結婚式・披露宴と言えば、
ご親族が一堂に会する場でもあります。
日頃あまり交流の機会がないご親族は、
新郎新婦の晴れ姿をご覧になるのも、
久しぶりにお会いできるのも、
とても嬉しいことでしょう。
しかし、
お色直しを済ませ再入場した時、
親族一同、
ごっそりいなくなっていたとしたら…
大阪出身の裕也さん(仮名)は、
東京の大学を経て、
東京の企業に就職されました。
新婦は同じ会社の同僚、
つまり、職場結婚です。
結婚式は、
会社のある東京でおこなわれました。
新婦側のご親族は、
皆、東京近郊にお住まいでしたが、
新郎のご両親・ご親族は、
大阪からお越しになりました。
♡
挙式・披露宴は、
和やかな雰囲気で進行し、
ご出席の皆様も、
お喜びくださっているご様子です。
そして、
新郎新婦はお色直しのため中座され、
お色直しのあとは、
お二人が楽しみにしていた、
キャンドルサービスがおこなわれます。
♡
ドライアイスの真っ白い煙に包まれ、
新郎新婦が入場しました。
ところが…
新郎側のご親族席には、
誰もいません。
ご両親が、
ポツンと取り残されたように、
座っているだけだったのです。
♡
ご親族一同様は…
お帰りになりました。
♡
東京・新大阪間は、
新幹線で2時間半程度。
ご出席者のことを考え、
挙式・披露宴は、
昼間の時間帯を選びました。
遠距離ではありますが、
時間的には、
日帰りでも全く問題ありません。
しかし…
どうやら、
計算違いだったようなのです。
♡
新郎新婦のご入場直前、
ご親族が引き出物の袋を持って、
続々と会場を後にする姿を見て、
急いで追いかけて尋ねると…
新幹線の時間に、
間に合わないというのです。
「もう2時間経ったし…」と。
つまり、
披露宴は2時間でお開きになると、
思い込んでいたそうなのです。
そして、
それに合わせギリギリの時間で、
親族のお一人が全員分のチケットを、
とってしまったのだとか。
今から変更もできないし、
人数も多いし、
高齢の方もいらっしゃるし…
それで、
帰ることにしたのだそうです。
ご親族およそ30名。
3テーブルが、
空っぽになってしまいました。
そのあと、
ご友人たちがスピーチや歌で、
大いに盛り上げてはくれましたが、
30名分の空席は、
とても寂しく感じました。
♡
ここまで大勢でというのは、
珍しいケースではありますが、
新幹線や飛行機の関係で、
途中でお帰りになる方、
よくお見掛けします。
せっかくのおめでたいお席、
たとえ一席でも、
空席になるのは寂しいものです。
後のご予定がない限り、
お開きまで、
新郎新婦をお祝いしてあげて欲しい。
披露宴のお時間は、
ホテルや結婚式場によって異なります。
そして、
スピーチや余興の関係で、
予定よりも、
長引いてしまうこともあります。
飛行機や新幹線等のチケットを、
お買い求めの際には、
十分ゆとりを持っていただけたら…
そう願っています。
※本文中の内容は、
事実に基づくフィクションです。