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結婚への想いと、愛の行方

結婚生活には、
たくさんの幸せがある一方、
たくさんの試練もあるようです。

 

そもそも人は、
なぜ結婚するのでしょうか。

 

愛する人と一緒にいたいから?
幸せになりたいから?
寂しいから?

 

それとも…

 

 

加代さん(仮名)には、
交際している大好きな彼がいました。

 

彼も加代さんのことが大好きでしたが、

たった一つだけ、問題があったのです。

 

それは、
彼が既婚者だということでした。

 

彼は旅行関係の会社を、経営していました。

 

大きな会社ではなかったため、
社長である彼も、
時にはツアーコンダクターを、
担うことがありました。

 

二人にとって、
その時がチャンスでした。

 

加代さんは臨時スタッフとして、
そのツアーに同行するのです。

 

海外ツアーともなれば、
1週間、10日と長期に及びます。

 

もちろん仕事ですから、
旅行者のお世話をしなくてはなりません。

 

しかし、その間ずっと、
二人は一緒に過ごすことができるのです。

 

それも何の心配もなく…

 

そんな二人の関係は、
彼の家族に知られることなく、
気がつけば7年にもなりました。

 

彼は今も将来的にも、
加代さんとの結婚は全く考えておらず、
加代さんもそれを重々承知していました。

 

それでも、
加代さんは彼のことが好きだったのです。

 

結婚できなくたっていい、
ずっとこの幸せが続けばいい、
そう思っていました。

 

しかし、
加代さんも気がつけば30代後半。

 

周りの友人たちも次々と結婚し、
ママになっている人もいます。

 

幸せな家庭生活の話を聞くにつれ、
加代さんの心に変化が起こりました。

 

彼の家庭生活を、
想像するようになってしまったからです。

 

これまで感じなかった寂しさが芽生え、
更には、
罪悪感をも伴うようになっていきました。

 

このままでは、
いけないのではないか?

 

   ♡

 

39歳になった年、
加代さんは結婚しました。

 

お相手はもちろん彼…

 

ではありませんでした。

 

結婚相手(新郎)は、
仲の良い友人の一人である、
高校時代のクラスメイトだったのです。

 

加代さんの好みとは、全く正反対のタイプ。

 

ですから新郎に対しては、
「大好き」とか「愛している」とか、
そのような感情はありませんでした。

 

ただ真面目で優しいことから、
「この人とだったら、
 平凡でも穏やかな家庭を
 築いていけるかもしれない」
そう思っての結婚でした。

 

「愛」と「結婚」は違う、
そんな風に理解したのでしょう。

 

   ♡

 

結婚披露宴は、
出席者300名超の盛大なものでした。

 

お二人はとても幸せそうに見えました。

 

本当に素敵な披露宴でしたが、
ただ一つ、気になることがありました。

 

それは、
元彼を招待していたことでした。

 

自分の幸せな(幸せそうな)姿を、
元彼に見せたかったからなのか…

 

自分自身の気持ちに、
きちんとけじめをつけたかったからなのか…

 

新しい生活に向けての、
何か強い決意があったからなのか…

 

   ♡

 

結婚式から1年が経ったころ、

残念な噂が耳に届きました。

 

加代さんご夫妻が、
「結婚生活にピリオドを打った」と…。

 

新生活は思っていた以上に幸せな毎日で、

やはりこの人と結婚して良かったと、

加代さんは心から思っていたようでした。

 

しかし結婚式から3ヶ月後が経った頃、
元彼から海外ツアーの誘いが来たのです。

 

加代さんはその誘いを、

断ることができませんでした。

 

当然のようにそれがきっかけとなり、
元彼との交際が復活してしまったのです。

 

回を重ねても、

夫は加代さんを疑うことはなく、
純粋に仕事の旅行だと信じていました。

 

ですから加代さんは、
夫との結婚生活を続けながら、
元彼とも交際していけると思いました。

 

しかし、
元彼と過ごす時間が幸せであればあるほど、
別の人と一つ屋根の下で暮らすことに、

苦しさを感じるようになっていったのです。

 

結局、加代さんは、
結婚1周年を迎える前に、
夫の元を去ることとなったのだそうです。

 

   ♡

 

結婚する瞬間の相手に対する想いや、

結婚や結婚生活に対する考え方は、
人によって様々だと思います。

 

そして、
どんなに愛し合って結婚したとしても、
いつの日か、
心が変わってしまうこともあるかもしれません。

 

別々の道を歩む決心をする夫婦は、

3組に1組と言われています。

 

でも、結果はどうであれ、
一度は一生添い遂げようと心に誓ったはず。

 

たとえ愛は消えてしまっても、
思いやりの心は持ち続けて欲しい…

そう私は思います。

 

もちろん、
末永いお幸せな結婚生活を、
心から願っていることは言うまでもありません。

 

※本文中の内容は、
 事実に基づくフィクションです。
 また個人的な意見であることを、
 ご理解ご了承ください。

結婚までの交際期間は…?

初婚同士の夫婦が、
結婚に至るまでの平均交際期間は、
4.34年だそうです。

  (国立社会保障・人口問題研究所
       第15回出生動向基本調査

 

あなたは愛する人と、
何年(何ヶ月)交際していますか?

 

または、
何年(何ヶ月)の交際期間を経て、
結婚されましたか?

