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イバラの道も出逢いのため?

人生に無駄なものなど、

一つもない…そうです。

 

辛い、苦しい、寂しい、
そう思うこともあります。

 

でもそれは、
幸せの序章なのかもしれません。

 

イバラの道が、

こんなにも大きな幸せに、
繋がっていた人もいます。

 

 

祐樹さん(仮名)は大学を卒業後、
就職難の時代にもかかわらず、
第1希望の企業に見事合格しました。

 

いわゆる勝ち組です。

 

しかし、
履歴書の職歴欄には、
6社の名前が書かれていました。

 

8年間で5回もの転職を、
繰り返したそうです。

 

「骨を埋めるつもりで…」
という時代でないことは、
百も承知しておりますが、
いくらなんでも多過ぎる!

 

そう思うのは私だけではないはず。

 

これからも、
転職を繰り返すかもしれないのに、
このような人と結婚して、
大丈夫なのだろうか?

 

他人様のことながら、
心配になってしまいました。

 

転職の理由を尋ねると…

彼が話してくれたのは、
「5社中5社全てが、倒産しました」
という衝撃の事実でした。

 

続けて、
「俺って、

 疫病神なのかと思いましたよ」と。

 

このご時世、

倒産する会社など山ほどあるし、
たまたま運が悪かったのでしょう。

 

しかし、話を先に進めると、
どうやらそうではなさそうです。

 

今の会社は、入社して3年。

 

これまでの会社に比べると、
とても長く続いています。

 

ここでふと気付きました。

 

会社名が、

新婦の苗字と同じでした。

 

「もしかしたら、この会社って?」

 

「そうです。
 彼女の父親が社長なんです。」

 

 

祐樹さんはこの会社で彼女と出逢い、
職場結婚となりました。

 

新婦は一人っ子のため、
婿入り婚(養子縁組)でした。

 

ということは、

新郎は将来この会社を、

背負って立つことになるのでしょう。

 

それなら尚更、

後継となる彼の境遇に、
ご両親は、

不安を感じるのではないでしょうか?

 

実は祐樹さんも、
それをとても気にしていたそうです。

 

しかし、
立派な方というのは考え方も、
一般人とは違うものです。

 

お父様はこうおっしゃったそうです。

 

「一つの会社に長くいると、
 井の中の蛙になってしまう。

 

 君は、いろいろな会社で、
 様々な職業を経験してきた。

 

 つまり、
 修行に出したのと同じことだ。

 

 これからは我が社で、
 これまでの経験をしっかりと生かして、
 頑張って欲しい。

 

 困難を幾度も乗り越えてきた、
 祐樹君だったら大丈夫。

 

 娘のことも、
 きっと幸せにしてくれると、
 信じているよ」と。

 

   ♡

 

幾度も転職を繰り返したのちに、
新婦のお父様が経営するこの会社に、

たどり着いた祐樹さん。

 

まさに、
新婦と出逢うため、
新婦と結婚するために、

転職を繰り返す運命だったのだと、
思わざるを得ません。

 

自分の人生は、
何で上手くいかないのだろう、
そう思いつつも、
前を向いて一生懸命歩いてきた理由が、
やっとわかった瞬間でした。

 

   ♡

 

一見、無駄に思えるような道も、
必ずその先に何かがあるはず。

 

たとえ今はままならぬ想いでも、
一歩一歩大切に歩んでいけば、
いつかその理由に気付く日が、
訪れるのかもしれません。

 

あなたが歩いているその道の先にも、
たくさんの幸せが、
待ち受けていますように…。

 

 

※本文中の内容は、

  事実に基づくフィクションです。

ブーケトスの悲劇?

ブーケトスは花嫁の憧れ、
そう思っている人も、
多いのではないでしょうか。

 

大切な人への幸せのバトンタッチ

 

とても素敵な演出ではありますが、
その一方で、
ハプニングもいっぱい。

 

楽しいハプニングなら、
それも良き思い出になるでしょう。

 

しかし、
こんな悲しいことが、
起こってしまいました。

 

 

優子さん(仮名)は、
絶対にブーケトスをしたい、
そう思っていました。

 

挙式は神前式だったため、
おこなうとすれば披露宴。

 

そのために、
会場選びの段階から、

ブーケトスのことを考慮していました。

 

天井が高く、
広さにもゆとりのある所…。

 

そして、
ブーケもトス用に、
軽めの可愛らしいものを、
用意しました。

 

準備は万全です。

 

   ♡

 

優子さんは21歳と若く、
ご友人はみんな独身でした。

 

職場の同僚にも、
独身者が大勢いました。

 

ですから、
ご友人・同僚たちもまた、
このブーケトスを、
楽しみにしてくれていたのです。

 

ブーケトスには、

たくさんの女性が参加してくれました。

 

そして、
出席者全員で、
カウントダウン。

 

「3・2・1」

 

ブーケが優子さんの手を離れ、
みんなの待つところへ、
綺麗な弧を描いて飛んで行きました。

 

さあ誰の手に、
キャッチされるのでしょうか?

 

あっ!

 

信じられないことが起こりました。

 

近くに座っていた男性が、
いきなり立ち上がり、
ブーケに向かって、
手を伸ばしたのです。

 

女性たちより、

かなり背の高い男性。

 

当然、
ブーケに一番早く手が到達します。

 

男性が受け取っちゃう。

 

もう一度やり直しか…?

