタンバイをしていました。 それなのに、開き始めたのは隣の扉。 タイミングがわずかに早かったものの、入場する扉が変更になったのかと焦り、開きかけた扉に向けてライトを当てました。 スポットライト、なんとか間に合いました。 会場のお客様からは盛大な拍手が、湧き起こりました。 ところが… 観音開きの扉、(2枚の扉が中央から両側へ開くもの)は、片側(1枚)しか開かなかったのです。 そして、盛大な拍手の中登場したのは、新郎新婦ではなく、何と会場の女性スタッフでした。 「えっ?」「なになに?」 そんな言葉や笑い声が湧いたところで、予定通りの扉から、予定通りのタイミングで、新郎新婦がご入場されました。    ♡ サプライズ演出ではありません。 完全に女性スタッフのミスでした。 会場内は真っ暗だし、どうせ見えないだろうとでも、思ったのでしょうか。 しかし、会場は真っ暗でもロビーは明るいのです。 ライトが当たらなかったとしても、扉から外の明かりは漏れ、シルエットは、はっきりと見えます。 そのタイミングで、スタッフが会場に入ってくる理由は、一つもありませんでした。 結果、新郎新婦の入場の方が、悪いタイミングだったという印象に、なってしまいました。    ♡ お色直し入場シーンは、お二人が新たなお衣装で、お客様の前に初めて立つ瞬間。 新郎新婦への注目度も高いシーンです。 それなのに、一番注目されたのは女性スタッフ。 新郎新婦のお気持ちは、言うまでもないでしょう。    ♡ ケース2は、明日に続きます。  ※本文中の内容は、   事実に基づくフィクションです。続きを読む

感動スピーチが招いた疑惑?

スピーチ

結婚式・披露宴に、感動はつきもの。 まだ式が始まる前、新郎新婦を見た瞬間から、泣き始める人も多く見かけます。 親しい人が幸せな日を迎えるのは、それほど嬉しいものです。 しかし、こんな風になってしまうと、色々大変かもしれません。  小百合さん(仮名)は、28歳OL。 高卒なので、入社からおよそ10年。 上司からも期待され、同僚からも頼りにされ、後輩からも慕われて… 気がつけば、会社になくてはならない存在に、なっていました。 仕事も会社も大好きで、結婚をしてからも、勤務は続けていく予定でした。 しかし、急に新郎の転勤が決まったのです。 悩んだ末、小百合さんは会社を辞め、新郎についていくことを決意しました。    ♡ 退社から1ヶ月後、結婚式・披露宴がおこなわれました。 小百合さんの上司も同僚も、大勢出席してくれました。 新婦側の主賓は、直属の上司である部長でした。 そして、主賓の祝辞が始まったのです。    ♡ お祝いの言葉を述べたあと、思い出を振り返るように、語り始めました。 入社時の面接官として、初めて小百合さんに会った時のこと… 当時高校生だった小百合さんは、可愛いながらも、芯のしっかりとした女の子だったこと… 小百合さんの採用を決めたのは、自分だったこと… 入社してからも、ずっと見守っていたこと… 仕事に対して一生懸命頑張っている、小百合さんの姿… 愛情あふれる言葉に、新婦や会社の同僚のみならず、新郎側のお客様も感動し、目頭を押さえている人もいました。 5分が過ぎ、読んでいた原稿を閉じ、そろそろ祝辞も結びに… 誰もがそう思い、部長ご本人も、そういう予定だったと思います。 しかし… ご自身の話しに、感情が高ぶってしまったのか、祝辞は締めに入るどころか、逆にヒートアップしてしまったのです。 つまり、原稿にはなかったことを、話し始めたようでした。 いかに小百合さんが素晴らしいか、詳細に語り出したのです。 涙声でした。 そして…これからも、ずっとそばで働いてくれると思った… おめでたいことだから、喜んであげなきゃいけないけど、会社を辞めてしまったのは悔しい… 新郎に小百合さんを、奪われたような気持ちでいる… その時にはもう、涙声をはるかに超え、嗚咽になっていました。 感動に包まれていた会場も、次第にスーっと温度が下がるような、そんな雰囲気になりました。 「なんかやばくない?」 「何かあったのか?」 「普通じゃないよね?」 そんな囁き声も聞こえてきます。 泣きながら聞いていた、小百合さんの同僚や後輩も、なんだか冷めたような表情に、なってしまいました。    ♡ きっと部長は小百合さんを、「部下として」可愛がっていただけ、だと思います。 小百合さんは、本当に優秀な社員であり、良き部下だったのでしょう。 だからこそ、結婚は喜ばしいことだけど、会社は辞めて欲しくなかった。 その結果、まるで恋人を取られたかのような、恨み節になってしまったのでしょう。 娘を嫁に出す父親の気持ちと、同じような想いだったのかも、しれません。 初めの5分間だけで話を結んでいたら、とても素晴らしい祝辞、部下思いの良き上司…と、高評価だったことでしょう。 残念ですし、気の毒でなりません。    ♡ 感情をコントロールするのは、とても難しいものです。 でも、結婚式・披露宴の席で、特に男性があまり泣き過ぎると、良からぬ想像をされかねません。 本人のみならず、新婦にも、疑いをかけられるなど、迷惑をかけてしまう可能性もあります。 感激屋の人、すぐ大泣きしてしまう人、感受性が豊か過ぎる人は、くれぐれもお気をつけください。 自分への戒めも込めて…  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。続きを読む

