披露宴、あちらを立てれば…

新郎新婦はもとより、
ご出席者全てに喜んでいただけること、
それが一番の願いです。

 

でも、
価値観も感性も人それぞれ。

 

ひとりの人を喜ばせるために、
他の誰かを、傷つけたり、
悲しい思いをさせてしまう、
そんなことも少なくありません。

 

あとからその日を振り返った時、
全ての人に良い思い出が蘇るような、
素敵なご披露宴にするためには、
一体どうしたら良いのでしょうか?

 

もし、あなただったら、
こんな時、どうしますか?


そのご披露宴には、
新郎側も新婦側も、
たくさんのご親族が出席していました。

 

どちらも、親戚付き合いが密接で、
日頃よりとても仲が良いとのことでした。

 

確かにその親しさは一目瞭然。

 

挙式の時から、
「一致団結して、
   新郎新婦をお祝いしよう〜」
という雰囲気がにじみ出ていました。

 

そしてご披露宴でも、
「新しい親戚ができた!」と、
皆さん、はしゃぐほど大喜び。

 

初めて会ったにもかかわらず、
お互いのご親族が入り混じって、
大家族のような温かな雰囲気でした。

 

そんな中、
新郎新婦のお色直しが済み、
扉の外で入場の準備をしていると、
そこに、ご親族の一人が、
花束を持って現れました。

 

どうやら、ご披露宴直前に、
ホテル内の花屋さんに依頼し、
作ってもらったようです。

 

「自分で用意したことにして、
    可愛がってくれたおばあちゃんに、
    感謝を込めてプレゼントしなさい」と、
その花束を、新婦に渡したのです。

 

せっかく用意してくれた花束、

せっかくの温かな心遣い、
お断りすることもできません。

 

結局、キャンドルサービスで、
お祖母様のお席に点火するおりに、
贈呈することになりました。

 

お祖母様はそのサプライズを、
とても喜んでくださいました。

 

さてこの話、
どこに問題があったのでしょうか?

 

   ♡

 

実は後日、
新郎から打ち明けられました。

 

「うちのおばあちゃんが、
    怒っちゃってて…」と。

 

そうなんです。

 

お祖母様は、
新婦側だけでは、なかったのです。

 

新郎のお祖母様も、ご出席されていました。

 

「あれは新婦が用意したものではなく、
    新婦の親族が急に用意した物だから…」

 

そう言っても、

納得してもらえなかったそうです。

 

可愛いお孫さんの結婚式、
あの瞬間までは、
嬉しさいっぱいだったことでしょう。

一生の素敵な思い出になるはずでした。

 

でも、
そのたった一つの出来事で、
お祖母様にとっては、
何ともやるせない結婚式に、
なってしまったのです。

 

今後も繰り返し思い出しては、
辛く寂しい気持ちに、
なってしまうのかもしれません。

 

   ♡

 

では、
どうすれば良かったのでしょうか?

 

方法は
・ご親族が花束を2つ用意する
・お開き後にこっそり渡す
・急遽、新郎も花束を用意する
これ以外には、
ちょっと思い浮かびません。

 

   ♡

 

このケースは、
ご親族が用意した、
お祖母様への花束贈呈でしたが、
新郎新婦が考えるサプライズの中にも、
似たようなケースがたくさんあります。

 

可愛がってくれた叔母様へ…
特にお世話になった先輩へ…
披露宴と同じ月がお誕生日の友人へ…
大親友へ…などなど

 

   ♡

 

そもそも、
ご披露宴の出席者には、
多かれ少なかれ、
お世話になっているハズです。

 

ですから、
その中の誰か一人のために、
特別に何かを準備する際には、
他の人への配慮が必要です。

 

やめた方が良いと言っている訳では、
決してありません。
誤解なさいませぬように。

 

おこなう際にはくれぐれも、
お気を付けくださいませ。