 

そう思った瞬間、
男性の手は勢いよく、
ブーケを弾き飛ばしたのです。

 

   ♡

 

ブーケはそのまま、
床に落下しました。

 

強い力が加わったことで、
可愛らしかったブーケは、
見るも無残な姿となってしまったのです。

 

会場は、シーンとなりました。

 

   ♡

 

その時でした。

 

ブーケトスに参加してくれていた、

一人の女性が、
バラバラになったお花を、
さっと一つにまとめ握りしめました。

 

そして、
そのブーケを高々と掲げながら、
「わーい、ヤッター、
 ありがとう!」と。

 

その行動と笑顔に、
新婦のみならず、
出席者全員がどれほど救われたことか。

 

会場からは、
盛大な拍手が沸き起こりました。

 

   ♡

 

その男性、
決して悪気があったわけでは、
ないと思います。

 

きっと、盛り上げようと、
いたずら心を起こしただけ。

 

自分の手にワンバンドさせて、
本来の軌道を、
ちょっとだけ変えてみようと、
思ったのかもしれません。

 

まさか、

勢いよく跳ね飛ばし、
ブーケが壊れてしまうなんて、
考えてもいなかったでしょう。

 

魔が差した…

 

そうとしか、
言いようがありません。

 

その男性は、
新婦の上司でした。

 

あの後、
会社でどうなっているのか、
ちょっぴり心配です。

 

 

   ♡

 

あの時、参加していた女性が、

機転をきかせてくれなかったら、
どうなっていたかと、
今でも冷や汗が出ます。

 

新郎新婦にとって、
一生に一度の大切な日。

 

その日にかける新郎新婦の想いは、

並大抵ではないでしょう。

 

大変な準備を重ねて、

ようやく迎えた結婚式・披露宴。

 

盛り上げようとしたことが、

逆の結果を招いてしまったとしたら、
たとえそれが純粋な想いでも、
ご愛嬌では済まない場合があります。

 

ご出席の場合には、
どうかくれぐれも、
このような行為はご遠慮いただきたい…
心からのお願いです。

 

※本文中の内容は、
  事実に基づくフィクションです。

花嫁の手紙、書けない!

結婚式・披露宴の準備で、
頭を悩ませる人が多いものの一つ、
「花嫁の手紙」

 

アルバムを開いては思い出を振り返り、
泣いてしまって、全然書けない。

 

書かなきゃ、書かなきゃ、
そう思いながら、
気がついたらもう日にちがない。

 

中にはこんな人まで…

 

 

1週間前の司会打ち合わせで、
「両親への手紙、書きます。

 自分で読みたいと思います。」

そうおっしゃっていた新婦。

 

ところが、

当日の挙式直前になって、
「実はまだ書いていないんです」と。

 

えっ?まだ?

 

もう、お式が始まってしまいます。

 

挙式の後は、
集合写真もありますし、
披露宴まで時間がありません。

 

「集合写真が終わったら書きます!」

 

状況を考えると、

無理なのではないかと思いましたが、

ご本人がそうおっしゃっている以上、

見守るしかありません。

 

   ♡

 

ご披露宴がスタートしました。

 

大丈夫かな?

書けたのかな?

 

気が気ではありませんでしたが、

キャプテンから、

朗読中止の連絡も来ていませんので、

きっと間に合ったのでしょう。

 

それでも、ちょっぴり心配で、

お色直しで退席された時、
新婦の元へ確認に伺いました。

 

「まだ書き終わっていません。

 頑張ります!」

 

えっ?まだ?

 

頑張ります…って?

 

どうやら、
お色直しをしながら頑張るようです。

 

そして、お色直しが済んだ頃、
美容室に行ってみると、
「できました!」と、

明るい声を聞くことができました。

 

よかった、
間に合ったんだ。 

 

「でも自分では読めそうもないので、
 代読お願いします!」と。

 

そして受け取ったのは、

会場となっているホテルの封筒。

 

開けてみると…

 

小さな紙が何枚も入っています。

 

これって、
ホテルのメモ用紙!!!

 

便箋、忘れちゃったとしても、
ホテルの便箋もあるはず。

 

何で封筒と一緒に、
貰わなかったんだろう?

 

ヘアメイクさんによると、

最初は便箋に書いていたものの、
何度も直しているうちに、
ぐちゃぐちゃになってしまい、
それで結局、
メモ用紙に書くことになったのだとか。

 

嫌な予感。

 

恐る恐るメモを見ると、
ボールペンで書いた文字の半分以上が、

黒く塗りつぶしてありました。

 

つまり、
書いては直し、
また書いては直しと、
下書きの状態だったのです。

 

文字は小さく、殴り書き。

 

残っている文字を、
拾い集めるだけでも大変です。

 

このままでは、
とても読めるものではありません。

 

代読を頼んだ理由が、
その瞬間はっきりわかりました。

 

   ♡

 

司会席に戻り、
一通り目を通した時には、
新郎新婦お色直し入場に、
なってしまいました。

 

今度は私が焦る番です。

 

朗読まで、
時間がありません。

 

このメモを、
何とか読めるように、
しなくてはならないのです。

 

司会をしながら…
スピーチを聞きながら…
余興を横目で見ながら…

 

そして、
何とか書き上げた時には、
花束贈呈シーンのBGMが、
始まっていました。

 

   ♡

 

さすがにここまでの人は、

珍しいのですが、

式場に到着してから書いている人も、

結構いらっしゃるのです。

 

長年の感謝の気持ち、
これまでの思い出…

 

ご両親への深い想いは、
たとえどんなに文章力のある人でも、
お色直しをしながら、
ちょちょっと書けるものではないはず。

 