救われた花嫁のブーケ

ハプニング

結婚式に贈られる、手作りのプレゼント。 手間とお金をかけ、心を込めて作成してくれる、それはとてもありがたいもの。 しかしその裏で、会場スタッフが苦労していることも、あったりするのです。 例えばこんなことが…  ある新婦は、高校時代のご友人から、「ブーケを作ってあげたい」そう申し出があったそうです。 そんな特技があるとは、知りませんでしたが、せっかくのお気持ちなので、作って貰うことにしました。 新婦と友人宅の距離は1時間ほど。 「受け取りに行くので、 できたら連絡してね」 そう言うと、 「生花だから、 作るの結婚式前日だよ。  前日の夜取りに来るのって、 大変でしょ?  当日、必ず持っていくから、 心配しないでね」と。 事前にその作品を、見ることができないのは、ちょっぴり心配だけど、信じてお任せすることにしました。    ♡ 当日、挙式前の早い時間に、友人はブーケを持ってきてくれました。 真っ白な花とグリーンで作られた、とても素敵なキャスケードブーケでした。 想像以上の出来栄えに、お願いして良かったと、新婦は心から嬉しく思いました。    ♡ 挙式が済み、披露宴の開始時刻が過ぎました。 まだ、新郎新婦のお支度が、整っていないようです。 一応状況を確認するため、様子を見に行きました。 すると… ご入場口から少し離れたところに、新郎新婦の姿を確認できました。 ではもう間もなくだろう…と、会場に戻ろうとしましたが、ブーケを持つ新婦の手元で、介添えさんが何やらごそごそしています。 近くまで行き、どうしたのかと尋ねると… ブーケのお花が、ポロポロと、取れているではありませんか。 もう開宴時刻は過ぎています。 作り直す時間など、もちろんありません。 しかしまさか、花をポロポロ落としながら歩くわけにも、ブーケなしというわけにもいきません。 テープやワイヤーの予備はないため、可能なところは、テープを剥がして巻き直し、針と糸を使って固定していきます。 新婦はその作業の様子を、心配そうにじっと見つめています。 「ごめんなさい。 もう、これ以上は無理です」 介添えさんの言葉を合図に、新郎新婦、ご入場となりました。    ♡ 幸運にも、この時の介添えさんは、フラワーアレンジメントの、資格をお持ちでした。 だからこそできた、素晴らしい応急処置でした。 もし、何の知識も技術もない、介添えさんだったとしたら、どうなっていたことでしょう。 せっかくご友人が贈ってくれた、心のこもった手作りブーケを、お色直しの瞬間まで、ちゃんと使うことができたのも、この介添えさんのお陰でした。    ♡ フラワーアレンジメント、着付け、お裁縫など、自主的に学ばれている介添えさんも、多くいらっしゃいます。 結婚式に携わるからには…と、万が一に備えているのです。 そのような心構えが、万が一の場合のみならず、普段のきめ細やかな心配りにも、繋がっていると言えるでしょう。 そしてプロフェッショナルに、支えられているからこそ、新郎新婦も、一生に一度の大切な日を、安心して過ごすことができるのだと、改めて感じさせられました。    ♡ 蛇足にはなりますが… 生花のブーケは、重さに耐えきれなくなってしまう、可能性があるそうです。 キャスケードブーケのように、高度な技術が必要なブーケは、特に注意が必要とのこと。 プロでない方が手作りされる際には、くれぐれもお気を付けくださいませ。続きを読む