 

 

【1 麻由香さんのケース】

 

麻由香さん(仮名)は30歳を過ぎ、
憂鬱な気持ちになっていました。

 

というのも、
仲良しの友人たちが次々と結婚し、
独身は自分だけとなってしまったからです。

 

こんなはずじゃなかった…

 

麻由香さんには、
ちゃんと恋人がいました。

 

彼との交際が始まって間も無い頃から、
麻由香さんは結婚を意識していました。

 

この調子でいけば、
友人の中で1番早く結婚することになると、
麻由香さんだけでなく、
周りの人たちもみんなそう思っていたのです。

 

しかし、
一向に結婚へと話は進みません。

 

麻由香さんの方から、
何となく結婚を匂わせてみても、
彼は全く興味を示しません。

 

だからと言って、
決して不適切な関係ではなく、
他に好きな人がいるわけでもありません。

 

二人の仲が悪いわけでもありません。

 

彼は結婚そのものに、

興味がない様子でした。

 

麻由香さんは、
彼のことが大好きでした。

 

彼は優しいし大切にしてくれるし、
このままの状態でも十分幸せでした。

 

でも、
子どもが欲しい麻由香さんにとって、
やはり結婚は重大な問題です。

 

そして交際開始から10年が経った時、
麻由香さんは悟ったのです。

 

「この時点で結婚する気がないなら、
 この先もずっとないだろう」と。

 

麻由香さんは、
大好きな彼と別れる道を選びました。

 

それから3ヶ月後、
麻由香さんはお見合いをしました。

 

「あっ!」

 

初対面で運命を感じたそうです。

 

相手の男性も同じ想いでした。

 

お見合いから僅か2ヶ月後、
二人は結婚式・披露宴をおこない、
さらに1年後、
待望の赤ちゃんが誕生しました。

 

   ♡

 

【2 加奈子さんのケース】

 

加奈子さん(仮名)と彼は、
高校1年生のクラスメイトでした。

 

2年生の時には別のクラスでしたが、
3年生でまた同じクラスになったのを機に、
交際が始まりました。

 

結婚の日を迎えたのは、
交際スタートから10年後のこと。

 

「実は私たち、
 これまでに7回も別れているんです」

 

大喧嘩をして、
別れたこともありました。

 

他の人を好きになったり、
お互い違う相手と付き合ったことも、
実際にありました。

 

「でも結局、数ヶ月後には、
 なぜか元に戻っているんです」

 

そしてやっと、
この人じゃないとダメなんだと、
お互いに気付くことができたようです。

 

「もう絶対に別れることは、
 無いと思います!」

 

何の不安も迷いもない幸せな笑顔を、
二人は見せてくれました。

 

   ♡

 

【1 麻由香さんのケース】

10年間愛し続けた男性と別れ、
その直後に現れた運命の人…。

 

【2 加奈子さんのケース】

10年間どんなことがあっても、
ずっと繋がっていた運命の人…。

 

どんなに回り道をしても、
途中横道に逸れたとしても、
やはり結ばれるべき人とは、
いつかどこかで、
ちゃんと巡り逢えるように、
できているのかもしれません。 

 

※本文中の内容は、

 事実に基づくフィクションです。

結婚報告、それぞれの想い

相手の両親への、

初めてのご挨拶や結婚報告。

 

緊張したという人が、
圧倒的に多いようです。

 

でも、
もしかしたらご両親の方が、
緊張しているかもしれません。

 

 

千花さん(仮名)は大学時代、
ファミリーレストランで、
2年間アルバイトをしていました。

 

新郎とはそこで出逢ったのです。

 

彼はそのアルバイト先の副店長でした。

 

千花さんが大学を卒業し、
お客様としてその店を訪れての再会から、
交際に発展したという経緯でした。

 

お互いのことをよくわかった上で、
交際をスタートさせたことから、
初めから結婚を前提としたお付き合いでした。

 

   ♡

 

交際開始から3年ほど経ったある日のこと、

千花さんはお父様から、
「彼氏がいるなら、
 ちゃんと家に連れて来なさい」
そう言われました。

 

彼と付き合っていることは、
お母様にそれとなく伝えていましたので、

お父様にも話が伝わったのでしょう。

 

しかし、
結婚を考えているということまでは、
お母様にも打ち明けていませんでした。

 

いずれ通らなければならない道。

 

この機会に、
ちゃんと彼のことを紹介し、
結婚を認めてもらおうと思いました。

 

彼も自分と同じ意見だったことから、
2週間後に彼が、
千花さんの家を訪れることになりました。

 

   ♡

 

彼は千花さんより8歳年上の、
しっかりとした大人の男性です。

 

職場でも責任あるポストにつき、
人格も穏やかで優しく、
心配なことは何一つありませんでした。

 

しかしその話が出た時から、
彼は緊張していたのです。

 

「お父さんの趣味は何?」

 

「どんなテレビ見てる?」

 

「お父さん優しい?怖い?」

 

「お母さんはどんな人?」

 

「俺のこと、どこまで話しているの?」

 

千花さん対し、質問責めです。

 

ご両親との会話を円滑に進めるため、
彼のリサーチが始まったのです。

 

そして、

 

「当日は、何を着ていけばいいかな?」

 

「『結婚を前提にお付き合いさせてください』
 でいいのかな?
 あっ、でももう交際は知っているわけだし、
 やっぱり、

 『お嬢さんをお嫁にください』かな?」と…。

 

   ♡

 

一方、お父様はというと…

 

「大事な娘を嫁にやるんだから、
 ちょっとやそっとの男だったら、
 絶対に認めないからな!」

 

「俺の目は厳しいぞ!」

 

「気に入らないところがあったら、
 ビシビシ指摘してやる!」

 

そう言いながらも、お母様には…

 

「俺は最初どこにいればいいんだ?」

 

「俺から先に何か言った方がいいのか?
 向こうから話してくるのを待つべきか?」

 

「食事はどうするんだ?」

 

「やっぱりお酒を勧めた方がいいか?」

 

明らかに緊張している様子が伺えます。

 

いえ、動揺しているという言葉の方が、
適切かもしれません。

 

   ♡

 

そして迎えた当日…

 

玄関チャイムの音にドアを開けると、
そこには、顔がひきつり、
身体全体が固まったように緊張した、
スーツ姿の彼が立っていました。

 