想いが溢れて書けない…
よくわかります。

 

他にやることがいっぱいあって…
確かにそうかも知れません。

 

それでも、
せめて前日までには、
きちんと完成しておきたいものです。

 

決してメモ書きなどではなく、
便箋に手書きをし、
あなたの想いとともに封筒に入れて、
ご両親にそのままお渡しできるように、

準備して欲しいと願っています。

 

ご両親にとって、
大切な我が娘からのお手紙は、
一生の宝物なのですから…。

 

※本文中の内容は、

  事実に基づくフィクションです。

披露宴の余興「花嫁当て」

披露宴では、
様々な余興が繰り広げられます。

 

どんな余興をやろうか、
頭を悩ませている人も、
多いのではないでしょうか。

 

その余興は…

 

新郎新婦にとって、
喜ばしいものなのか…

 

ゲストにとっても、
楽しめるものなのか…

 

でも、
もしかしたら一番大切なのは、
コレかもしれません。

 

 

あまり数は多くなくても、
長く使われている余興があります。

 

成功すれば、
とても盛り上がるものだから、
かもしれません。

    ♡

 

そのご披露宴でおこなわれたのは、
定番の一つ、
「花嫁当てゲーム」でした。

 

目隠しをした新郎が、
数名と握手をし、
その中から新婦を当てる。

 

極めてシンプルな余興です。

 

盛り上がりを狙って、
男性ゲストを入れる場合もあります。

 

お母様やお祖母様まで、
参加する場合もあります。

 

   ♡

 

その日は、
新婦・新郎友人・新婦友人の、
総勢7名が参加しました。

 

一人ひとり握手をし、

その中から新郎が選んだのは、
新婦の友人Aさんでした。

 

間違えてしまいました。

 

リベンジで、
2回目がおこなわれました。

 

選んだのは…

 

先程と同じ、
新婦の友人Aさんでした。

 

そして、
3度目の正直。

 

しかし、またまた、

新婦の友人Aさんを、

選んでしまったのです。

 

   ♡

 

このあと、
この余興の進行役は、
「当たらなかった罰として…」
「Kiss!」「Kiss!」「Kiss!」
キスを促すコールを始めました。

 

でも、
新婦の顔は明らかに怒っていました。

 

新郎も、
申し訳なさそうな表情でした。

 

罰ゲームも全く盛り上がらぬまま、
後味が悪い余興になってしまいました。

 

   ♡

 

花嫁当てゲーム、
一度の間違いはよくあること。

 

1回目が終わって、
すぐに罰ゲームに移行したなら、
この進行でも、
盛り上がったかもしれません。

 

でも、
同じメンバーで、
3回もおこなってしまった。

 

リベンジどころか、
3回とも間違えたばかりでなく、
3回ともAさんを選んでしまったなんて…

 

   ♡

 

この余興は、

おこなう人も、
見ている出席者も、
「絶対に当たるハズだ」と、
信じて疑わないところに、
危険が潜んでいるのです。

 

「当たるハズだから、
 当たるまでやろう」

 

そう考えると、
どんどん深みにはまって、
悲しい結果になってしまうことが、
無いとは言えないのです。

 

普段とは違う環境で、
新郎は緊張しているかもしれません。

 

つまり、
冷静な状態ならわかることでも、
緊張状態だとパニックになってしまう。

 

ですから実は、
「当たらない!」ということ、
意外と多いんです。

 

2回目、3回目までやるなら、
・こっそり正解を教えてあげる
・メンバーチェンジをする
・新婦以外を全員男性に入れ替える
など、
助け舟を出してあげるのも、
ダメージを与えない一つの方法です。

 

今回のケースで考えると、
3回間違えたあとでも、
フォローすることは、
できたのではないでしょうか。

 

例えば…

 

嘘でも、
「実はドッキリでした!
 新婦ごめんなさい!!」
そう付け加えていたとしたら、
どうでしょうか。

 

そのあとのキスも、
「罰ゲーム」ではなく、
「驚かせてしまったお詫びに」
としたら、
サプライズ演出として、
盛り上がったかもしれません。
(キスの賛否は別として…です)

 

何より、
新郎新婦を傷つけることだけは、
回避できたことでしょう。

 

   ♡

 

余興をおこなう目的は、
新郎新婦や出席者に、
喜んで貰ったり、
楽しんで貰ったりすることです。

 

ですから、
万が一の場合には、
きちんとフォローしてあげることが、
何より大切だと、私は思います。

 

余興の内容が、
あらかじめわかっている場合には、
新郎新婦で、
密かに合図などを決めておくと、
安心かもしれません…。

結婚式は仲直りのチャンス?