花嫁のドレスが破れた理由?

ハプニング

キャンドルサービスの際に、とても心配になるのが、新郎新婦の衣装。 なぜかといえば、ゲストも盛り上がっているだけに、新郎新婦の衣装までは、気が回らないからです。 はしゃぎ過ぎているお席では、飲み物をこぼさないか?お皿をひっくり返さないか?ヒヤヒヤすることも少なくありません。 そしてとうとう、こんなことが、起こってしまったのです。   あるご披露宴で、新郎のご友人たちが、過剰に盛り上がっていました。 子どもみたいに、会場内を走り回っている人もいました。 落ち着きがない、というのでしょうか、とにかくじっとしていないのです。 お酒もかなり入っているようです。 こういう人が一番危ない。 何をするか、行動が全く読めないからです。    ♡ キャンドルサービスの時には、益々その動きに拍車がかかりました。 新郎新婦の動きに合わせ、各テーブルで茶茶を入れる。 テーブルごとの写真撮影にも、ちゃっかり入ってしまう。 新婦もだんだんと、ムッとした表情を見せるように、なっていきました。 そしていよいよ、自分たちのテーブルへの点火。 ご友人たちの騒ぎっぷりは、最高潮に達しました。 しかしながら、何とか無事に、点火と写真撮影を済ませ、新郎新婦は次の席へ。 と、その時、大変なことが起こってしまったのです。    ♡ 写真撮影の際、新婦の隣にいた男性。 撮影が終わったため椅子の位置を直し、勢いよくその椅子に腰を下ろしました。 新婦が歩き始めたのと、ぴったり同じタイミングでした。 新婦がよろめきました。 ドレスが、強い力で引っ張られたのです。 引っ張ったのは… 椅子でした。 椅子の足が、新婦のドレスの上に、乗っかっていたのです。 まさかドレスの上に椅子を置かれ、その上に座られたとは知らない新婦。 反射的に、更に強く引っ張ってしまいました。 ドレスは、柔らかなレース素材。 強い力がかかれば、どうなってしまうかは、言うまでもありません。 「ひどーいっ!」 新婦は、悲鳴とも言えるような声をあげました。    ♡ 介添えさんも、ドレスさばきには、十分気を配っていますが、このタイミングの一致には、どうすることもできませんでした。 そして、その男性はといえば、もう友人との話に夢中になっていて、ドレスを踏んでいることには、全く気付いていません。 介添えさんが声をかけても、全く聞こえていない様子。 キャプテンが椅子を持ち上げ、やっとドレスは椅子の足から、解放されました。 男性は一瞬、キョトンとした表情を見せましたが、またすぐに何事も無かったかのように、友人たちとの会話に戻っていきました。 もちろん新婦の叫びも、その男性の耳には、届いていませんでした。    ♡ 高砂席に座った新婦の後ろでは、介添えさんが、針仕事をおこなっていました。 花束贈呈シーンまでには、何とか目立たないようにしてあげたい。 大きく破けてしまった部分を、時間と戦いながら、必死の思いで縫い合わせてくれました。    ♡ 何日もかけて選んだ、お気に入りの素敵なドレスも、そのままの美しい形で、ゲストにお披露目できていたのは、わずか10分程度。 そして、よりにもよっておめでたい結婚披露宴で、ドレスが破れるなんて… 新婦の悔しさは、容易に想像できます。 新郎が話していなければ、その男性は、今でもその事実を、知らないかもしれません。   ♡ 新郎新婦は、お客様に喜んでいただけることを、一番に考えているでしょう。 しかしながら出席者の方も、新郎新婦のことを一番に考えて欲しい。 羽目をはずす機会は、普段いくらでもあるはず。 ただの飲み会ではなく、新郎新婦にとっては、一生に一度の、結婚披露宴だということを、どうか忘れないでいただきたい、そう心から願っています。  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。続きを読む

