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出逢いは雑踏の中に?

人と人との出逢いには、

さまざまな出逢い方があります。

 

まさかこんな所に…というご縁も、

少なくありません。

 

そう、

あなたが道で見かけたあの人が、

もしかしたら運命の人かもしれないのです。

 

 

フランス大好き、

フランス人大好き、
フランスのファッション大好き…。

 

咲子さん(仮名)は、
ただそんなミーハー的な理由だけで、
フランスの大学に留学しました。

 

それでも、
フランスは咲子さんを裏切らなかった。

 

憧れのフランスで、

想像していた通りの、
楽しく充実した日々を過ごしていました。

 

そんな咲子さんは、

大学の夏休みを利用し、

日本に1週間ほど帰国しました。

 

実家での生活を満喫した咲子さんは、

フランスに戻る前日、急に思い立って、
新宿で開催されていたフリーマーケットに、
一人で行ってみることにしたのです。

 

そこはたくさんの来場者で、
溢れかえっていました。

 

その人混みの中、咲子さんは、
フランスの大スターを発見したのです。

 

いえ、正確には、
フランスの大スターにそっくりの男性でした。

 

咲子さんは、
身体中に電気が走ったような衝撃を覚え、
まるで金縛りにあったかのように、
その場から動けなくなってしまいました。

 

   ♡

 

「どうかしましたか?」
彼はフランス語で話しかけてきました。

 

「あまりに素敵で見とれていた…」
そんなこと言えるわけもなく、
「あっ、ごめんなさい。
 友人によく似ていたもので…」と、
咄嗟にそうごまかしました。

 

フランス語で応答した咲子さんに、
ちょっと驚いたような嬉しいような、
そんな表情を見せた彼は、
「似ているって、
 フランス人のお友達がいるのですか?」
そう聞いてきたのです。

 

咲子さんは、
フランスに留学していること、
今は夏休み中で一時帰国していることを、
緊張しながらも彼に話しました。

 

彼も自分のことを話してくれました。

 

ジャーナリストであること、
フランスに在住していること、
日本には仕事で来たこと、
生まれて初めて日本に来たこと…。

 

そして偶然にも、
彼の住まいと、咲子さんが通う大学は、
同じエリアだったのです。

 

連絡先を交わした二人は、
次回フランスで会うことを約束しました。

 

   ♡

 

フランスで再会した二人は、
その日から交際が始まりました。

 

二人が結婚したのは、

それからちょうど2年後のことでした。

 

   ♡

 

二人が出逢ったのは、
フランスではなく日本であったこと。

 

その日本に、
咲子さんは1週間、
彼はわずか3日間の滞在だったこと。

 

さらに彼は初めての来日だったこと。

 

都心のフリーマーケットという、
異常なほどの人混みの中で、
たった一人の人に目が止まったこと。

 

フランスでの生活エリアが、
二人とも同じであったこと。

 

彼が独身で、恋人もいなかったこと…。

 

もう出来過ぎた話としか思えません。

 

 

   ♡

 

咲子さんがもし日本の大学生だったら、
咲子さんがもしフランス語を話せなかったら、

彼とたとえ出逢ったとしても、
交際・結婚には、
至らなかった可能性の方が、
高かったと言えるのではないでしょうか。

 

フランスに住んでいたからこそ、
愛を育むことができたと考えると、
咲子さんがフランス留学を決意したところから、
二人が出逢うための準備が、
着々と進んでいたのかもしれません。

 

   ♡

 

ただ道でばったり会った人、
もしかしたらその人が、
あなたの運命の人かもしれません。

 

ほんのわずかなご縁でも、

人生を左右する大切なご縁という可能性も

無きにしも非ず。

 

恋愛や結婚に限らず、

ご縁は大切にしたいものです。

 

ただし、

警戒心と節度もお忘れなく…。

 

 

※本文中の内容は、

  事実に基づくフィクションです。

計画的、恋愛結婚?

自分で決めたはずのことが、
実は計画されたことだった。

 

自分で選んだ人が、
実は親に選ばれた人だった。

 

あなたにはそんな経験、
ありませんか?

 

 

金曜、夜11時、
遊里子さん(仮名)の電話が鳴りました。

 

またか…

 

案の定、
電話は母親からのものでした。

 

遊里子さんのお母さんは、
バリバリのキャリアウーマン。

 

そんな母を尊敬し、
「私もお母さんみたいになりたい」と、
働きながら資格取得の勉強に励んでいました。

 

そんな遊里子さんですから、
金曜日の夜でも家にいることがほとんど。

 

つまり、
恋人がいるわけでもなく、
同僚や友人と飲みに行くわけでもない、
ということです。

 

母親もそれをよく知っているからこそ、
電話をかけてくるのです。

 

要件は決まっていました。

「遊里子ごめんね。
 迎えに来て。お願い」

 

いちいち呼び出さなくても、
バスかタクシーで帰って来ればいいのに…

 

そう思ってはいたものの、
結局いつも迎えに行っていました。

 

   ♡

 

そんなある日、
金曜、夜11時ではなく、
金曜、夜9時に、電話が鳴りました。

 

時間は違いましたが、
要件は一緒でした。

 

迎えに来て…と。

 

しかし、迎えに行くと、
「これからカラオケに行くから、
 遊里子も一緒に行こうよ〜」
そう言われました。

 

メンバーは、
お母さんの同僚や部下たちです。

 

迎えに行くたびに会っているため、
顔くらいは知っていますが、
だからと言ってカラオケに同行するほど、
親しいわけではありません。

 