朝から頻繁にトイレへと通っていた父親は、
リビングで新聞を読んでいるフリをしながら、
平常を装っていました。

 

「お邪魔します」
そう言ってギクシャクしながら部屋に入った彼。

 

「初めまして。

 千花さんと交際をさせていただいております…」
と言いかけたその時、
お父様がその言葉を遮りました。

 

「まあまあ、堅苦しい挨拶はいいから、
 座って、座って…」

 

満面の笑みで彼を迎え入れたお父様。

 

お父様が彼を気に入ったことは、
一目瞭然でした。

 

もちろんお母様も同様で、
心から嬉しそうにニコニコ笑っていました。

 

「ビシビシ指摘してやる!」

そう息巻いていた厳しい父親は何処へやら、

お父様の目尻は下がりっぱなしでした。

 

そして彼のリサーチも功を奏し、
話は大いに盛り上がり、
まるでもう彼が家族の一員となったかのように、
和やかな雰囲気が出来上がっていました。

 

   ♡

 

千花さんは一人っ子。

 

娘を嫁に出すという寂しさなどすっかり忘れ、
待望の息子ができたと、
ご両親は大喜びしていたようです。

 

挙げ句の果てには…

 

「本当に千花で良いの?」

 

「断るならまだ間に合うよ」

 

「やめるなら今のうちだよ」

 

いつのまにか千花さんではなく、
彼を心配する言葉が飛び交い始めました。

 

「彼を気に入ってくれたのは嬉しいけど、
 もう少し私のことを、
 心配してくれてもいいのでは?と、
 ちょっぴり複雑な気持ちになりました」

 

千花さんは笑いながら、
あの日をそう振り返っていらっしゃいました。

 

   ♡

 

ご両親へのご挨拶や結婚報告は、

誰しも緊張するものです。

 

特に相手の女性が一人っ子の場合、
恐れや不安を抱いている男性も、
少なくないことでしょう。

 

しかし、一人っ子なんて珍しくない時代、
「息子ができた」
「娘ができた」
そう喜んでくださるご両親も、
とても多くいらっしゃるようです。

 

結婚とは、
相手のご両親から息子や娘を、
奪うことではありません。

 

二人で新しい家庭を、
作っていくということです。

 

案ずるより産むが易し。

 

愛する人との結婚を考えるようになったら、
先延ばしにせず、
誠意を持ってご両親に想いを伝えて欲しい…

 

ご健闘を心からお祈りしています。

 

 

※本文中の内容は、
 事実に基づくフィクションです。

 

噂話から芽生えた恋心?

友人から聞いた噂話。

 

「火のないところに煙は立たぬ」なのか、
「根も葉もない噂」なのか…

 

もしあなたなら、
その真相を確かめてみますか?

 

 

「靖夫クンって、
 梨花のこと好きみたいだよ」

 

梨花さん(仮名)がそう言われたのは、
大学3年生の時でした。

 

靖夫さん(仮名)というのは、
同じ大学の友人で、
入学当時から仲良くしている友人の一人。

 

もう2年以上の付き合いになりますが、
そんな様子は全く感じられません。

 

そして梨花さんも、靖夫さんに対して、
友達を超えた感情はありませんでした。

 

「そんなことあるわけないじゃん、
 誰がそんなこと言ったの?」

 

「本人がそう話しているらしいよ」

 

らしい…か…。

 

まあきっと無責任な噂話だろう、
梨花さんはそう思いました。

 

   ♡

 

しかしながら、
そう言われると、何となく気にはなるもの。

 

靖夫さんの言動に対して、
以前より敏感になってしまいました。

 

そして、そんな目で見るからか、
その言葉は私に気があるからかも…?
その行動は私のことが好きだからかも…?
そんな風に思えてくるから不思議です。

 

   ♡

 

では、靖夫さんの本心は、
どうだったのでしょうか?

 

梨花さんのことは、
友人としか思っていませんでした。

 

梨花さんが「やっぱり私のこと好きなのかも?」
と感じたのは、気のせいだったことになります。

 

そして靖夫さんもまた、
「梨花はお前のこと好きらしいぞ!」
という話を友人から聞いていました。

 

つまり靖夫さんは、
梨花さんが自分のことを好きだと、
思っていたわけです。

 

   ♡

 

お互いに、
「相手が自分を好きなのだ」と認識し、
「自分は相手を友達としか思っていない」
という状態ですから、
どちらも何も行動を起こすことなく、
当然、何の進展もありませんでした。

 

しかし今度は、
相手が何の行動も起こさないことに、
お互いが疑問を持ち始めたのです。

 

「何で好きなら、
 二人だけのデートに誘うとか、
 してこないんだろう?」

 

「何で好きなら好きと、
 言って来ないんだろう?」と。

 

そう考えると、
何だかイライラしてしまうのです。

 

でも、
もし告白されたらされたで、
自分はどう対応するのだろう。

 

断るのか?

 

友達としか思えないと言えるのか?

 

それとも、
とりあえず付き合ってみるのか?

 

うーん、
だったら、告白されない方が、
今のままずっと友達でいられるから、
その方が良いのかも。

 

ああそうか、
だから相手もそう考えて、
特に何も言って来ないのか?