花嫁のドレス、同じ?

ドレス

披露宴の衣装、あなたなら、どのように選びますか? 色?デザイン?新郎または新婦に選んでもらう?    ♡ あるドレスに一目惚れした新婦、迷うことなく、そのドレスに決めました。 ところが… 披露宴当日、予期せぬことが、起こってしまったのです。  その新婦が選んだドレスは、白地に大きな黄色の花が、いくつも鮮やかに描かれた、とても華やかなものでした。 若くフレッシュな印象の花嫁には、とても良くお似合いで、出席者からも絶賛を浴びていたのです。 このドレスを選んで、本当に良かった。 幸せいっぱいの想いで、ご披露宴は無事お開きとなりました。 そして立礼へ。 「可愛い〜」という声を、たくさんかけて貰いながら、出席者をお見送りをしていました。 と、その時です。 同じフロアで披露宴をしている新郎新婦が、近くを通りかかりました。 ちょうどお色直しを済ませて、会場へと向かう途中だったのです。 えっ! 新婦も出席者も、一瞬、固まりました。 あちらの新婦も、あっ!というお顔をなさっていました。 そう、二人の新婦は、色も柄もデザインも、全く同じドレスを、お召しになっていたのです。    ♡ 街を歩いていて、同じ洋服を着ている人に会うと、ちょっと嫌な気持ちになりませんか? それが、「花嫁」という状況だったとしたら、比べ物にならないほど、大きなショックを受けるハズ。 新婦の顔からは、笑顔が消え、今にも泣き出しそうな表情に、なってしまいました。    ♡ 実はこのドレス、ブライダルフェアの模擬披露宴で、モデルさんが着用していたもの。 その結婚式場オススメの、ドレスだったのでしょう。 そして二人とも、ブライダルフェアを見て、その姿に憧れ選んだものと思われます。    ♡ 一点ものや、オーダーメイドでない限り、他にも同じドレスをお召しになる人は、いらっしゃって当たり前です。 しかしながら、まさかばったり会うとは、想像もしていなかったでしょう。 でも、持ち込み衣装ではありませんので、衣装さんが気づかないハズありません。 同じ日、同じフロア、同じ時間帯の、花嫁同士が会ってしまうことは、十分予測できたでしょう。 この結婚式場の方針はわかりませんが、なぜ一言忠告してあげなかったのかと、とても残念でなりません。    ♡ きっと、レアケースだとは思いますが、無いとは言えません。 忠告してくれないなら、自分で防ぐしかありません。 特に、結婚式場内でレンタルする際には、同じ時間帯に、同じドレスの人はいないか、ご自身で確認しておいた方が、安心なのではないかと思います。 老婆心ながら…。  ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。  なお、  式場や衣装さんの方針はそれぞれであり、  それを否定するものではありませんので、  誤解なきようお願いいたします。  また、  披露宴当日、同じドレスの人と、  出会っても良いとお考えの方には、  当てはまりませんのでご了承ください。続きを読む

ブーケトスの悲劇?