はっきり言って、
行きたくありません。

 

一緒に行く理由もありません。

 

「一旦帰って、
 また迎えにくるの大変でしょ?
 だったら、一緒に行こうよ〜」
無茶苦茶な理由です。

 

まあでも、お母さんの言う通り、
一旦帰ってからまた来るのも面倒くさいし、
断るのもみんなに失礼かと思い、
仕方なく同行することにしました。

 

   ♡

 

みんなが気を遣ってくれたこともあり、

遊里子さんは一人部外者でありながら、
疎外感に包まれることもなく、
そこそこ楽しく過ごすことはできました。

 

しかし、帰りの車の中で、
「もう、二度とイヤだからね。
 絶対にもう行かないからね。
 こんなことするなら、
 迎えにも行かないからね!」
そう、強く抗議した遊里子さんでした。

 

   ♡

 

そんなことがあったためか、
ここ1ヶ月ほど、金曜の夜でも、
お母さんは飲みに行ったりせず、
バスで早めに帰宅するようになりました。

 

遊里子さんも、
勉強に集中できるようになりました。

 

でもそれは、
嵐の前の静けさだったのです。

 

   ♡

 

「今度の土曜日、
 会社の人たちが家に来るから」

突然、お母さんが言い出したのです。

 

ご近所の人や友人が家に来るのは、
そう珍しいことではありませんでしたが、
会社の人を家に招くことなど、
これまで一度もありませんでした。

 

別に反対する理由はありませんでしたが、
「来るのはいいけど、
 私は参加しないからね」
一応そう念押ししておきました。

 

しかし…

 

実際には、
そういうわけにもいきませんでした。

 

   ♡

 

その日をきっかけに、
月に1度ほどの頻度で、
会社の人たちが訪れるようになりました。

 

遊里子さんも、
だんだんみんなと仲良くなり、
お父さんも楽しそうに過ごしていました。

 

   ♡

 

そんなある日、メンバーの一人から
「チケットを貰ったのだけど、
 よかったら一緒に行かない?」と、
映画に誘われました。

 

ちょうど観たいと思っていた映画でした。

 

お母さんの方を見ると、
「いいじゃない、
 せっかくだから行ってくれば?」
そう言われました。

 

誘ってくれた相手は男性でしたが、
お母さんの部下であり、
心配なことは何もないだろうと、
お誘いを受けることに決めました。

 

   ♡

 

そして当日。

 

映画を観て…
食事をして…

 

次の約束まで交わして…

 

遊里子さんと彼との、
お付き合いが始まりました。

 

   ♡

 

実は、
全てがお母さんの計画通りでした。

 

振り返れば、
金曜夜のお迎えとともに、
このストーリーは始まっていたのです。

 

仕事も優秀で、
人柄も良い彼を、
上司であるお母さんがとても気に入り、
「彼と娘を結婚させたい!」
そう思ったのだそうです。

 

もちろん遊里子さんも彼も、

そんなことは全く知りませんでした。

 

顔見知り程度から始めて、
カラオケ、
ホームパーティーと、
徐々に親しくなっていけば、
彼と娘は自然と結ばれるだろう、
そうお母さんは考えたのです。

 

お父さんはそのことを知っていました。

 

家に招いたのも、
お父さんに彼を見て貰うチャンスを、
作りたかったという理由もありました。

 

あの時お父さんが嬉しそうにしていたのは、
お父さんもまた、
彼のことを気に入ったからだったのです。

 

   ♡

 

遊里子さんと彼がこのことを知ったのは、
結婚式の3ヶ月前のことでした。

 

   ♡

 

「お見合い」のような形を取らなかったのは、
お母さんと彼が、
上司・部下の関係だったからです。

 

どちらかが気に入らないという可能性も、

無いとは言えないため、
その場合、部下に気まずい思いを、
させてはいけないという思いやりでした。

 

自然と二人が恋愛できる環境だけを作り、
あとは二人の気持ちに任せるという手法、
あなたは、どのように感じましたか?

 

もしかしたらあなたの人生も、
あなたを想う誰かの計画に、
導かれているかもしれません…。

 

 

※本文中の内容は、

  事実に基づくフィクションです。

 

サムシングフォー

結婚式で花嫁が身につけると、
幸せになれるというサムシングフォー

 

あなたなら、
何を取り入れますか?

 

 

サムシングブルーは知ってるけど、
あと3つは何?

 

そんな人も多いようです。

 

サムシングフォーとは?

 

1.サムシングブルー
 Something Blue
 (何か青いもの)

 

2.サムシングニュー
 Something New
 (何か新しいもの)

 

3.サムシングオールド
 Something Old
 (何か古いもの)

 

4.サムシングボロー
 Something Borrowed
 (何か借りたもの)

 

上記4つの何か(サムシング)を、
サムシングフォーと言います。

 

幸せになれるなら、
ぜひ取り入れたいものです。

 

4つ全ては無理だけど、
せめて1つくらいは…
そう思っている人も多いようです。

 

   ♡

 

一人っ子の涼子さん(仮名)は、

ご両親の溢れるばかりの愛情に包まれ、

何一つ不自由なく育てられました。

 

そんな涼子さんが結婚を決めたのは、
短大を卒業して間もない21歳の時。

 

彼は5つ年上で、

とても優しく誠実な人です。

 

しかし、
ご両親は結婚に大反対でした。

 

   ♡

 

何でわかってくれないの?

 

何で結婚を認めてくれないの?