 

自問自答を繰り返す毎日でした。

 

後から振り返れば、この辺りから、
お互いに相手を好きになり始めていたと、
言えるのかもしれません。

 

この状態はその後も続き、
気がつけばもう4年生になっていました。

 

   ♡

 

そして迎えた夏休み、
やっとチャンスが訪れました。

 

友人たちと夏祭りに出かけた日のこと、
もうそろそろ帰ろうかという時に、
二人はみんなとはぐれてしまったのです。

 

携帯電話は繋がりません。

 

このあとはメンバーの部屋で、
飲み明かす予定になっていました。

 

人混みの中みんなを探すのは困難だと考え、
直接友人の部屋に向かうことにしました。

 

   ♡

 

道すがら、
「相手の想いを聞いてみようか…」
二人ともそんな気持ちになっていました。

 

「梨花って、俺のこと好きなのか?」
言葉にしたのは靖夫さんの方でした。

 

「何言ってるの?
 靖夫クンが私のこと好きなんだよね?」

 

「エーーーーーーーーッ!?」

 

   ♡

 

友人の家に着くと、
部屋に明かりが点いていません。

 

自分たちの方が早かったのかな?
そう思ってドアノブを回すと、
鍵はかかっていません。

 

声をかけながら部屋に入って行くと、
突然クラッカーが鳴り響き、
デコレーションケーキに、
キャンドルの火が灯りました。

 

🎵happy birthday to you
 happy birthday to you
 happy birthday dear 梨花
 happy birthday to you🎵

 

そう、
その日は梨花さんのお誕生日でした。

 

「ねえ、どっちかから、
 ちゃんと告白できたんでしょう?」

 

梨花さんと靖夫さんの手に、
ケーキナイフが渡されました。

 

「はい、二人で将来の予行演習。
 ケーキ入刀〜!」

 

   ♡

 

あの日から5年、
靖夫さん・梨花さんの手により、
本物ウエディングケーキに、
ナイフが入れられました。

 

そして、

新郎新婦の生い立ちビデオでは、
あの日のお誕生日ケーキ入刀シーンも、
しっかりと映し出されました。

 

   ♡

 

友人たちの勘違いと、
優しいお節介から始まった、
新郎新婦の恋愛ストーリー。

 

もしかしたら、
あなたの気付かないところでも、
何かが始まっているかもしれません。

 

乞うご期待…。

 

 

※本文中の内容は、
 事実に基づくフィクションです。

出逢いは自然を装って…

親が薦める結婚相手。

 

が…」というただそこだけに、
強い抵抗感を持っている人も、
多いのではないでしょうか?

 

しかしながら、
「親の目」というのは、
結構、的確なものかもしれません。

 

 

まどかさん(仮名)は、
ある企業の総務課で、
事務の仕事に携わっていました。

 

よく気が利き、物腰も柔らかで、
社内だけでなく取引先からも人気があり、
いわゆる「お嫁さんにしたい…」
という言葉がぴったりの女性でした。

 

ある日、
直属の上司である部長のところへ、
来客がありました。

 

応接室への案内やお茶出しは、
まどかさんの大切な仕事の一つです。

 

その日お越しになったお客様は女性の方で、
まどかさんは初対面でした。

 

会社名を告げて面会を求められたため、
個人のお名前はわかりませんが、
会社名からすると取引先ではないようです。

 

部長からは、
「5分ほど繋いでおいてくれる?」
そのように言われました。

 

このようなことも、珍しくありません。

 

まどかさんは5分ほどの間を、
その女性客との雑談でつなぎました。

 

特にいつもと何ら変わりのない、

職場での一コマでした。

 

   ♡

 

それから半年ほどが経ったある日、
部長から声がかかりました。

 

「来週の金曜日、
 会食に同席してもらえるかな?」と。

 

特に別の予定もなかったため、
同行することにしました。

 

   ♡

 

そして迎えた当日。

 

部長とともに食事会場に到着すると、
そこには半年ほど前に来社された女性と、
自分と同年代の男性が待っていました。

 

部長の奥様と息子さんだと紹介されました。

 

「実は妻の会社で、

 当社の商品を扱ってもらうことが決まって…。

 契約のことなど君にお願いした方が良いと思って、
 同席してもらったんだけど…。

 段取りとか説明とか、よろしく頼むよ」と。

 

ちなみに息子さんは、
奥様の会社には全く関係ないとのこと。

 

「まあ何となく、
 ついでに来てもらったというか…」

 

何とも歯切れの悪い言い方でしたが、
特に気にすることもなく、
仕事のことも含め話は盛り上がり、
楽しい時間を過ごすことができました。

 

その後、契約手続きも順調に進み、
今度はお礼にと、
部長の自宅に招かれました。

 

このようにして、
まどかさんは部長のご家族と、
すっかり仲良しになりました。

 

そのうち息子さんと二人だけで、
食事やドライブなどにも出かけるように、
なっていきました。

 

そう、ごく自然に、
まどかさんと彼は恋人同士になりました。

 

そして…

初めての出逢いからおよそ1年後に、
二人は結婚式を挙げました。

 

   ♡

 

職場で毎日まどかさんを見ていたお父様は、
このような女性がお嫁に来てくれたら、
どんなに良いかと思ったそうです。

 

しかし、
パワハラだのセクハラだの、
色々と問題になっているこのご時世。

 

話の持って行きようによっては、
大問題に発展しかねません。

 

また双方が気に入るとも限らず、
どちらにも嫌な思いだけはさせたくない、
そんな気持ちもありました。

 

そこでまず、
奥様にまどかさんを会わせたのだそうです。

 

奥様も一目でまどかさんを気に入り、
協力してくれることとなりました。

 

息子さんにもまどかさんにも、
その意図は隠したまま、
なるべく自然な形で事を進めていったのです。

 

   ♡

 

まどかさんは…

 

「うちの息子と会ってみないか?と
 もしも最初に言われたとしたら、
 お断りしていたかもしれません。

 

 だって上司ですから…
 色々と考えてしまいます」

 

「食事会の時、彼が同席していたことに、
 ちょっと違和感というか、
 何か裏があるのでは?と感じましたが、
 後から全てを知った時、

 それも部長の思いやりや優しさだったのだと、
 とてもありがたく思いました」

 

   ♡

 

自分が気に入った部下(特に男性)を、
家に連れてくるお父様は結構多いようです。

 

上司という厳しい目で見て、
「この人なら大丈夫!」と思った人なら、
信じてみても良いかもしれません。

 

また息子や娘に合う人は、
親の勘でわかるのかもしれません。

 

それでも、
最終的に決めるのは、ではなく本人です。

 

ですから、
「親の世話にはならない!」と、
片意地を張るのではなく、
時には自然な流れに身を任せてみるのも、
良いのではないでしょうか。

 

もしかしたらそれが、
素敵な出逢いや、

幸せな結婚に、

繋がるかもしれませんから…。

 

   ♡

 

部下の出逢いを、
新婦のお母様が計画したケースは、
こちらの記事をお読みください。

 

 

※本文中の内容は、
  事実に基づくフィクションです。
  尚、親が薦める結婚について、
  賛成や否定をするものではないことを、
  ご理解ください。念のため…。

披露宴スピーチ、その話必要?