ハプニング

ブーケトスは花嫁の憧れ、そう思っている人も、多いのではないでしょうか。 大切な人への幸せのバトンタッチ とても素敵な演出ではありますが、その一方で、ハプニングもいっぱい。 楽しいハプニングなら、それも良き思い出になるでしょう。 しかし、こんな悲しいことが、起こってしまいました。  優子さん(仮名)は、絶対にブーケトスをしたい、そう思っていました。 挙式は神前式だったため、おこなうとすれば披露宴。 そのために、会場選びの段階から、ブーケトスのことを考慮していました。 天井が高く、広さにもゆとりのある所…。 そして、ブーケもトス用に、軽めの可愛らしいものを、用意しました。 準備は万全です。    ♡ 優子さんは21歳と若く、ご友人はみんな独身でした。 職場の同僚にも、独身者が大勢いました。 ですから、ご友人・同僚たちもまた、このブーケトスを、楽しみにしてくれていたのです。 ブーケトスには、たくさんの女性が参加してくれました。 そして、出席者全員で、カウントダウン。 「3・2・1」 ブーケが優子さんの手を離れ、みんなの待つところへ、綺麗な弧を描いて飛んで行きました。 さあ誰の手に、キャッチされるのでしょうか? あっ! 信じられないことが起こりました。 近くに座っていた男性が、いきなり立ち上がり、ブーケに向かって、手を伸ばしたのです。 女性たちより、かなり背の高い男性。 当然、ブーケに一番早く手が到達します。 男性が受け取っちゃう。 もう一度やり直しか…? そう思った瞬間、男性の手は勢いよく、ブーケを弾き飛ばしたのです。    ♡ ブーケはそのまま、床に落下しました。 強い力が加わったことで、可愛らしかったブーケは、見るも無残な姿となってしまったのです。 会場は、シーンとなりました。    ♡ その時でした。 ブーケトスに参加してくれていた、一人の女性が、バラバラになったお花を、さっと一つにまとめ握りしめました。 そして、そのブーケを高々と掲げながら、「わーい、ヤッター、 ありがとう!」と。 その行動と笑顔に、新婦のみならず、出席者全員がどれほど救われたことか。 会場からは、盛大な拍手が沸き起こりました。    ♡ その男性、決して悪気があったわけでは、ないと思います。 きっと、盛り上げようと、いたずら心を起こしただけ。 自分の手にワンバンドさせて、本来の軌道を、ちょっとだけ変えてみようと、思ったのかもしれません。 まさか、勢いよく跳ね飛ばし、ブーケが壊れてしまうなんて、考えてもいなかったでしょう。 魔が差した… そうとしか、言いようがありません。 その男性は、新婦の上司でした。 あの後、会社でどうなっているのか、ちょっぴり心配です。     ♡ あの時、参加していた女性が、機転をきかせてくれなかったら、どうなっていたかと、今でも冷や汗が出ます。 新郎新婦にとって、一生に一度の大切な日。 その日にかける新郎新婦の想いは、並大抵ではないでしょう。 大変な準備を重ねて、ようやく迎えた結婚式・披露宴。 盛り上げようとしたことが、逆の結果を招いてしまったとしたら、たとえそれが純粋な想いでも、ご愛嬌では済まない場合があります。 ご出席の場合には、どうかくれぐれも、このような行為はご遠慮いただきたい…心からのお願いです。 ※本文中の内容は、  事実に基づくフィクションです。続きを読む