 

絶対に喜んでくれると思ったのに…。

 

悔しくて、悲しくて…

 

あんなに幸せだった気持ちが、

一転してしまいました。

 

彼と一緒にいても、
もう華やいだ気持ちにはなれません。

 

そんな涼子さんの想いを察して、
彼はこう言ってくれました。

 

「ご両親の気持ち、よくわかるよ。

 

 涼子はまだ社会人になって1年目だし、

 世間のことを何も知らない。

 

 心配して当然だと思うよ。

 

 俺は涼子のことが大好きだし、
 この気持ちはずっと変わらない。

 

 だから、結婚を急がなくても、
 いいんじゃないかな?

 

 反対を押し切って結婚したとしても、
 涼子は心から幸せだと思えないでしょ?

 

 ご両親にいつか認めて貰えるよう、
 一緒に頑張っていこうよ」と。

 

考えてみれば、
結婚は反対されていても、
彼との交際を反対されていたわけでは
ありませんでした。

 

涼子さんは彼の言葉を素直に聞き入れ、
時が来るのを待とうと決めました。

 

   ♡

 

それから2年程が経ったある日、

会社から帰ると、
机の上に手紙と指輪が置かれていました。

 

お母様からのものでした。

 

お手紙には…

 

まだ成人したばかりの娘から、

結婚したいと言われた時の、
複雑な胸の内…

 

結婚を反対されながらも、

ここまで頑張ってきた二人を、
褒めてあげたいということ…

 

娘の幸せを、
何よりも願っているということ…

 

そんなことが綴られていました。

 

さらに…

 

この指輪を、
お守りがわりに持って行きなさい…と。

 

指輪はお祖母様からお母様へと、
受け継がれたものでした。

 

そして、
結婚を許されたその日は、
ご両親の結婚記念日だったのです。

 

   ♡

 

それからちょうど1年後、
ご両親の結婚記念日に、
涼子さんは彼と結婚式を挙げました。

 

涼子さんの指には、
お祖母様からお母様へ、
お母様から涼子さんへと
受け継がれた指輪がありました。

 

サムシングオールド

 

代々受け継がれた指輪と、

その指輪に託されたご両親の愛情が、
お二人の幸せを、
守り続けてくれることでしょう。

 

そしてきっといつの日か、
涼子さんから、
涼子さんのお嬢さんへと…。

 

   ♡

 

サムシングオールドとは、
「何か古いもの」

 

祖先から受け継がれた何かを、
身につけるというものです。

 

代々受け継がれたものというのは、
ちょっと難しいという人も、
お母様のジュエリーなら、
何か譲って貰うことができるかもしれません。

 

想いがこもった品物には、
心が宿っているもの。

 

きっとあなたの幸せを、
守ってくれるに違いありません。

 

信じるか信じないかは、
あなた次第…ですけれど。

 

 

※本文中の内容は、

  事実に基づくフィクションです。

重版出来「チャンスを生かせる人の話し方」

いつもブログをお読みくださり、
また感動手紙作成のご依頼をいただき、

誠にありがとうございます。

 

今日はご報告御礼お願いを、

させてください。

 

おかげさまで、

拙著「チャンスを生かせる人の話し方」が

増刷されました。

 

.☆5月26日 重版出来☆.

 

皆様の温かなご支援の賜物です。
本当にありがとうございます!

心から感謝しております☆

 

これからもお役に立てますよう、

精進して参る所存です。

 

今後ともよろしくお願い申し上げます。

 たちき めい

 

応援、よろしくお願いいたします。

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こちらからご購入いただけます

 

チャンスを生かせる人の話し方

 (たちき めい 著 / 自由国民社)

 

 

結婚前の「一番の思い出」2

前回に引き続き、
新郎新婦の恋人時代について、
その思い出をご紹介したいと
思います。

 

お付き合いの中で、
一番印象に残っていることは、
何ですか?

 

 

告白の時…

 

♂交際を申し込む予定だった日のこと。
 食事の後、お台場の大観覧車の中で、
 告白しようと思っていたが道に迷い、
 営業時間中に、間に合わなかった。
 告白は、次回に延期となってしまった。

 

初デートで…

 

♂初めて食事に誘った時のこと。
 財布を忘れ、
 逆にご馳走してもらった。

 

♂お互いの友人の紹介で、
 初めて会う約束をした日のこと。
 当日台風が直撃し、中止になった。
 もう彼女とは、
 二度と会えないんじゃないかと思った。

 

♂初めて食事に行った時のこと。
 「この店、オッペンって言うんだね」
 そう新婦が言うがそんな名前ではない。
 よく見ると、入り口の扉に、
 「OPEN」の札がかかっていた。
 この人大丈夫かな?って思った。

 

♂初デートは日光へのドライブ。
 しかし、車が故障し、
 大遅刻してしまったこと。

 

♀ディズニーランドでの初デート。
 乗り物酔いをしてしまい、
 気分の悪さに耐えるのが必死だった。
 その他のことはあまり覚えていない。

 

両親への挨拶…

 

♂東京から宮城県まで、
 新婦の両親に挨拶に行った後、
 熱を出してしまった。
 次の日は観光する予定だったが、
 旅先のホテルでずっと寝ている羽目に
 なってしまったこと。

 人生で一番緊張したからだと思う。

 

♀両親に挨拶に来てくれた時のこと。
 とても緊張している顔が、
 今まで見たことがない顔だった。
 かわいそうに思うぐらいの
 緊張ぶりだった。

 

デートで…

 