結婚式は、
新郎新婦にとって、
新たなスタートの日。

 

でも、
ただそれだけではありません。

 

疎遠になっていた友人と再会し、
また仲の良いお付き合いが復活したり、
仲の良い人とは、更に仲良しになったり…

 

そんな人間関係の潤滑油にも、
なってくれることがあるようです。

 

そして…

 

こんなケースもありました。

 

 

新婦、麻里子さん(仮名)は、
二人姉妹のお姉さん。

 

妹さんは、1つ年下です。

 

二人は小さい頃から、
それはもう仲が良く、
何をするのも、どこへ行くのも、
いつも一緒でした。

 

悩み事は何でも相談し合い、
隠し事もありませんでした。

 

しかし…

 

麻里子さんが21歳の時から、
二人は一度も口をきいていません。

 

原因は、妹さんの恋人。

 

妹さんから話を聞き、
実際にその恋人とも会い、
麻里子さんは、
どうしても賛成できない相手だと、
感じたのだそうです。

 

ご両親も、
交際に大反対でした。

 

妹さんは、
「お姉ちゃんなら賛成してくれるはず」
「お姉ちゃんなら協力してくれるはず」

そう思っていただけに、
かなりのショックを受けました。

 

二人は連日、
大ゲンカを繰り返しました。

 

そしてやがて、

同じ屋根の下にいながらも、
目さえ合わせなくなってしまいました。

 

あれから10年…

 

結婚のことも、
直接伝えることはしませんでした。

 

もしかしたら、

結婚式に出席してくれないかも…
そう思っていました。

 

   ♡

 

麻里子さんは結婚式の準備中、
昔のアルバムを開きました。

 

目に飛び込んできたのは、

妹さんと一緒の写真。

数え切れない程たくさんありました。

 

アルバムの中の二人は、
いつも楽しそうに笑っていました。

 

そういえば、
親戚の結婚式に出席した時、
二人で花嫁さんに憧れたっけ。

 

「どんな人と結婚するのかな?」
「パパみたいな人がいいよね」

 

そんなことも話した記憶が…。

 

懐かしさと、
仲直りできなかった後悔…

 

毎晩アルバムを開いては、
涙していました。

 

   ♡

 

そんなある日、
仕事から帰ると、
机の上に置いたアルバムの横に、
見覚えのない箱がありました。

 

蓋をあけると…

 

そこには、
麻里子さんも妹さんも大好きな、
ディズニーの音楽CDが入っていました。

 

そして…

 

タキシードとウエディングドレスを着た、
ミッキー&ミニーのぬいぐるみが、
添えられていたのです。

 

その衣装は、
妹さんの手縫いだと、
お母様がこっそり教えてくれました。

 

   ♡

 

披露宴当日、
新婦のお色直しの際、
妹さんが会場前方に案内されました。

 

そこには、椅子が2つ。

 

会場係に促され、

戸惑いながらも、

その椅子に座る妹さん。

 

花嫁である麻里子さんも、
並んで座りました。

 

その瞬間、
会場が暗くなり、
ディズニーの曲がかかりました。

 

スクリーンには、
姉妹の思い出の写真が、
写し出されていきます。

 

そして…

 

その映像に乗せて、
新婦、麻里子さんの声が、
聞こえてきました。

 

あらかじめ録音された、
妹さん宛の、

お手紙の朗読でした。

 

当日はきっと読めないから…と。

 

そして上映のあと、

姉の手から妹の手に、

ブーケが渡されました。

 

幸せになって欲しい。

それは喧嘩をしたあの時も、
そして今も、
大切な妹への変わらぬ想いでした。

 

メインテーブルに飾られた、

ミッキー&ミニーのぬいぐるみも、

二人の姉妹を、

見守ってくれているようでした。

 

   ♡

 

心で想っていても、
口に出せないこともあります。

 

手紙で想いを伝えることも、
普段はなかなかできないもの。

 

だからこそ、
結婚式・披露宴の日は、
チャンスであるとも言えるでしょう。

 

日頃は伝えることができなかった、
大切な人へのあなたの想い、
思いっきって、
伝えてみてはいかがでしょうか。

 

 

※本文中の内容は、

  事実に基づくフィクションです。

少人数披露宴の難しさ

出席者は親族だけ…など、
ごく少人数での披露宴も、
近年人気となっています。

 

新郎新婦が、ご両家ご両親と共に、
親族のお宅一軒一軒を回って、
直接ご挨拶するには無理がある。

 

かといって、
ハガキ一枚だけで、
結婚のご挨拶を済ませるのも、
なんとなく申し訳ない気がする。

 

しかし、
会社の上司や同僚、
大勢の友人たちを招いた、
本格的な披露宴までは、
おこなうつもりがない。

 

そうなると…

 

「お食事会のような披露宴」
ということになるようです。

 

少人数制のご披露宴、
出席者に楽しんでいただくことは、
できるのでしょうか?

 

 

少ない人数だから、
何もしなくても、
自然と
温かで楽しい披露宴になる、

そう思っている人…

 

ちょっと待って!

 

実は、
小規模であればあるほど難しい、
とも言えるのです。

 

どういうこと?

 

少人数の場合、
・新郎新婦と出席者との距離が近い、
・ゆっくりと過ごすことができる
という利点があります。

 

だからこそ…

 

細かいところまで、
お客様の目が届く、

ということになります。

 

つまり?

 

・ごまかしがきかない
・ボロが出やすい

ということなのです。

 

例えば?

 

スピーチやら、
余興やら、
イベントいっぱいのご披露宴であれば、
気持ちも、行動も、
分散することになります。

 

しかし、
2時間〜2時間半、
なんの余興もなしに、
ただ黙々と食事をしていると…

 

・盛り上がりがない
・退屈
・お料理がイマイチ

 

など、
色々なことが、
気になってしまうのです。

 

でも、
一人ひとりと、
直接ゆっくり話ができるし…

 

その通り!
それはとても嬉しいことです。

 

しかし、
歓談をしている相手以外の人は、
その時間、

どのように過ごすのでしょうか?

