披露宴をおこなったことがある人や、
準備中の人にとっては、
ごく当たり前のことであっても、
未経験の人にとっては、
知らないことも多いようです。
だからこんなことも、
してみたくなっちゃうのでしょうか?
近年、ウエディングケーキに、
生ケーキを選ばれるケースが、
多くなっています。
「ファーストバイト」の普及も、
影響しているのかもしれません。
(ちなみに、
ファーストバイトとは、
ウエディングケーキ入刀後、
新郎新婦がお互いに、
ケーキを一口ずつ食べさせ合うという、
演出のことです)
また、
お二人ならではの、
オリジナルケーキを作って欲しい、
そのようなご希望も多いようです。
♡
あるご披露宴で用意されたのは、
いちごがハート形に飾られた、
可愛いウエディングケーキでした。
生ケーキです。
ファーストバイトもおこなわれました。
後程ゲストの皆様にも、
ケーキをお配りする予定で、
その旨のアナウンスも入れていました。
そして乾杯が済み、
歓談のお時間になって間もない頃、
一人の男性がケーキに近づいてきました。
20代後半と思われる、
新郎の同僚でした。
ウエディングケーキの近くには、
写真やビデオを撮っている方が、
数名いらっしゃったので、
その男性も写真撮影をなさるのだろうと、
思っていました。
ところが…
いきなり指をグサッとケーキに刺し、
ケーキを大きくすくって、
自分自身の口に運びました。
えーーーっ!?
もしかして、食べちゃった?
次の瞬間、
「まずーーーーーーーーーーいっ!」
口にケーキがいっぱいに詰まった状態で、
そう言い放ったのです。
それからしばらくの間、
「ウェーっ、マズイ!」
「マズイ!マズイ!!マズイ!!!」
「なんだこのホテルひでーなあ〜、
ケーキ超〜マズイ!」
のたうち回るようにしながら、
大声で叫んでいました。
♡
マズイのは当然です。
そのケーキ、
生ケーキですが、
フェイク(偽物)ですから。
ファーストバイトでは、
食べることのできるケーキを、
新郎新婦は召上がっています。
どこを食べてもいいってわけじゃあ、
ないんです。
足が早い生クリームを、
常温で長時間放置することは、
食品衛生上、好ましくありません。
ですから、
デザートとして振舞われる場合でも、
入刀したものとは別のケーキが、
用意されることが多いのです。
入刀したケーキと、
同じものが振舞われる場合には、
入刀直前にケーキが登場するなど、
何かしら工夫がされているはずです。
入場前から会場に飾られているケーキは、
全部ではありませんが、
ほとんどがフェイクだと言えるでしょう。
子どもたちがケーキに近づいた際には、
食べてしまわないように気を配りますが、
まさか大人がそんなことをするとは、
想像すらしていませんでした。
ですからマイクを通して、
「このケーキは偽物なので、
食べないでください」というような、
説明などもおこなっていませんでした。
大声で叫ぶ男性には、
会場スタッフが、
丁寧に説明とお詫びをしてくれました。
しかし…
ゲストに生ケーキが振舞われた際には、
また大きな声を張り上げていました。
「ここのケーキ、マズイぞ!」
「食わない方がイイぞ!」と。
ケーキを楽しみにしていたゲストには、
不快感を与えてしまったようです。
♡
このウエディングケーキが、
たとえ本物だったとしても、
この男性がした行為は、
決して許せるものではありません。
いえ本物だったら余計に、
誰かの指が入ってしまったケーキを、
振舞って貰っても嬉しくありません。
♡
この日、
2つのことを学び反省しました。
「自分が知っていても、
他の人が知っているとは限らない」
「自分で思っている常識と、
他の人が思っている常識は、
必ずしも一致するとは限らない」
以降、
ウエディングケーキが、
生ケーキの場合には、
必ず付け加えることにしました。
「後程このケーキを、
皆様にお召上がりいただきますので、
お手を触れないよう、
ご理解・ご協力をお願いいたします」と。
♡
本物であれ偽物であれ、
飾られているウエディングケーキは、
お召し上がりになりませぬように。
フェイクの場合には、
お身体への影響も懸念されますので…。
※本文中にも記載した通り、
入刀用の生ケーキは、
全てフェイク(偽物)という訳では、
ありません。
本物の生ケーキを使用する場合もあります。
誤解なきよう、宜しくお願いいたします。