♀彼は出勤日だったが、

 会社には営業(外回り)を装い、
 ディズニーランドに
 連れて行ってくれたこと。

 

♂ディズニーランドに行った時のこと。
 新郎の舞い上がり方があまりに異常で、
 とてもびっくりした。

 

♀息子(前夫との子)を連れて、
 遠距離恋愛中だった彼に、
 会いに行った時のこと。
 帰りの新幹線の中で、
 寂しそうにしていた息子が、
 いきなり「パパ〜」と泣き出し、
 慰めるのが大変だった。
 いつか本当にパパになってくれる日が、
 訪れるといいなあと思った。

 

体調がすぐれなかった時…

 

♀風邪をひいて寝込んだ時、

 忙しい仕事の合間に、
 看病に来てくれたこと。

 

♂風邪をひいて寝込んでいたら、
 彼女が心配して、大雨の中、
 薬と食事を届けてくれたこと。

 

♀花火大会に行った夜、
 風邪をひいたのか高熱が出てしまい、

 朝まで寝ずに看病してくれたこと。

 

♀デート中にお腹が痛くなり、
 耐えられないほど辛かった。
 病院を探し連れて行ってくれたこと。

 

ドライブで…

 

♂横浜にドライブに行った時のこと。
 道に迷って夜中になってしまった。
 泊まるところもなくてビビった。
 カッコつけて横浜に誘ったのだが、
 実は自分も横浜は初めてだった。

 

♀車で旅行に行った時のこと。
 楽しい旅行中に、
 なんと車が滑って1回転した。
 死んだと思った。恐かった。

 

♂ドライブに行った時、
 「運転している人に悪いから、
 助手席では絶対寝ないの」と言い、
 新婦が眠そうな目をこすりながら、
 一生懸命起きていたこと。
 かわいいなあ〜と思った。
 でも近頃は、爆睡している。

 

お誕生日…

 

♀付き合って最初の誕生日に、
 指輪をプレゼントしてくれたこと。
 とっても嬉しかった。

 

♂二人の誕生日が同じだから、
 毎年一緒にお祝いできて嬉しい。
 こういうカップルは、
 滅多にいないだろうと思うから、
 余計に幸せを感じる。

 

♀付き合って初めての誕生日に、
 仕事から帰ってきたら、
 大きな花束と手紙が届いていたこと。
 びっくりしたのと嬉しさで、
 忘れられない。
 それから毎年、誕生日には、
 私の大好きな花を贈ってくれた。

 

   ♡

 

たくさんの思い出を積み重ねて、
結婚の日を迎えた新郎新婦。

 

これから二人で歩んでいく道のりは、
これまで二人で歩んだ道のりの、
何倍、何十倍にもなることでしょう。

 

二人のアルバムが、

素敵な思い出で、
いっぱいになりますように…。

 

   ♡

 

この内容については、
また別の機会に、
ご紹介したいと思います。

 

結婚前の「一番の思い出」1 は、
こちらをご覧ください。

 

 

※本文中の内容は、
 個人が特定できないよう、
 修正を加えています。

結婚前の「一番の思い出」1

恋人同士の思い出、

数え切れないほど、

いっぱいあることと思います。

 

どんな些細なことであっても、

振り返ればその一つ一つが、

心に残る大切な思い出に、

なっていることでしょう。

 

でも、

あえて新郎新婦にお聞きしてみました。

 

お付き合いの中で、

一番印象に残っていることは、

何ですか?

 

 

♂一日のデートで、

 昼はよみうりランド、
 夜はディズニーランドと、
 2件掛け持ちして遊んだこと。

 あの頃は若かったなあと思う。

 

♀デートでつくばわんわんランドに、
 行った時のこと。
 世界一大きな犬、グレートピレニーズに
 飛びつかれ、押し倒されたこと。
 ヤバい!と、本気で思った。

 

♂自分は朝起きるのが早く、

 デートの待ち合わせ場所にも、

 いつも30分は早く着いていました。

 その日は1時間ほど早く着いてしまい、

 待ちきれずに家まで迎えに行きました。

 そこで、新婦の素顔を見てしまったこと。

 

♀ステーキ屋さんに行った時、
 ご飯のお代わり3杯食べるのを見て、
 かなりびっくりしたこと。

 

♂ある日、
 「2時間ぐらいで戻ってくる」と、
 夕方美容院に出かけた新婦が、
 5時間以上たっても帰って来ず、
 携帯に電話をしても出ない。
 どこの美容院に行ったのかもわからず、
 心配になって必死で探し回ったこと。

 結局コンビニ前で、

 友達と一緒にいるところを発見。

 立ち話、幾ら何でも長すぎる。

 でも、ホッとしました。

 

♀二人で初めて行った初詣で、
 おみくじを引いたところ、
 新婦は大吉だったが、
 新郎は大凶だったこと。

 

♂デートには、いつもお弁当やお菓子を、

 作ってきてくれたこと。

 とても美味しくその度に感激しました。

 

♀私に交際の申し込みをするために、

 銀座のデパートで指輪を買ってきて、
 とてもびっくりしたこと。
 その時は単なる食事だと思っていたため、
 「リングはいただけません」と、
 お断りしてしまいました。
 結局、後日受け取りましたが、
 かわいそうなことをしてしまったと、

 今でも思っています。

 

♂初めて新婦の実家に招待された時、

 その町に入ったところで電話をかけ、

 道順を聞いた。

 あと500mほどの距離だったのに、

 新婦の説明通りに行ったら、

 3㎞も走ったこと。

 道の説明、下手すぎ。

 