 

仮に、

20名の出席者だったとしましょう。

 

一人5分間、個人的に話をしたとして、

5分間✖️20名=100分間

 

100分間のうち、

自分と話しているのは5分間です。

 

つまり、

残りの95分間は、

新郎新婦が自分以外の人と話している

ということになるのです。

 

その95分の間、

ただひたすら食事をしている、

時間を持て余してしまう人もいる、
ということにもなりかねません。

 

つまり、
新郎新婦は、
開宴からお開きまで、
ずーっと楽しい時間を過ごせても、
出席者全員が同じ気持ちだとは、
必ずしも言い切れないということです。

 

しかし、逆もまた真なり。

 

何もない披露宴であっても、
全員が楽しく過ごせる場合もあります。

 

それは、
・地域性
・出席者の人柄
・飲酒の有無
などが、
大きく影響しているように思われます。

 

だからこそ、
・披露宴の雰囲気作り
・進行の組み立て
これはとても難しいものなのです。

 

   ♡

 

披露宴の規模が、
大きかろうと小さかろうと、
自然と上手くいく…
というのは稀なこと。

 

何もしないならしないなりに、
その中でお客様がどう感じるのか、
どのように過ごしてもらえるかは、
きちんと想像しておく必要があります。

 

どうか、
新郎新婦のみならず、
ご出席の皆様にとって、
心地よいひとときとなりますように。

 

 

※本文中の内容は、
  個人的な意見であることを、
  ご理解・ご了承ください。

披露宴会場で、新婦ヘアチェンジ?

披露宴に一つくらいは、

サプライズ演出を取り入れたい、
そうお考えの新郎新婦も、
大勢いらっしゃることと思います。

 

昔、新婦のお色直しは、
ご媒酌人の奥様と共に、
お進みになるのが一般的でした。

 

ですから、
当時お母様とお進みになるのは珍しく、
それこそ、サプライズだったのです。

 

しかし、
今はご媒酌人無しの披露宴がほとんどで、
お母様とのお色直し退席も、
珍しくなくなってしまいました。

 

むしろ、

そういうものだと、

当たり前のように思っている人の方が、

多いかも知れません。

 

このように、
時代の移り変わりとともに、

サプライズ感が薄くなってしまったものも、
少なくありません。

 

ですから、
サプライズ演出を取り入れるといっても、
みんながアッ!と驚くようなことが、
なかなか見つけにくいことでしょう。

 

そんな中、
きっと誰も見たことがないような、
サプライズをおこなった人がいます。

 

一体、
どんな演出だったのでしょうか?

 

 

それは、
新婦のヘアチェンジでした。

 

それも、
披露宴会場の中でおこなわれました。

 

担当したのは…

 

新郎だったのです。

 

この新郎は、

有名なコンテストでも受賞経験のある、
素晴らしい実績をお持ちの方でした。

 

新婦は、
新郎が経営するヘアサロンの、
スタッフでした。

 

披露宴は出席者に楽しんでいただきたい、
それが、
新郎新婦、唯一の願いでした。

 

それを前提に、
新郎新婦から、
お客様へのサプライズを計画したのです。

 

最初は、
出席者の髪をカットしてあげることを、
検討していました。

 

しかし、
カットモデルに指名された方も、
喜ぶとは限らない。

 

また、

お食事をしている席でもあるし、
「切る」という行為も、
結婚式にはふさわしくないだろう。

 

そんな配慮から、
ボツになりました。

 

そして、
浮上したのが、
ヘアチェンジだったのです。

 

実は、
最初の髪をセットしたのも新郎でした。

 

最初の髪型と、
ヘアチェンジ後が、
なるべく大きく変化した方が、
より楽しんでいただけるのではと、
両方担当することに決めたのだそうです。

 

仕事の後、
新郎のヘアサロンで、
毎晩のように試行錯誤を重ねました。

 

飽きない程度の時間、
デザインのオリジナル性、
楽しさや華やかさ…

 

しっかりと準備をした上で、
当日を迎えました。

 

   ♡

 

高砂席の隣に、
ミニステージが設置されました。

 

出席者がお席でも楽しめるようにと、
ビデオでの同時上映もおこないました。

 

男性は、
女性の髪をセットしているところなど、
あまり目にする機会がありません。

 

女性も、
一流の美容師によるセットには、
興味があります。

 

全員が、
食事をするのも忘れ、
新郎新婦に注目していました。

 

小さい子どもたちは、
自然と舞台の前に集まってきて、
その一部始終を、
静かにじっと見つめていました。

 

清楚な雰囲気から、
華やかで奇抜なデザインに…

 

「美容師とモデル」が、
「新郎と新婦」という、
最高のペアでおこなわれたパフォーマンス。

 

しばらく拍手が鳴り止まなかったのは、
いうまでもありません。

 

   ♡

 

小さな子どもから、ご年配の方まで、
全員に楽しんでもらいたい、
そんな想いで企画したサプライズ。

 

ご出席の皆様にとっても、
新郎新婦にとっても、
いつまでも忘れられない、
素敵なワンシーンになったことでしょう。

 

ご両家のご両親ともに、
ハンカチで目頭を押さえていたのも、
とても印象的でした。

 

   ♡

 

新郎新婦の自己満足ではなく、
出席者のことを思ってのサプライズ、
とっても素敵だな…と、
心から感じることができました。

 

全員が楽しめるサプライズ、
あなたなら、
何を思いつくのでしょうか?

 

 

※本文中の内容は、
  事実に基づくフィクションです。
  なお、
  この企画が実現できたのは、
  披露宴会場となったホテルの、
  温かなご理解とご尽力のお陰であることを、
  付け加えさせていただきます。

新婦の母、結婚に反対?

