新郎新婦は、どこから入場?

結婚式・披露宴に携わる人も、

人間です。

 

ミスをすることだってあります。

 

たとえベテランスタッフであっても、
いつも完璧とは限りません。

 

些細なミスはお客様にも気付かれず、
大きな問題にもならないでしょう。

 

でも、
ちょっとしたスタッフのミスが、
ちょっとしたでは済まされない、
こんなことも起こってしまいました。

 

 

【ケース1】

 

ある結婚式場で行われた披露宴。

 

新郎新婦のお色直し入場シーンで、
それは起こりました。

 

   ♡

 

「新郎新婦のご入場です!」

 

音楽がかかり、
会場が徐々に暗くなっていきます。

 

そして、
前奏のあと、
歌が始まるその瞬間、
扉が開いて新郎新婦が登場…

 

という手はずでした。

 

しかし、
扉を開けるタイミングの5秒ほど前
扉は開いてしまったのです。

 

5秒なんてどうってことない…

 

そう思うかもしれません。

 

しかし開いた扉は、
新郎新婦が入場する予定の扉ではなく、
すぐ隣の扉でした。

 

会場には、
ロビーに通じる扉が、
隣り合わせで2箇所あったのです。

 

驚いたのは照明スタッフ。

 

新郎新婦入場とともに、
お二人にスポットライト当てるため、
照明機材を入場予定の扉に向け、
スタンバイをしていました。

 

それなのに、
開き始めたのは隣の扉。

 

タイミングがわずかに早かったものの、
入場する扉が変更になったのかと焦り、
開きかけた扉に向けてライトを当てました。

 

スポットライト、
なんとか間に合いました。

 

会場のお客様からは盛大な拍手が、
湧き起こりました。

 

ところが…

 

観音開きの扉、
(2枚の扉が中央から両側へ開くもの)は、
片側(1枚)しか開かなかったのです。

 

そして、
盛大な拍手の中登場したのは、
新郎新婦ではなく、

何と会場の女性スタッフでした。

 

「えっ?」

「なになに?」

 

そんな言葉や笑い声が湧いたところで、
予定通りの扉から、
予定通りのタイミングで、
新郎新婦がご入場されました。

 

   ♡

 

サプライズ演出ではありません。

 

完全に女性スタッフのミスでした。

 

会場内は真っ暗だし、
どうせ見えないだろうとでも、
思ったのでしょうか。

 

しかし、
会場は真っ暗でもロビーは明るいのです。

 

ライトが当たらなかったとしても、
扉から外の明かりは漏れ、
シルエットは、はっきりと見えます。

 

そのタイミングで、
スタッフが会場に入ってくる理由は、
一つもありませんでした。

 

結果、

新郎新婦の入場の方が、

悪いタイミングだったという印象に、

なってしまいました。

 

   ♡

 

お色直し入場シーンは、

お二人が新たなお衣装で、

お客様の前に初めて立つ瞬間。

 

新郎新婦への注目度も高いシーンです。

 

それなのに、

一番注目されたのは女性スタッフ。

 

新郎新婦のお気持ちは、

言うまでもないでしょう。

 

   ♡

 

ケース2は、
明日に続きます。

 

 

※本文中の内容は、

   事実に基づくフィクションです。