「頑張ること」と
「無理をすること」は、違います。
無理をし過ぎると、
本当に大切なものを、
見失ってしまうかもしれません。
男女問わず、
結婚式や披露宴に、
こだわりを持っている人は多いものです。
しかし、
そのこだわりがあまりに強過ぎると、
どこかに負担がかかってしまうもの。
それが、一生に一度の大切な日に、
悪影響を及ぼしてしまったとしたら、
それこそ本末転倒です。
あなたもこんな無理を、
していませんか?
アラフォーの紗英さん(仮名)は、
これまで、
多くの結婚式・披露宴に、
出席する機会がありました。
その度に、自分の時には、
こうしたい、ああしたい、
これもいいな、あれもいいな…と、
夢を膨らませていったのです。
そしていよいよ、
自分の番が巡ってきました。
紗英さんのコンセプトは
「手作り」
さすがにドレスまでは無理ですが、
可能な限り手作りしようと決めました。
招待状に始まり、席次表、席札、
メニュー表、リングピロー、ブーケ、
ウエルカムボード、ウエディングベア、
プチギフト用のクッキー…etc。
そして、
両親に加え、
新郎やおばあちゃんへも、
手紙を書くことにしました。
席札の裏には、
一人ひとり、その人に向けた、
手書きのメッセージも添える予定です。
結婚式まで3ヶ月。
時間はたっぷりあると、
思い込んでいました。
しかし、
紗英さんは無職ではありません。
正社員として働いています。
あっという間に、
1ヶ月、2ヶ月と過ぎて行きました。
残り1ヶ月。
時間が全然足りません。
食事の時間、睡眠時間まで使っても、
間に合うかどうか。
「もう限界だ」
そう判断したのは、
彼の方でした。
無理なんじゃないかと、
最初から予感はしていたものの、
紗英さんの気持ちに水をさすのも…と、
手伝えるところは協力し、
あとは黙って見守ってきました。
それも、もはやこれまで。
彼は意を決したように、
手鏡を差し出しました。
「自分の顔、見てみて」
そこには、やつれた顔がありました。
「次は体重計に乗ってみて」
2ヶ月で、5Kgも減っていました。
「紗英は
『手作りすることが最高のおもてなしだ』
って思っていない?
確かに、紗英の気持ちはよくわかるよ。
みんなのことを大切に思う気持ち、
それは素晴らしいことだと思う。
でも、
そんなやつれた紗英の顔を、
みんな見たいかな?
お父さんもお母さんも、
喜んでくれるかな?
このまま続けたら、
もしかしたら倒れちゃうかもしれない。
結婚式、新婦が欠席してどうするの?
頼めることは頼もうよ。
洗練されたプロの技術にお金をかけることも、
立派なおもてなしだと思うよ。
手作りしなくたって、紗英の想いは、
きっとちゃんと伝わるから大丈夫。
それよりも、
ちゃんと食べてちゃんと寝て、
美しい花嫁姿を見せて欲しいな。」
♡
結婚式・披露宴の準備は、
意外と大変なものです。
それに加えて、
全て自分の手で…となると、
かなりの負担になってしまいます。
そのために、
あらゆるプロが存在しているのです。
プロの手を借りることは、
おもてなしに反することでは、
決してありません。
手作りはとても素敵なことです。
でも、
無理し過ぎは禁物です。
結婚式・披露宴の当日、
あなたが最高に幸せな姿で、
皆様をお迎えすることこそが、
最高のおもてなしだと、私は思います。
※本文中のエピソードは、
事実に基づくフィクションです。