♀初めてのデートの際、

 新郎が、池の鯉の口に指を入れ、
 そのまま釣り上げようとしたこと。

 

♂二人で旅行に出かけると、

 いつも雨が降ること。

 

♀かなり前から計画し、休みをとり、

 遠出をすると、必ず雨が降ること。

 

♂デートで日光に行った時のこと。
 良いお天気だったにもかかわらず、
 中禅寺湖でボートに乗った瞬間、
 大雨が降り、ずぶ濡れに。
 今ではそれも良き思い出です。

 

♀仕事から帰ったら、

 いきなり「温泉に行こう!」と言い、

 連れて行ってくれたこと。

 

♂初めて二人で行った旅行は、

 あるアーティストの、
 15周年記念イベントでした。
 前日まで晴天が続いていたが、
 なぜかこの日1日だけ雨。
 台風が直撃し、土砂降りの中の、
 屋外ライブでした。
 新郎は風邪気味だったため、
 死にそうなほど辛かったこと。
 でも新婦は満喫していたようでした。

 

♀ホテルのレストランでの初デート。
 そのホテルで結婚式を挙げることができ、
 本当に嬉しいです。

 

♂デートの際、食事中に、

 転勤が決まったことを伝えると、

 嫌だと言って別れ話になったこと。

 眠れない日が続きました。

 

♀彼が初めて作ってくれた料理が焼きそば。
 元々好んで食べる方ではなかったけれど、
 それ以降大好きになり、
 お昼ご飯によく食べるようになりました。

 

♂デートの際、新婦の趣味である、

 サッカー観戦に付き合うのが、

 ものすごく嫌だったこと。

 でも、いつの間にか好きになっていた。

 

♀初デートで新郎が、

 ゲタを履いてきたこと。

 衝撃的でした。

 

♂初デートでお台場に行った。

 二人で観覧車に乗り夜景を見たが、

 後からわかったのは、

 二人とも高所恐怖症だったこと。

 お互い遠慮していたあの頃が、

 とても懐かしい。

 

♀日光のいろは坂で、カーブの運転が、

 とても上手で感動したこと。

 

♂付き合ってから、

 一度フラれたこと。

 2ヶ月後に無事復活しました。

 

♀お気にりのバッグを持って

 デートに行った日の帰り、

 雨に降られてしまった。

 新郎は気にする私を見て、

 自分が濡れるのも構わず、

 私とカバンが濡れないよう、

 気遣ってくれたこと。

 

   ♡

 

次回に続きます。

 

※個人が特定できないよう、

 話の内容に修正を加えています。

交際のきっかけは遠足?

男女が交際するきっかけなんて、

どこに潜んでいるかわからないものです。

 

そして、

後悔するような出来事も、

幸せの始まりだった、

ということだってあるものなのです。

 

 

千尋さん(仮名)が、
これまで一番印象に残っている思い出と言ったら、
中学時代の遠足のこと。

 

行き先は山でした。

 

千尋さんはソフトボール部のキャプテンで、

明るく元気いっぱいの女の子。

 

そしてお転婆少女でもあり、
遠足の日もテンションが高く、
木に登ってみたり、
わざわざ危ないところを歩いたりと、

かなり危ない行動を重ねていました。

 

そして…

 

岩の上に乗って写真を撮ろうとしたその時、
ツルンと足を滑らせてしまったのです。

 

あっ!

 

気がついたのは病院のベットの上でした。

 

心配そうに覗き込む、
担任教師の姿が見えました。

 

先生の話によれば、
あの大きな岩から落ちた瞬間、
気を失ってしまったようです。

 

ここまで救急車で運ばれたとのこと。

 

「気を失って良かったと思うよ」
先生は千尋さんの足を指差し、
そう言いました。

 

「骨折してるから…」

 

「気を失っていなかったら、
 きっと大騒ぎしただろうね」と。

 

あーあ、

せっかくの遠足だったのに、
先生にもみんなにも、
迷惑かけちゃったな…。

 

骨折か…

ソフト部のみんなにも、

当分迷惑をかけることになっちゃうな…。

 

後悔と、反省と、申し訳なさで、

泣きたい気持ちでした。

 

   ♡

 

数日後、
登校した千尋さんは、仲良しの友人に、
「彼にお礼言った方がいいよ」

そう言われました。

 

「彼」とは、クラスの男子で、
サッカー部の部長でした。

 

「何で?」
と聞くと、
「えっ?
 あっそうか、覚えていないんだね」
そう言って理由を話してくれました。

 

あの岩から落ちた時、真っ先に駆け寄り、
大声で担任を呼んでくれたのが、
彼だったのだそうです。

 

そして救急車を呼んだ場所まで、
おぶって運んでくれたのだとか。

 

えっ…

私、あいつにおんぶされちゃったんだ…。

 

「彼、すっごくかっこ良かったよ。

 みんなただ見てるだけだったのに、

 彼の行動は本当に素早くて、

 さすがサッカー部の部長って感じだった」

 

ありがたい気持ちよりも、

恥ずかしさでいっぱいになりました。

 

「あの…ありがとう」

そう伝えると、

「無理すんなよ」

彼は千尋さんの方ではなく、
窓の外を見ながら、
ぶっきらぼうにそう言いました。

 

   ♡

 

千尋さんは骨折をしてしまったため、
もちろん部活には参加できません。

 

でも、せめて見るだけでも…と、

毎日みんなの練習を見学をしていました。

 