大人の常識として、

言っていいことと悪いことがあります。

 

それが結婚披露宴の席であれば、

なおさらのこと。

 

でも、
空気が読めない人って、

どこにでも出没するものです。

 

 

【身体的なこと…】

 

「今日は新郎が、

 何だかとても大きくて立派に見えます。
 幸せだと身長まで伸びるものなのですね」

 

幸せで身長は伸びません!

 

背が低いことを隠したいからこそ、

シークレットブーツを履いているわけです。

 

   *

 

「今日は髪型がいつもと全然違い、

 髪の毛がフサフサしていて、
 最初は誰だかわかりませんでした」

 

髪型は変えられますが、

自然とフサフサになるはずありません!

 

薄毛の悩み、人によってはとても深刻です。

 

カツラを着用しているという事実から、

新郎が気にしているのは明らかです。

 

せめて新婦側の出席者には、

隠しておきたいと思ったのでしょう。

 

新郎側の友人たちが大爆笑したことも、

大人気ない行為でした。

 

   *

 

「新婦は結婚式のために、

 ダイエットに励んでいました。

 昼食も、飲み会の誘いも全て断り、

 必死に頑張っていました。

 その甲斐あって、

 以前とは、まるで別人のようです。

 素敵なウエディングドレス姿を披露できて、

 本当に良かったですね」

 

以前の新婦と比べれば、

かなりウエイトダウンしたのでしょう。

 

でも、

初めて会う人は、以前を知りません。

 

新婦は、ぽっちゃり体型でした。

 

一体以前はどれほど太っていたのかと、

多くの出席者に、

いらぬ想像をさせてしまったことでしょう。

 

   ♡

 

【過去のこと…】

 

「新郎はご覧の通りカッコよく、

 学生時代からとてもモテていました。
 社会人になっても、いつも周りに女性がいて、
 友人たちからとても羨ましがられていました」

 

いつも女性が…?

 

ただ単にモテていただけかもしれませんが、

微妙なニュアンスです。

 

新婦やご両親の不安を煽ってしまったのでは?

 

   *

 

「これからは新婦だけを大切にしてください」

 

今までは、どうだったのか…?

 

   *

 

「前回の結婚で、
 新婦はとても辛い目にあっていました。

 私の家に泊まり、

 朝まで泣いていたこともあります。

 それでも新婦は一生懸命頑張ってきたのです。

 そんな頑張り屋さんで優しい新婦だからこそ、
 新郎という素敵な男性に出逢い、

 再婚することができたのだと思います。

 親友として、とっても嬉しいです。

 ◯◯ちゃん本当に良かったね。おめでとう」

 

前夫との辛かった結婚生活なんて…。

 

いえその前に、

新郎側の出席者はこの瞬間まで、

新婦が「再婚」だと知らなかったのですが…。

 

   ♡

 

悪気は全く無いのだと思います。

 

むしろ、

おめでたいということ、

幸せになって欲しいということ、

それらを強調して伝えたかったのでしょう。

 

でも、

実際に強調されてしまったのは、

マイナスの部分や、

隠したい部分でした。

 

言葉の使い方や表現方法は、

とても難しいものです。

 

その一言がなかったら、

素晴らしいスピーチだったかもしれません。

 

その一言が大問題に発展する可能性も、

無いとは言えないでしょう。

 

一度口から出てしまった言葉は、

聞いた人の記憶から消すことはできません。

 

もし自分が相手の立場だったら、

どう感じるのか?

 

スピーチだけに限らず、

常日頃から相手の気持ちを考えた、

思いやりある言動を心がけたいものです。

 

自戒の念を込めて…。

 

 

※本文中の内容は、

  事実に基づくフィクションです。

  また、コンプレックスは人それぞれであり、

  それを否定するものでは決してありません。

  誤解なきようお願いいたします。

結婚式と宗教問題

お正月には神社へ初詣、
お彼岸・お盆にはお墓まいり、
クリスマスもお祝いして…

 

日本人は一般的に、
宗教を超えて様々なことを受け入れられる、

そのような人が多いことと思います。

 

しかし宗派によっては、

そうはいかないという場合もあります。

 

そしてそれは、

結婚式・披露宴でも…

 

 

そもそも、

人を好きになる時って、
相手の宗教のことまでは考えない人が、
多いのではないでしょうか?

 

しかし現実には、
宗教が原因で結婚を諦めざるを得ない、
そういう人たちも少なくないようです。

 

本人同士が熱心な信者であれば、

お付き合いの前に確認するのでしょうが、

そうでない場合には、

具体的に結婚の話になってから、

問題が浮かび上がってくるのです。

 

そうなると、

結婚式・披露宴をおこなうに際しても、
色々と問題が出てきてしまうというわけです。

 

挙式をどうするか…

 

一般的なホテルや結婚式場では、

神前式もしくはキリスト教式で、

結婚式が執り行われます。

 

無宗教、あるいは、

宗教にこだわらない場合には、

「父とバージンロードを歩きたい」

「和装の結婚式が夢だった」など、

自分の好きなスタイルや、

憧れのスタイルを選ぶという人が、
大多数だと思われます。

 

ところが宗教によっては、
「ダメ」という場合もあるものです。

 

両家ともに同じ宗教なら、

問題が起こることはないでしょう。

 

しかし、

両家の宗教が異なる場合には、

深刻な問題になってしまいます。

 

では、

一体どうしたら良いのでしょうか?