披露宴の余興「花嫁当て」

ハプニング

披露宴では、様々な余興が繰り広げられます。 どんな余興をやろうか、頭を悩ませている人も、多いのではないでしょうか。 その余興は… 新郎新婦にとって、喜ばしいものなのか… ゲストにとっても、楽しめるものなのか… でも、もしかしたら一番大切なのは、コレかもしれません。  あまり数は多くなくても、長く使われている余興があります。 成功すれば、とても盛り上がるものだから、かもしれません。    ♡ そのご披露宴でおこなわれたのは、定番の一つ、「花嫁当てゲーム」でした。 目隠しをした新郎が、数名と握手をし、その中から新婦を当てる。 極めてシンプルな余興です。 盛り上がりを狙って、男性ゲストを入れる場合もあります。 お母様やお祖母様まで、参加する場合もあります。    ♡ その日は、新婦・新郎友人・新婦友人の、総勢7名が参加しました。 一人ひとり握手をし、その中から新郎が選んだのは、新婦の友人Aさんでした。 間違えてしまいました。 リベンジで、2回目がおこなわれました。 選んだのは… 先程と同じ、新婦の友人Aさんでした。 そして、3度目の正直。 しかし、またまた、新婦の友人Aさんを、選んでしまったのです。    ♡ このあと、この余興の進行役は、「当たらなかった罰として…」「Kiss!」「Kiss!」「Kiss!」キスを促すコールを始めました。 でも、新婦の顔は明らかに怒っていました。 新郎も、申し訳なさそうな表情でした。 罰ゲームも全く盛り上がらぬまま、後味が悪い余興になってしまいました。    ♡ 花嫁当てゲーム、一度の間違いはよくあること。 1回目が終わって、すぐに罰ゲームに移行したなら、この進行でも、盛り上がったかもしれません。 でも、同じメンバーで、3回もおこなってしまった。 リベンジどころか、3回とも間違えたばかりでなく、3回ともAさんを選んでしまったなんて…    ♡ この余興は、おこなう人も、見ている出席者も、「絶対に当たるハズだ」と、信じて疑わないところに、危険が潜んでいるのです。 「当たるハズだから、 当たるまでやろう」 そう考えると、どんどん深みにはまって、悲しい結果になってしまうことが、無いとは言えないのです。 普段とは違う環境で、新郎は緊張しているかもしれません。 つまり、冷静な状態ならわかることでも、緊張状態だとパニックになってしまう。 ですから実は、「当たらない!」ということ、意外と多いんです。 2回目、3回目までやるなら、・こっそり正解を教えてあげる・メンバーチェンジをする・新婦以外を全員男性に入れ替えるなど、助け舟を出してあげるのも、ダメージを与えない一つの方法です。 今回のケースで考えると、3回間違えたあとでも、フォローすることは、できたのではないでしょうか。 例えば… 嘘でも、「実はドッキリでした! 新婦ごめんなさい!!」そう付け加えていたとしたら、どうでしょうか。 そのあとのキスも、「罰ゲーム」ではなく、「驚かせてしまったお詫びに」としたら、サプライズ演出として、盛り上がったかもしれません。(キスの賛否は別として…です) 何より、新郎新婦を傷つけることだけは、回避できたことでしょう。    ♡ 余興をおこなう目的は、新郎新婦や出席者に、喜んで貰ったり、楽しんで貰ったりすることです。 ですから、万が一の場合には、きちんとフォローしてあげることが、何より大切だと、私は思います。 余興の内容が、あらかじめわかっている場合には、新郎新婦で、密かに合図などを決めておくと、安心かもしれません…。続きを読む

感動のシーンが、台無し!