部活が終わり下校する千尋さんの横には、
千尋さんのカバンを持った彼が、
毎日一緒でした。

 

   ♡

 

あれから10年。

 

花嫁となった千尋さんの隣には、
あの時と同じように、
彼の姿がありました。

 

   ♡

 

まだ中学生だった二人。

 

そんなに若くても、いえ、幼くても、

将来の結婚相手を見つけちゃうなんて、

本当に凄いなあと感じました。

 

もちろん、

中学時代にこの人と結婚しようと、

思ったわけではありません。

 

でも、いつも一緒にいることが、

ごく自然だったのだそうです。

 

友達から恋人へ、

恋人から夫婦へと、

年月とともにその形が、

自然と変化していっただけ。

 

お二人はこれからも、

順風満帆の人生を、

歩んでいかれることでしょう。

 

そう、

きっといつも自然体で…。

 

 

※本文中の内容は、

  事実に基づくフィクションです。

 

結婚披露宴とお酒

お祝いの席に欠かせないのが、
「お酒」

 

披露宴でもお酒によるハプニング、
少なくありません。

 

そう、こんな人たちも…

 

 

【1飲まないようにしていたのに…】

 

その新郎は、
お酒がとても弱い方でした。

 

本人もそれはちゃんと自覚しており、
お酌してもらったお酒は、
飲むふりをして、
足元のバケツに全て捨てていました。

 

披露宴は滞りなく、
和やかに進行していました。

 

そして、
お色直しの後、
キャンドルサービスが始まりました。

 

そしてここで、
新郎にとっては予期せぬことが、
起こってしまったのです。

 

「イッキ、イッキ、イッキ」

 

あるお席で、ビールが用意され、
イッキコールが始まったのです。

 

真面目な性格の新郎、

スルーすれば良いものを、
一気に飲み干してしまいました。

 

友人たちからは、
盛大な拍手が寄せられました。

 

そうしたら、
次のお席でも、イッキコールが。

 

そして、
そのまた次のお席でも…。

 

結局ビール3杯を、
一気飲みしてしまいました。

 

お酒の量としては、
まあ何とか許容範囲だったようです。

 

しかし…

 

各テーブルのキャンドル点火が済み、
メインキャンドルの前に立った新郎。

 

そのお顔を見ると…

まるで茹でダコ!

 

真っ赤になってしまっていたのです。

 

メインキャンドル点火以降、
カメラにおさめられた新郎のお顔は、

全て真っ赤っか、という、

とても残念なことになってしまいました。

 

   ♡

 

【2お酒が大好きで…】

 

新郎はお酒が大好き。

 

バケツに捨てるなんて、
お酒の神様に申し訳ない!

 

友人がお酌に来るたびに、
飲み干していました。

 

しかし、

緊張も加わってか、
いつもより酔いが早い。

 

そして、
お召し替えへの退席に…。

 

凛々しいお姿を見せるべきシーンで、
まさかの千鳥足。

 

一緒に退席したお母様を、
まるで杖がわりのようにして、
なんとか会場を出たものの、
そこでしゃがみこんでしまいました。

 

急遽用意されたのは車椅子。

 

お着替え場所まで、
車椅子で運ばれていきました。

 

少しお休みになり、
何とか再入場できましたが、
虚ろな瞳で披露宴を過ごすことに、
なってしまいました。

 

謝辞までには、
何とか酔いが覚めたものの、
お開き後にお話しを伺ったところ、
「披露宴の記憶が全くない」と。

 

   ♡

 

お祝いの席だし、

せっかくお酌してくれたのに、

飲まないのは申し訳ない…

そう思って飲んでしまう人、

結構いるものです。

 

そして【1】のように、

高砂席にいる時には、

足元のバケツを利用できますが、

キャンドルサービス時には、

お客様のお席にバケツは無いため、

注いでもらったお酒を、

捨てる場所がありません。

 

スルーするか飲むかの、

どちらかしかないのです。

 

実はこのように、

イッキコールがかかってしまうこと、

珍しくありません。

 

キャンドルサービス時だけでなく、

余興などでも起こります。

 

お酒のことって、

一体どうすれば良いのでしょうか?

 

   ♡

 

お酒のことは、

本当に判断が難しいものです。

 

でも、

まず言えることは、

飲めない人は、飲んではいけない

ということです。

 

第一に危険です。

 

急性アルコール中毒で、

救急搬送されたケースも聞いています。

 

私の場合は、

打ち合わせの際に必ず確認し、

飲めない人の場合は、

あらかじめ出席者にその旨を、

お伝えするようにしています。

 

お酒が飲めない人、

そして、お酒が弱い人も、

必ず司会者に相談してください。

 

司会者から出席者に伝えて貰えば、

角が立たずに済みますし、

出席者の理解も得られることでしょう。

 

   ♡

 

【2】の場合には、

大変申し訳ありませんが、

ご自身の責任です。

 

誰にも、どうすることもできません。

 

普段お酒が強い人でも、

飲み会の場ではないことを、

忘れないでください。

 

披露宴の後に2次会がある場合には、

かなりお辛いことになるかもしれません。

 

翌日から新婚旅行にお出かけの場合は、

二日酔いによる体調不良も心配です。

 

そして、

新郎新婦は主役でありながら、

お客様をおもてなしする側です。

 

もてなす方が、

グデングデンに酔っ払っていたら、

出席者に対し失礼があるかもしれません。

 

勢いで無茶なことはせず、

新郎新婦であるということ、

一生に一度の大切な日であるということを、

忘れずにいて欲しいと思います。

 

 

※本文中の内容は、

  事実に基づくフィクションです。

 

結婚・出産より大切なもの?