新郎のことが、

気に入らないわけじゃない。

 

結婚に、
反対しているわけでもない。

 

でも、
何故か意固地になってしまう。

 

そんな母親の頑な心を、
解きほぐす方法は、

コレしかありませんでした。

 

 

司会打合せに、

ご両親が同席される方も、
珍しくありません。

 

新郎新婦のことが心配なので、

側で見守りたい。

 

披露宴のことを、
事前に把握しておきたい。

 

大歓迎です。

 

しかし、

全てが良い雰囲気で、
打ち合わせ出来るかといったら、
決してそうではないのも事実です。

 

なんとなく漂ってくる、
不和の香り…。

 

   ♡

 

あるご披露宴の打ち合わせ。

ご両家ともにご両親が、
同席されました。

 

そして、
新婦側のお母様だけが、
全てのことに対し、
事細かに意見を出されました。

 

それはそれで、
行き違いなどを防ぐ意味でも、
とても有り難いことではあります。

 

しかし、
とても困ったことが起こりました。

 

それは、
披露宴のクライマックスシーン、
「両親への花束贈呈」に、
話が及んだ時のことでした。

 

新婦のお母様は…

 

「うちは花束なんかいりません!」

 

「やりたいなら、どうぞご自由に!」

 

「うちはいらないので、
 そちらだけでやってください!」

 

「手紙?
 そんなものは必要ありません!」

 

取り付く島もありません。

 

新婦よ、
どうして黙っているのだ…?

 

非常に困りました。

両家の間に、
どのような事情があるのか、
一切わかりません。

 

というか、
お聞きできませんし…。

 

いくら何でも、
「花束贈呈は新郎側だけ」
という訳にはいきません。

 

結局、
「花束贈呈は両家とも無し」
という形で打ち合わせを終えました。

 

しかし、
どうにも釈然としません。

 

   ♡

 

その夜、
新婦に電話をかけました。

 

多くは語ってくださいませんでしたが、
結婚に反対している訳でも、
新郎のことが気に入らない訳でも、
なさそうなのです。

 

新郎も新婦も、
「花束贈呈」はおこないたい、
それが本心だということがわかりました。

 

「やりましょう!」

そう申し上げました。

 

「でも…」

 

躊躇する新婦を何とか説得し、
準備を進めることにしました。

 

   ♡

 

当日、
お嬢様の花嫁姿を見ても、
お母様は、相変わらずでした。

 

開宴して間も無く、
カメラマンさんから、
「ちょっと…」と、呼ばれました。

 

会場の外に出るといきなり、
「新婦のお母様、何かあった?」
と、聞かれました。

 

「どうしたのですか?」
と尋ねると…

 

「撮影を頼んだのは新郎側だから、
 新婦側は絶対に撮らないで!」
そう言われたとのこと。

 

さらに、席次表を見せて、
「ここは新婦側の席なので、
 このラインからこっちには、
 入ってこないで!」と、

ご丁寧な説明を受けたのだとか。

 

新郎側のお客様だけを撮るにしても、
このラインから入るなと言われたら、
撮影自体ができない…と、
カメラマンさんも、かなり困っていました。

 

それに、
出来上がったビデオや写真の中に、
新婦側のものが1枚もなかったら、
きっと又それはそれで、
クレームになりかねないと、
心配しています。

 

キャプテンとも協議の結果、
だましだまし撮る、
怒られたら、
「あっ、すみません」と、
とぼけつつ撮る、
そうすることに決め、
カメラマンさんには、
多大なるご尽力をいただきました。

 

ビデオ・写真撮影の件では、
「こっちに、はみ出している」と、
ビデオのコードを蹴飛ばされたり、
何度も怒られたりしたようですが、
それでも何とか、
披露宴は滞りなく進行していきました。

 

   ♡

 

そしていよいよ花束贈呈シーン。

 

花束贈呈のアナウンスを入れたら、
きっとお母様は席をお立ちくださらない、
そう予測し、
花束贈呈の件には触れず、
ご両家ご両親には、

ごく普通の雰囲気で、
会場の後ろにお並びいただきました。

 

新郎新婦も、
ごく普通に高砂席を降りました。

 

打ち合わせでは、
そのままご両親の元へ進み、
謝辞につなげるという段取りです。

 

しかし…

 

   ♡

 

会場が暗くなり、
BGMがかかり、
新婦が手紙を読み始めたのです。

 

突然の出来事に、
お母様は抵抗することもできず、
ただただ新婦を見つめていました。

 

そしてほどなく、
お母様の目からは、
ポロポロと涙が溢れ出したのです。

 

産んでくれたこと、
育ててくれたこと、
結婚を認めてくれたことへの、
感謝の気持ち…。

 

お父さん・お母さんのことが、
大好きだという気持ち…。

 

これから精一杯、
親孝行をしていきたいという気持ち…。

 

とても短いお手紙でしたが、
少ない言葉の中に、
新婦の想いが、
ぎっしりと詰まっていました。

 

花束…

 

受け取ってくださいました。

 

そしてその時、
お母様の口が、
「おめでとう」と、
動いたように見えました。

 

   ♡

 

お開き後のお母様は、
まるで憑き物が落ちたかのように、
柔らかく優しい笑顔を、
見せてくれました。

 

お母様はきっと、
お寂しかったのでしょう。

 

その寂しさを、
悟られないようにと、
虚勢を張っていたのかもしれません。

 

ちょっと強引ではありましたが、
花嫁の手紙も、
花束贈呈も、
無事おこなうことができました。

 