ハプニング

結婚披露宴の、クライマックスシーンといえば、多くの人が、「ご両親への花束贈呈」を、思い浮かべることでしょう。 花嫁が感謝のお手紙を朗読し、花束贈呈へ…。 司会者という立場の私でも、感動し、涙が溢れることもしばしば。 ですから、親しいお付き合いがある方なら、なおさらのこと。 普段は厳しい上司が、上を向いて懸命に涙をこらえていたり… 仲の良いご友人たちの目から、とどめもなく涙が溢れ出していたり… 手紙を読む新婦の隣で、新郎の方が大泣きしていたり… 「絶対に泣かない!」と、豪語していたお父様が、声を上げて泣いていたり…。 この瞬間に立ち会うことができ、本当に良かったと思える、とっても素敵な感動シーンです。 暗い会場の中、スポットライトが当たり、新婦はお手紙を読み始めました。 一生懸命に想いを伝えようと、一言一言を大切に、そして、涙をこらえながら読んでいました。会場からは、すすり泣く声も聞こえています。 その時でした。 突然、美しいBGMのメロディーとは別に、水戸黄門の主題歌「あゝ人生に涙あり」が、鳴り響いたのです。 ♪人生楽ありゃ、苦もあるさ〜♪ そうです。それは、携帯電話の着信音でした。 会場にいる全員を驚かせた、持ち主がとった行動とは? 「はい、もしもし〜」出ちゃったんです、その電話に…。 親戚の叔父様でした。 「うん、オレオレ。」 「今〜?」 「うん、結婚式の最中。」 「なんか、 嫁さんが手紙かなんか読んでるとこ。」 「うんうん、そうそう、 花束贈呈とか言ってたな」 「えっ? なんか電波悪いんだか、 よく聞こえねえんだよな。 音楽かかってるし、喋ってるし。 こっちの声は聞こえてるかあ?」 「そうか、なら良かった」   :見かねた隣の席の人が、電話をやめるよう、ジェスチャーで促す。「わかってるよ、うるさいなあ〜」 「あーイヤイヤ何でもない。こっちの話。」   :  (中略)   :「結婚式って、 なっげーんだよ(長いんだよ)。 おー、多分、時間的には、 もうそろそろ終わると思うんだけどよ。」 「えっ?泊まらないよ。 今日、帰るよ。 飛行機じゃなくて、新幹線で帰る。」 「多分もう終わるから、余裕で間に合う」 「うん、悪いな、 まあ、そういう事情だから、 とりあえず切るわ。」 「いいよ、いいよ、 終わったらこっちから掛け直すから。」 「うん、それじゃあまた後で」 その時にはもう、新婦手紙も、花束贈呈も済み、新郎父の謝辞になっていました。    ♡ 悔しかったです。この人の電話を止められなかったこと。 この男性の大きな声と戦いながら、一生懸命お手紙を読んでいた新婦が、かわいそうでなりません。 新婦の声に集中しようと必死でしたが、どのような内容だったのかさえ、全く頭に入ってきませんでした。 きっとほとんどの出席者が、同じだったことでしょう。 そのかわり、男性のちょっと訛りが入った話し方、声の大きさ、喋った言葉は、今でもはっきりと覚えています。    ♡ 携帯電話については、マナーモードの設定を、あらかじめお願いしていますが、どうしても一人くらいは、鳴らしてしまうものです。 しかし、多くの場合、すぐに着信音を消すか、あるいは、急いで会場の外に出るか、どちらかの行動をなさいます。 しかしこの男性は、大声で会話を続けていたのです。 「そういう事情だから…」と、電話の相手におっしゃっていましたが、そういう事情だとわかっているなら、出ないで欲しかった…。 せめて電話の着信が、あと10分遅かったら…と、残念でなりません。    ♡ さらに言わせていただければ、赤文字の部分は「忌み言葉」です。 結婚式・披露宴の場では、使ってはいけない言葉とされています。 その忌み言葉を、よりにもよって、新婦のお手紙朗読に重ねるなんて…。    ♡ ついうっかりしてしまう、マナーモード設定。 しかし、もし忘れてしまっていたとしても、大人の対応をお願いしたいものです。 ※本文中のエピソードは、   事実に基づいたフィクションです。続きを読む