「この人と結婚する気なんて,
 なかったんです!」

 

「結婚式や披露宴だって、
 本当はやりたくないんです!」

 

いったい新婦に、
何があったというのでしょうか?

 

 

結子(仮名)さんは、
CMでもお馴染みの有名企業に勤める、
バリバリのキャリアウーマン。

 

もうすぐ40歳になる彼女は、
その実績から、
部長にまで昇進していました。

 

「仕事ができれば、
 男も結婚もいらない!」

 

そう豪語するほど、
仕事に生きがいを感じていたのです。

 

しかし、
そんな結子さんにも彼ができました。

 

何を言っても、
笑って聞き役に徹する彼は、
結子さんにとって、
仕事のストレスを解消してくれる、
心地よい相手だったのかもしれません。

 

それでも仕事第一。

 

結婚までは、
考えたこともありませんでした。

 

ですが…

 

できてしまったのです。

 

そう、子どもが…。

 

   ♡

 

披露宴での新郎新婦の紹介は、
ほとんどの場合、司会者が行います。

 

新郎新婦それぞれの経歴、
二人の出逢いなどを、
打合せでお尋ねすることになります。

 

あらかじめ担当者がお渡した
プロフィール用紙を拝見すると、
新郎の部分と、
二人の馴れ初め部分が、
ぎっしりと丁寧に書かれていました。

 

新婦への愛情、
結婚式・披露宴を迎える喜び、
新郎のお人柄が滲み出ていました。

 

一方、新婦側の欄は、
真っ白でした。

 

お名前すら書かれていません。

 

「経歴?

 テキトーに紹介してください」

 

「結婚の決め手?

 子どもができちゃったからです。」

 

「彼のこと?
 特別好きなわけじゃありません」

 

何を聞いても、
投げやりな言葉ばかり。

 

隣でニコニコ笑っている
新郎の心中はいかばかりかと、
とても心配になりました。

 

結局ご紹介できるような話は、
何も聞くことができませんでした。

 

はっきりいって、とても困りました。

 

テキトーな紹介など、
するわけにはいきません。

 

先ほどの結子さんの言葉を、
そのまま使うことなど勿論できません。

 

覚悟を決めました。

 

クレームの覚悟です。

 

勤務先に幾度もお電話しました。

 

当時は携帯電話も、勿論メールも、
まだ一般的ではありませんでしたので、
連絡方法は、
会社か自宅の固定電話のみです。

 

毎日帰りが遅いとのことなので、
ご家族と一緒にお住いのご自宅に、
深夜お電話するわけにもいきません。

 

会社へのお電話しか方法はありません。

 

勤務時間内の電話。

 

嫌がられました。

 

煩がられました。

 

怒られました。

 

当然と言えば当然です。

 

それでも、
やめることはできません。

 

本番まで1週間。

 

戦いでした。

 

   ♡

 

結局、雑談の中から話を拾い、
経歴や人柄については、
お母様と新郎からもお話を伺い、
なんとか紹介文を完成させたのです。

 

そして、

結婚式の日を迎えました。

 

   ♡

 

披露宴がお開きになると、
結子さんはこんな言葉をかけてくれました。

 

「披露宴のはじめにあの紹介を聞いて、
 心がほぐれていくような気がしました。

 

 今まで育ててくれた両親、
 こんな私を選んでくれた彼、
 私を支えてくれた上司や友人たち…。

 

 たくさんの思い出とともに、
 感謝の気持ちが湧き上がってきました。

 

 仕事と、結婚・出産…

 

 天秤にかけては
 イライラしていた自分が
 とても恥ずかしいです。

 

 披露宴、やってよかったです。

 

 一生忘れません。

 

 ひどいことばかり言って、
 たくさん嫌な思いをさせて、
 本当にごめんなさい…」と。

 

   ♡

 

数ヶ月後、
写真付きのポストカードが届きました。

 

そこには生まれたての可愛い赤ちゃんと、
二人の幸せ溢れる笑顔がありました。

 

どうやら結子さんは、

仕事以上に大切なものもあると、
気づくことができたようです。

 

   ♡

 

自分の思っていた計画に、
反することが突然訪れた時、
本当はそれが幸せなことであっても、
邪魔されたという気持ちに、
なってしまうものなのかもしれません。

 

仕事・結婚準備・体の変調、
それはそれは大変だったことと
推察できます。

 

マリッジブルーになるお気持ち、
よくわかります。

 

でも、
出産を決め、
結婚式・披露宴もおこなうと、
決意したのであれば、
一生に一度の大切な日を、
最高のものにしようと思って欲しいのです。

 

あの時、
ああしておけば良かった、
こうしておけば良かった、
そう思っても取り返しはつきません。

 

この新郎はとても優しく、
心の広い方だったため、
新婦を温かく包み、
何を言われても笑って受け止めて
くれていました。

 

でも、
もし彼じゃなかったとしたら…

 

   ♡

 

ほんの一時の感情だけで、
自分にとって一番大切なもの、
自分にとって一番大切な人を、
絶対に失わないで欲しい…。

 

マリッジブルーを乗り越えたら、
きっとそこには、
今の何倍も何十倍もの幸せが、
待っているはず。

 

あなたも、
世界で一番幸せな花嫁になって欲しい…
そう心から願っています。

 

 

※本文中の内容は、
  事実に基づくフィクションです。

キューピッドが結婚を決めた?