 

近年、宗教問題に関わらず、

「人前式」をおこなうケースが、

とても多くなっています。

 

人前式は、

「神様」に誓うのではなく、

「出席者」に誓うものです。

 

その内容も、新郎新婦の意向で、

自由に決めることができます。

 

ですから、

両家相反する宗教である場合には、
人前式を選ぶことが、

もっとも円満な解決法と言えるでしょう。

 

   ♡

 

スピーチでも…

 

スピーチで、

避けた方が良い話題の一つが、
「宗教」です。

 

しかしながら、

熱心な信者であればあるほど、
スピーチを通して、

布教活動をおこなってしまう人がいます。

 

自分が信じる神様がいかに素晴らしいかを、
多くの人に広めたいと思うのでしょう。

 

出席者の中に、相反する宗教の信者が、

いないとは限りません。

 

違う宗教の熱心な信者がいると知っていて、

あえて話題にする人もいます。

 

「宗教戦争」があるように、

たとえそれが個人レベルであっても、
その後の人間関係に、

悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。

 

スピーチは「お祝いの言葉」です。

 

決して「布教演説」ではありません。

 

スピーチでは宗教に触れないことが、
大人のマナーとも言えるのではないでしょうか。

 

   ♡

 

こんなことも…

 

「乾杯をおこなってはならない」

そういう宗教があるそうです。

 

あるご披露宴でのこと、

出席者の中に、その宗教の信者が、

2名だけいらっしゃいました。

 

新婦側のお父様とお母様でした。

 

ご両親は「乾杯は無しにして欲しい」

そうおっしゃいました。

 

新郎新婦は、

乾杯がないのは不自然なので、

通常どおりおこないたいとの意見でした。

 

話し合いを重ねた結局、

新婦の両親を除き、

乾杯はおこなうことで話はまとまりました。

 

しかし、

乾杯をしてはいけないだけでなく、

起立することさえ許されないとのこと。

 

お客様全員がお立ちになっている中、

2名だけ、それも新婦の両親が、

起立しないというのも不自然ですし、

失礼に当たるのではないかと心配です。

 

さらに、

宗教上の理由…ということは、

絶対に公言しないで欲しいとのこと。

 

さて、どうしたら良いものか…。

 

結局、

「全員座ったまま乾杯をおこなう」

ということで決着しました。

 

決着したのは良いのですが、

乾杯の発声をしてくださる方まで、

座ったままというわけにもいきません。

 

どう説明するのか、

どう理由をつけるのか…難問でした。

 

「本日は皆様方に、

 ごゆっくりとおくつろぎいただきたい

 というのが、

 ご新郎ご新婦のご意向であるため、

 乾杯も、ご着席いただいたままで

 おこないたいと存じます」

 

説明しているような、していないような…

理由になっているような、いないような…

 

   ♡

 

結婚式・披露宴には、

色々な地域から、

様々な人たちが集まります。

 

宗教のみならず、

風習や地域性の違いも、

あって当然でしょう。

 

しかし、

意見の大きな食い違いがある場合にも、

どこかで妥協しなくてはなりません。

 

何か問題が生じた際には、

新郎新婦をはじめ、ご出席者全員が、

最も平和で心地よく過ごせる方法を、

探してみてください。

 

また、

人それぞれ色々な事情があることも、

人によって考え方が異なることも、

理解してあげて欲しい…そう思います。

 

 

※本文中の内容は、

  宗教を否定するものでは決してありません。

  誤解なきようお願いいたします。

披露宴の謝辞に込められた想い

結婚式・披露宴を一番喜んでいるのは、
やはりご両親ではないでしょうか。

 

ご両家代表謝辞には、
溢れるほどの想いや、
お父様のお人柄が感じられます。

 

 

【緊張して…】

 

お父様も人間。

 

緊張だってするのです。

 

原稿を作り、前の晩までに暗記したものの、
やはり不安は拭えません。

 

披露宴中にも、ずっとメモを握りしめ、
暇さえあればモゴモゴ練習している人も。

 

披露宴、ちゃんと楽しめているのかな?
ご子息の晴れ姿、しっかり見ているのかな?
心配になってしまいます。

 

でもそれも、ご子息を思ってのこと。

 

息子に恥をかかせてはいけない…
出席者に失礼のないように…

 

そんな重圧と戦いながら、
息子の親として精一杯のことをしなくては、
そんな意気込みが伺えます。

 

でもそのような真面目な方に限って、
いざ謝辞の場面になると、
頭が真っ白になってしまうのです。

 

司会「ご新郎のお父様◯◯様より、
   御礼のご挨拶をお願いいたします」

父 「只今ご紹介いただきました、
   新郎のお父様の◯◯です」

 

会場から笑いが起こるものの、
ご本人は気づきません。

 

お母様が横でお父様を突きます。

 

それでも覚えてきた挨拶を全うしようと、
必死になっているので気付きません。

 

そして途中で言葉に詰まると、
次の言葉が全く出てこなくなってしまいます。

 

父「すみません。
  もう一度最初からやり直します」

 

最初からやり直さないと、
思い出せないのです。

 

それでもまた途中で詰まってしまいます。

 

また最初からやり直しです。

 

さすがに3度目になると、
見るに見かねて、ささやき女将登場です。

 

いえ、
お母様の助け舟が出ます。

 

お父様の練習を、
家で何度も聞かされていたお母様は、
挨拶文をすっかり暗記しています。

 