新婦の想いを、
お母様に受けとめていただくことができ、
本当に良かったと思います。

 

   ♡

 

一生に一度の大切な日、
やり直すことはできません。

 

ですから、
あなたの想いは、
ちゃんとその日に伝えて欲しい…
そう私は思います。

 

「やらないで…」
そうおっしゃっているご両親も、
もしかしたら心の中では、
あなたのお手紙を、
待っているかもしれません…。

結婚式とマイクロバス

最近は新幹線も飛行機も便利になり、
地方から都心へ、
都心から地方へと、
移動時間がかなり短縮されました。

 

結婚式にも、
遠方から出席しやすくなった、
そう言えるでしょう。

 

しかし、
飛行機の発着空港や、
新幹線の発着駅から、
自宅までの距離が近いとは限らず、
その場合には、
親族一同、友人一同、
結婚式場までマイクロバスを利用する、
そんなケースもまだまだ多いようです。

 

とても便利なマイクロバス、
しかしその一方で、
こんなリスクもあります。

 

そのリスクとは?

 

【体調不良】

 

長距離の場合、
当然のことながら、
バスの中で過ごす時間も、
とても長くなります。

 

結婚式の時間によっては、
前の晩に出発しなくてはならない、
そんなケースもあります。

 

乗り物に弱い人のみならず、
長時間のバス移動は、
思っている以上に、
体への負担が大きいようです。

 

そして、
もしも礼服で乗り込んでしまったら、
バスの中で過ごす時間は、
かなり窮屈なものとなってしまうでしょう。

 

その結果、
車酔いや疲労が起こってしまうのです。

 

式場に到着した時には、
みんなフラフラ。

 

挙式も披露宴も、
頭がボーッとしてしまい、
何だかよく覚えていない、
そんな人まで出てしまうことも。

 

【バス内の居心地が悪い】

 

親族だけ、友人だけ、
そのような気心の知れた人だけの場合は、
もしかしたら遠足の時みたいに、
物凄く楽しめたりするかもしれません。

 

実際、
バスの中から大盛り上がり…
そんな話も耳にします。

 

しかし、
親族の中に友人ひとり…とか、
小・中学校時代の友人たちの中に、
高校時代の友人がひとり…など、

親しい人たちのグループに、
ポツンと一人入れられてしまったら、

どう感じるでしょうか。

 

その人の性格などにもよりますが、
嫌だな…と思う人もいるでしょう。

 

更に時間が長ければ、
苦痛になってしまう可能性もあります。

 

【到着してから居場所がない】

 

余裕を持って出発するため、
過剰に早く到着してしまう、

 

そんな場合があります。

着替えをしたり、
身支度を整えた後、
どこで待っていたら良いのか…。

 

控え室が用意されていれば、
問題はないでしょう。

 

館内にレストランがあれば、
くつろいでお待ちになれるでしょう。

 

しかし、
早い時間ともなれば、
控え室もまだ開かない、

レストランも営業時間前、

ロビーに全員分の椅子はない、
近隣のお店も開いていない…

 

疲れに疲れが重なって、
お客様をイライラさせてしまう、
そんな可能性があります。

 

また、
親族の中には、
高齢の方もいらっしゃるため、
体調のことは本当に心配です。

 

【到着が大幅に遅れる】

 

「来ない!!!」

 

大騒ぎになることもあります。

 

春の行楽シーズン、
ゴールデンウイーク、
秋の紅葉シーズン、
台風
大雪…etc

 

季節によっても、
気象条件によっても、
交通事情に影響が出るものです。

 

マイクロバス会社やドライバーさんは、
もちろんプロですから、
そのあたりは、きっちり調べた上で、
運行計画を立ててくれます。

 

しかし、
予想以上に…ということも、
ないとは言えません。

 

特に、
交通事故による渋滞や、
台風や雪などによる気象の影響は、
推し量れない場合もあります。

 

多少の遅れであれば、
大きな問題になりませんが、
大幅に遅れると、
大変なことになってしまいます。

 

実際に、
私が担当したご宴席でも、
大幅な遅れがありました。

 

新郎側の親族一同が乗ったバスが、
挙式の時間が過ぎても到着しない。

親族だけならまだしも、

 

バスには、
新郎のご両親も同乗していたため、
挙式も執りおこなうことができない。

 

結局、到着を待って、
挙式も披露宴も、
2時間遅れ
で、おこなわれました。

 

新郎新婦の勤務先社長をはじめ、
全てのお客様を、
2時間も待たせてしまいました。

 

それでもこの日は、たまたま、
後のご宴席が入っていなかったから、
まだ良かったようなもの。

 

そうでなければ、
その日に披露宴は、
できなかったかもしれません。

 

   ♡

 

マイクロバスは、
大勢が一緒に移動できるため、
とても便利です。

 

また、
飛行機や新幹線を利用するより、
お値段もお安いかもしれません。

 

しかし、
マイクロバスでお越しになる人への、
細やかな心配りも、
ぜひ忘れないで欲しい…。

 

そして、
万が一の場合があることも、
頭に入れておいていただければ…と、
思います。

 

結婚式・披露宴が、
滞りなく執りおこなわれますよう、
心から願っております。

 

 

※マイクロバスの運行に関しては、
  必ずバス会社にお問い合わせください。
  なお、
  本文中の内容は、
  マイクロバスを否定するものでは、
  決してありませんので、
  誤解なきよう、お願いいたします。

披露宴のスピーチ、依頼した?