ローマ神話に出てくる恋の神クピド。

 

英語名を、

キューピッド(Cupid)と言います。

 

あなたはキューピッドの存在を、

信じますか?

 

 

キューピッドが放った矢に当たった者は、
恋心を起こすと言われていることは、

あまりに有名です。

 

つまりキューピッドは、

恋愛成就の手助けをしてくれる

神様なのです。

 

   ♡

 

京介さん(仮名)は、25歳。

 

おとなしく、

生真面目なタイプの男性でした。

 

彼には高校時代、好きな女性がいました。

 

しかし自分の想いを伝えることもできず、
ただ遠くから彼女を見つめているのが

精一杯でした。

 

彼女と再会したのは、

卒業から1年後のクラス会でのこと。

 

高校時代と全く変わらない、

彼女の可憐な笑顔を見て、

思い切ってこの想いを打ち明けようか…

そんな気持ちになりました。

 

ところが、

すぐに彼女の身体に異変を感じました。

 

そう、彼女は妊娠していたのです。

 

すでに結婚し、

4ヶ月後にはママになるそうです。

 

告白はしていませんが、完全なる失恋。

 

ショックでした。

 

「クラス会、行かなきゃ良かった…」

そう落ち込むばかりで、
彼女を祝福してあげようという、

心の余裕はありませんでした。

 

でも、

結婚してしまった彼女に、

どうすることもできません。

 

この恋は、

諦めるしかありませんでした。

 

   ♡

 

それから2年、

もう彼女を思い出すことも、

ほとんどなくなった頃のことです。

 

「京介くん!」

自宅近くの駅で、声をかけられました。

 

振り返ると、そこには、

子どもを連れた彼女の姿がありました。

 

まだ学生である自分と比較し、

彼女はとても大人っぽく見えました。

 

「幸せそうだね」そう言うと、

 

「うん、

 この子が生まれてきてくれたから、

 とっても幸せ」と。

 

しかし、

なんとなくですが、

笑顔に寂しさが含まれているような、
そんな気がしました。

 

「今度、一緒にご飯でも行こうよ。」

 

これまで彼女の前では緊張して、

話すことさえままならなかったのに、

この時には不思議と、

自然にそんな言葉が口をついて出ました。

 

「子ども、一緒でもイイかな?」

「もちろんだよ!」

 

それから1週間後、

駅前のファミレスに3人の姿がありました。

 

そこで彼女からこう打ち明けられたのです。

 

「実はね…

 離婚しちゃったんだ…」と。

 

こんな小さな子どもを抱え、

これから彼女は

どうやって生きて行くのだろう…?

 

「また一緒にご飯食べようよ。」

 

京介さんは、そう言うのが精一杯でした。

 

「子ども連れてるとね、

 外に出るのって色々と大変で…。

 だから、次は家に来ない?」

 

そんな彼女の言葉に従い、

次は家にお邪魔することとなりました。

 

一人暮らしの彼にとって、

彼女の手料理は温かく、

とても幸せな気持ちになりました。

 

それをきっかけに、

その後も時々ですが、
彼女の家に立ち寄るようになりました。

 

大学を無事卒業し、社会人となっても、

それは変わらず、続いていました。

 

そして次第に、

そこはとても居心地の良い場所と、

なっていったのです。

 

でも、だからと言って、

恋人関係に発展することもなく、

ただ仲の良い友人といった関係でした。

 

ところが…

 

この仲の良い友人関係に、

終止符を打つ日が訪れたのです。

 

それも、

ある日突然に…。

 

   ♡

 

その日も、

会社帰りに彼女の家に立ち寄り、

彼女の子どもと遊んでいました。

 

その時です。

 

「パパ!」

 

子どもが叫んだのです。

 

びっくりして周りを見ましたが、

そこには京介さんしかいません。

 

子どもの目は、

まっすぐに京介さんを見つめていました。

 

   ♡

 

この子が物心ついてから、

近くにいた男性は京介さんだけ。

 

自分を可愛がってくれる京介さんを、

父親だと認識していたのでしょう。

 

これまで、

この子の父親になることなど、

全く考えていませんでした。

 

彼女と付き合うことも、結婚も、

特に望んではいませんでした。

 

ただ時々楽しい時間が過ごせるだけで、

彼は十分幸せだったからです。

 

いえ、この関係を壊したくなくて、

彼女を好きだという気持ちを、

無意識に封印していたのです。

 

しかし、

「パパ!」という思いがけない言葉に、

ハッとしました。

 

このままではダメだ。

 

ちゃんとこの子の父親になろう、

彼女を夫として支えていこうと、
固く決心したのです。

 

   ♡

 

実は彼女の方も、

彼のことが好きでした。

 

京介さんの優しさに触れるたび、

心が救われるような気持ちになりました。

 

離婚に至った辛い思い出も、

どんどん薄らいでいき、

いつの間にか思い出すことも、

なくなっていました。

 

でも、

バツイチ子持ちという事実に、

引け目を感じていたのです。

 

ですから京介さんと同じように、

この関係を壊すくらいなら、

このままがいいと思っていました。

 

   ♡

 

結婚披露宴での入場シーン。

 

新郎新婦の間には、
子どもの姿がありました。

 

片方の手で新郎の手を、

もう片方の手で新婦の手を、
しっかりと握り締めていました。

 

その幼く愛くるしいながらも、

どこか誇らしげな姿は、
まさしく愛のキューピットに見えました。

 

 

※本文中の内容は、

  事実に基づくフィクションです。