お母様の言葉に続き、
お父様がそれを復唱します。

 

そこでその先を、

お父様が思い出してくれれば良いのですが、
ずっとお母様に頼ることになってしまう
そんな場合もあります。

 

お母様の声が小さいと、
お父様が「えっ?」と聞き返し、
お母様の声が大きいと、
マイクがその声をしっかり拾ってしまいます。

 

当然お客様にはバレバレです。

 

父「いや、もう緊張しちゃって、
  何だかすみません。
  いや、大変申し訳ありません。
  とにかく皆様、
  本日は誠にありがとうございました」

 

   ♡

 

【息子の晴れ姿に感激して…】

 

親子の付き合いは、
大人になるにつれ薄らいで行くもの。

 

特に子どもが故郷を離れている場合には、
もう何年も会っていないという親子も、
珍しくありません。

 

久しぶりに会う我が子。

 

一緒に暮らしていた頃と比べ、
眩しいほど立派になっています。

 

親として、

こんなに嬉しいことはありません。

 

感極まって男泣きされるお父様も。

 

「皆様から息子のことを伺い、
 お世辞とは承知しながらも、
 もう嬉しくて嬉しくて…」

 

「大学時代に上京してから、

 ほとんど会っていませんが、
 親ができなかった教育を、
 皆様がしてくださったのだとわかり、
 本当にありがたくて…」

 

「昨日まで鼻水を垂らしていたような子が、

 嫁さんを貰うほど立派になったなんて…」

 

「親バカだと笑われるでしょうが、
 今日は心から息子を褒めてやりたい…」

 

   ♡

 

【花嫁の手紙に感動して…】

 

謝辞の直前に行われるのが、
新婦のお手紙朗読と、ご両親への花束贈呈。

 

感動し、泣いてしまうのは、
花嫁のご両親だけではありません。

 

新郎のご両親だって人の親。

 

新婦の気持ちも、
新婦ご両親の想いも、理解できるもの。

 

そして、
我が子の思い出も重なリます。

 

感情を抑えようと、
一生懸命原稿を読むお父様…

でも涙で原稿の文字が読めません。

 

あるいは、
せっかく暗記したはずの挨拶文が、
すっかり吹っ飛んでしまいます。

 

「私にも娘がいるので…

 娘の結婚式を思い出してしまって…」

 

「こんなに素晴らしい娘さんを、

 息子がいただいてしまって、

 本当に良いのでしょうか?」

 

「お嬢さんを必ず幸せにします!」

(→新郎じゃなく父親なのに…)

 

   ♡

 

あらかじめ作り込んできた文章よりも、
その時の感情がそのまま現れた言葉に、
多くの人が共感・感動するものです。

 

たとえ言葉に詰まったとしても、

たとえ立派な言葉ではなかったとしても、

想いが伝わるご挨拶って素敵だなあ…

そう思わずにはいられません。

出逢ったのは異国の地

運命の人は、
あなたのすぐ近くにいるかもしれません。

 

でも、
近くにいたからって、
近くで出逢えるとは限りません。

 

1万キロ以上も移動しなければ、
出逢うことができなかったかもしれない、
そんな運命もあったりするのです。

 

 

裕美さん(仮名)は23歳。
小さい頃からお花が大好きで、
フラワーコーディネーターの専門学校を経て、
お花関係のお仕事に携わっていました。

 

大好きなお花に囲まれた仕事は、
とても楽しく幸せなものでした。

 

しかし、仕事に慣れるにつれ、
もっと深く学びたいと、
思うようになっていきました。

 

そのために、
新たな資格を取得しようと考えたのです。

 

仕事は一旦やめることを決意しました。

 

仕事を辞めてから学校に通うまで、
少し日にちがありました。

 

長年の夢を叶えるチャンスでした。

 

裕美さんが抱いていた夢とは、
オランダで毎年開催されている、

フラワーパレードを、
見に行くことだったのです。

 

裕美さんは意を決して、
一人オランダに渡りました。

 

   ♡

 

せっかく海外に行くのだから…

 

裕美さんは、オランダ以外の場所でも、
観光を楽しみたいと思いました。

 

そして選んだところはイタリアのナポリ。

 

オランダからナポリまでは、
実に1800キロ。

 

日本で言ったら、
函館から福岡までの距離に匹敵します。

 

ミラノでもローマでもフィレンツェでもなく、
なぜナポリを選んだのか?

 

理由は特にありませんでした。

 

ただ何となく、
まるで何かに引き寄せられるように…

 

   ♡

 

宿泊先はホテルではなく、
ユースホステルでした。

 

ユースホステルは安価というだけでなく、
世界各国から旅人たちが集まり、
交流の場、情報交換の場ともなるため、
人気が高い施設でもあります。

 

また、その地域ならではの、
体験プログラムなども用意され、
一人旅の人にとっては、
過ごしやすく安心して楽しめる、
ありがたい施設とも言えるでしょう。

 

   ♡

 

裕美さんはそこに3日間滞在しました。

 

日本語以外の言葉は、
ほとんど話せない裕美さんでも、
各国の旅行者たちと友達になれました。

 

でもやはり日本人というのは、
同じ日本人に安心感を覚えるもの。

 

言葉の通じない海外であれば尚のことです。

 

   ♡

 

裕美さんはそこで、
一人の日本人男性と出逢いました。

 

彼は30歳になったのを機に、
念願のヨーロッパ一人旅を実行したのです。

 

彼にとっては初めての海外旅行でした。

 

そして何と偶然にも、
裕美さんと同じ群馬県人だったのです。

 

話が盛り上がらないわけはありません。

 

3日間はあっという間に過ぎてしまいました。

 

そして裕美さんは帰国、
彼は次の目的地へと旅立ちました。

 

   ♡

 

普通なら旅の良き思い出の一つで、
終わったかもしれません。

 

