社内の誰かが結婚する時には、
披露宴で余興をおこなうのが恒例、
そういう会社も多いものです。
でも、
披露宴のたびに、
同じことをするわけにもいかない。
今回はどうしよう…?
こんな素晴らしい余興を、
思いついた人たちがいました。
仲間で一緒に何かしてあげたい、
そういう気持ちがありながらも、
学生時代の友人だと、
仕事の関係・住まいの関係で、
なかなか集まることができません。
その点、職場の仲間であれば、
毎日一緒に過ごしているため、
集まるのは容易いことです。
しかし、
本人に知られず練習するのは、
結構大変だったりもします。
それでも、
同僚のためなら…と、
仕事の後に、
遅い時間まで頑張ってくれるのは、
本当にありがたいものです。
♡
典子さん(仮名)は、
音楽関係の会社に勤めるOLさん。
音楽関係といっても、
典子さんは事務職のため、
直接音楽に関わることはない部署でした。
しかし社内には、
音楽に秀でている人がたくさんいます。
ですから披露宴の時には必ず、
歌ったり、
楽器の演奏をしたり、
そういう音楽関係の余興が、
恒例となっていました。
今回は、
どのような余興を、
披露してくれるのでしょうか?
本人には内緒で、
着々とその準備が進められていました。
♡
当日披露されたのは…
ハンドベルの演奏でした。
学校で習ったことがある人も、
いるかもしれませんが、
あのイメージとは全く違います。
音楽のプロが演奏すると、
ハンドベルでここまでできるのか?
というほど、
それはそれは素晴らしいものでした。
ベルの音色も、
結婚披露宴にはぴったりです。
新郎新婦も出席者も、
会場全体が感動に包まれました。
演奏が終わると、
大きな拍手が起こり、
あちらこちらからアンコールの声が。
すると、
タクトを持った指揮者が、
ハンドベル演奏者たちの方ではなく、
ゲストの方を向いて立ちました。
タクトを上げると、
会場は「無音」というくらい、
シーンと静かな状態になりました。
指揮者の合図で、
演奏が始まりまりました。
そして…
♡
♬happy birthday to you
happy birthday to you
happy birthday dear 典子さん
happy birthday to you ♬
♡
ハンドベルの演奏で、
出席者全員による大合唱。
そう、
この日は、
典子さんのお誕生日でもあったのです。
♡
新郎新婦がお色直しで中座している間、
同僚たちは、
出席者全員に参加協力をお願いしました。
もちろん異議を唱える人など、
一人もいません。
そして、
みんな一生懸命に、
何度も練習がおこなわれました。
そして、
一人ひとりの想いが一つに集まった、
世界でたったひとつの、
大きな素晴らしいプレゼントとなりました。
♡
二人のために何かをしてあげたい、
披露宴に出席している人なら、
みんな同じ気持ちでいるはず。
しかし、
それを形にして伝えることは、
とても難しいものだと思います。
もしあなたなら、
新郎新婦へのお祝いの気持ちを、
どのように伝えますか?
※本文中の内容は、
事実に基づくフィクションです。