披露宴のスピーチ、

なかなかお願いしにくい…
そう思う人も多いと思います。

 

しかし、
やっていただくのであれば、
きちんとお願いすべきだと思うのです。

 

スピーチが得意、
スピーチが大好き、
そんな人ばかりではありません。

 

そして、
スピーチをするからには、
ある程度の準備が必要でしょう。

 

その依頼の仕方で、
果たして本当にスピーチは、
していただけるのでしょうか?

 

「スピーチをしなくて良ければ出席する」
そんな人も多いものです。

 

お祝いの気持ちがないからではありません。

 

緊張する、
人前で話すのが苦手、
何を話して良いかわからない、
大方そのような理由でしょう。

 

また、
喜んでスピーチをしてくださる人でも、
すぐその場で対応できるタイプばかりでなく、
時間をかけて原稿を作りたいという人も、
大勢いらっしゃいます。

 

特に披露宴では、
使ってはいけない言葉、

「忌み言葉」があるため、
準備をしっかりされる人が、
多いのではないでしょうか。

 

新郎新婦ご本人たちには、
何事もなく進行しているように思えても、
実は見えないところでは、
お客様と司会者で、
かなり大変な擦り合わせを、

おこなっていることも少なくありません。

 

1「聞いていない!」

 

一番多いのは、このケースです。

 

進行の打ち合わせ時に、
「ご本人にお願いされましたか?」
そうお尋ねすると、
ほとんどの方が、
「はい」とお答えになります。

 

ですから安心していると、
当日ご本人に確認した際、
「そんな話は聞いていない」
そう言われてしまうことが、
本当に多いのです。

 

原因はいくつも考えられますが、
招待状の中に、
スピーチ依頼の紙を入れただけ、
という人が多いこと。

 

封筒の中に入ったまま、
気がつかないこともあります。

 

どうせ会場案内や、
説明書のようなものなのだろう、
そう思って、
読まない人もいます。

 

正式な依頼がないと、
「頼まれた」とは、
認識できないのかもしれません。

 

2「忘れていた」

 

「ああそういえば、
 お願いされていたかも」

 

何と無責任な…

 

そう思うこともありますが、
お話を伺うと、
お客様だけに責任があるとは、
言い難いケースもあるのです。

 

原因は、
1番と同じように、
招待状の中に、
スピーチ依頼の紙を入れただけ、
という場合があります。

 

招待状が届いてから、
披露宴当日までには、
かなりの日数があります。

 

その時には承知していても、
まだ先だから…
そう思っているうちに、
忘れてしまうこともあるでしょう。

 

また、
直接お願いしたとしても、
会社で忙しい時にお願いしてしまった、
飲み会の際に、ノリでお願いした、
そのような場合には、
頼まれたという確かな実感が、

わかなかったのかもしれません。

 

3「やりたくない」

 

「依頼はされたけど、
 やりたくない」

 

これはお客様に責任があります。

やりたくない、できない、
それなら、
一日でも早く断っていただければ、
前もって他の人に依頼もできたでしょう。

 

本当に上司?
本当に仲の良い友だち?と、
疑いたくなるようなお客様も、
中にはいらっしゃるものです。

 

ただし、
100%お客様が悪いかというと、
そうとも言い切れません。

 

そのような可能性のある人に、
依頼してしまった新郎新婦にも、
ちょっぴりミスがあったと、
言わざるを得ません。

 

4「頼んでいなかった」

 

「頼むのを忘れていた」
という場合もあります。

 

しかし、
「あえて頼むことはしなかった」
というケースも珍しくありません。

 

前もってお願いすれば、
断られてしまうかもしれないけれど、
当日の指名であれば、
やらざるを得ないだろう。

 

自分が直接お願いしたくないので、

当日になれば、

司会者が何とかしてくれるだろう。

 

そんな風に考えているようです。

 

   ♡

 

頼んでいなくても、
頼まれたことを忘れていても、
スピーチさえしていただければ、
滞りなく進行することはできます。

 

しかし、
お客様の心の中はどうでしょう。

 

「礼儀を知らない」
新郎新婦の人格を疑われることも、
無きにしも非ず。

 

「恥をかかされた」
そうお怒りになる方もいます。

 

スピーチの中で、
「頼まれていない」
「今初めて聞いた」
という話を長々となさる方もいます。

 

「だから新郎はダメなんだ…」とか…

「一事が万事、

 いつもこんなことばかりで…」とか…

嫌味とも、人格批判とも取れるような、
おおよそ結婚の場にはふさわしくない、
残念なスピーチに発展してしまうことも、
実際にあるのです。

 

また、
断固として、了承いただけないケースも、
多々あることを忘れないでください。

 

   ♡

 

スピーチ依頼の行き違いから、
その後のお付き合いに、
不具合が生じてしまうことだって、
無いとは言えません。

 

スピーチを依頼するくらいですから、
お世話になった方や、
特に親しい友人など、
相手は特別な方だと思われます。

 

これから先も、
良きお付き合いを続けていけるよう、
細やかな心配りが必要です。

 

   ♡

 

大切なのは、
もし自分だったら…
そう考えること。

 

自分が困ると思うこと、
自分が嫌だと思うことはしない。

 

こんな風に依頼されたら、
快くスピーチを引き受けてあげたい、
そうご自身が思う方法が、
一番良い依頼の仕方ではないかと、

私は思います。

 

 

※本文中の内容は、
  私個人の意見であり、
  人によって異なる可能性もありますこと、
  ご理解・ご了承ください。