でも、二人は同じ県内に住む者同士。

 

せっかく知り合ったのだからと、
帰国してからも度々会うようになりました。

 

最初は友達として。

 

そしていつしか恋人同士に…。

 

   ♡

 

裕美さんと彼は、
ナポリのユースホステルで出逢ってから、
ちょうど2周年の記念日に、
結婚式を挙げました。

 

   ♡

 

住まいが近くでありながら、
全く接点のなかった二人が、
まさか異国の地で出逢うなんて、
誰が想像できたでしょう。

 

二人が旅行先にナポリを選んだのも、
そこに確たる目的があったわけでは、
ありませんでした。

 

この旅に出た本当の理由は、
念願のヨーロッパ旅行実現でも、
憧れのフラワーパレード参加でもなく、
二人が出逢うために、
必要不可欠だったからかもしれません。

 

どこにどんな出逢いがあるかわからない。

 

だからこそ、
人生って楽しいのかもしれません。

 

 

※本文中の内容は、
  事実に基づくフィクションです。
  尚、この記事は、

  一人旅を薦めるものでも、
  旅先での出逢いを薦めるものでも、
  決してありません。
  危険に遭遇する可能性も考えられますので、
  くれぐれも 慎重な行動をお願いいたします。

結婚生活、相手に望むことは?

幸せいっぱいの新郎新婦。

 

そんな二人に、
あえてお聞きしてみました。

 

これからの結婚生活で、
相手に望むことは何ですか?

 

 

やはりそうですか…
♂♀特に何もありません。

 

   ♡

 

変わらないこと…
♂いつまでも若々しくいて欲しい
♂いつまでも女の子らしさを持っていて欲しい
♂いつまでも可愛い女性でいて欲しい
♂妻になっても母になっても、
 女性であることを忘れないで欲しい
♂太らないでください
♀それ以上、太らないように
♀洋服のサイズを上げないでください
♀太ってお腹がぶよぶよのおじさんには
 ならないで欲しい

 

  ♡

 

やっぱり健康が一番
♂朝ごはんはきちんと食べましょう
♂炭水化物も食べましょう
♂ダイエットはほどほどに
♂スポーツジムに通ってください
♀痩せてください
♀タバコはやめて
♀お酒は控えて
♀休日はゆっくり休んで欲しい
♀いつまでも健康でいて欲しい
♀飲み過ぎ食べ過ぎには注意しましょう

 

   ♡

 

食は大切
♂美味しい手料理を期待しています
♂料理を作れるようになって欲しい
♂野菜たっぷりの手料理をお願いします
♂朝ごはんも作って欲しい
♂毎日味噌汁を作って欲しい
♂嫌いな物は出さないで欲しい
♀好き嫌いをなくしましょう
♀3食しっかり食べましょう

 

   ♡

 

厳しい…
♂手抜きはするな
♂寝坊はするな
♂朝はきちんと起こすこと
♂ビールは冷やし忘れるな
♂約束はきちんと守ること
♂何か問題が生じた時には、
 反省し改善すること
♀家族をただ見守るだけでなく、
 妻の代わりに行動を起こせるような
 力強く頼もしい夫になってください

 

   ♡

 

不満?
♂大雑把
♂部屋は散らかすな
♀細かすぎる
♀うるさい
♀イライラしないで

 

   ♡

 

お願い
♂すぐに怒らないでね
♂いつまでも素直でいて欲しい
♂かかあ天下にはならないで
♂休日の早起きはやめて欲しい
♂ゴルフやお酒の付き合いを許して
♂泊まりや遅い帰宅は仕事のためなので、
 信じて理解して欲しい
♂邪魔でも、コレクションしている
 約1500枚のレコードは絶対捨てないでね
♀いつまでも優しくしてね
♀亭主関白にはならないで
♀いつまでも「名前」で呼んで欲しい

 

   ♡

 

コミュニケーション能力?
♂喧嘩をしてもきちんと話し合う
♂人の話を聞いて欲しい
♂自分の考えを押し付けないで
♂報告・連絡・相談
♀疲れていても会話を大切に
♀喧嘩をしてもその日に仲直り
♀喧嘩をしてもキレないで
♀必要なことはもっと喋って欲しい
♀違う意見にも耳を傾けて
♀何事も、ひと言添えてください
♀喧嘩の時、たまには先に謝って
♀意見は、はっきり言って欲しい
♀事前報告・事後報告

 

   ♡

 

思い出づくりも大事
♀新婚旅行に連れていって欲しい
♀年に一度は旅行に連れて行って欲しい
♀歳をとっても二人でデートしたい

 

   ♡

 

現実的な人も…
♂お小遣いは多目にください

 

   ♡

 

協力は必要です
♀家事を手伝って欲しい
♀育児を手伝って欲しい
♀食事の支度は当番制にして欲しい
♀休みの日は洗濯や掃除をして欲しい
♀週に1度は家事全てをやって欲しい
♀出したものは自分でしまってください

 

   ♡

 

確かに…
♀仕事から帰ってきて、
 まず足の匂いを嗅ぐのはやめて
♀寝相が悪いのを何とかして欲しい
 顔を蹴られて鼻血が出たことも数回

 

   ♡

 

妻の本音はやはり…
♀浮気はしないでください
♀隠し事はしないでください
♀嘘だけはつかないでください
♀家族を裏切るようなことは、
 絶対にしないでください
♀家庭を大切にしてください

 

   ♡

 

そして…
♂♀一生そばにいて欲しい
♂♀一生よろしくお願いします

 

   ♡

 

それぞれの人生を歩んできた二人が、
ひとつ屋根の下で暮らす…
きっと色々なことが起こるでしょう。

 

いつか、
長く結婚生活をされているご夫婦にも、
取材してみたいなあと思います。

 

あなたのお話も、
是非、お聞かせください。