結婚式場って、
どのようにして選ぶのでしょうか?
・実際に見学して素敵だったから
・出席したことがあり良かったから
・スタッフの感じが良かったから
・評判が良かったから
・立地が良かったから
・お値段が手頃だったから…など、
きっと様々な理由があることと思います。
そして、
自分たちならではの結婚式をしたい…
そう思っている人も多いはず。
きっと
出席者も喜んでくれるだろう。
きっと
私たちの結婚式を
いつまでも忘れないでいてくれるだろう。
そんな想いで決めた特別な結婚式。
ところが当日、
いよいよ結婚式が始まろうとしたその時、
「やっぱり参加できない」
という人が現れました。
するとそれが合図であったかのように、
「私も」「私も」「私も」…と、
10名以上の人が、
次々と会場を出て行ってしまったのです。
一体、どうしたというのでしょうか?
新郎新婦は、
共通の趣味である、
スキューバーダイビングを通じて出逢い、
やがて交際が始まりました。
海が結んでくれた二人の縁。
結婚式は海で挙げようと決めました。
「海」と言えば「船」。
「船上ウエディング」は多くの人の憧れです。
二人も「これだ!」と思いました。
「船上ウエディング」は、
とてもロマンチックです。
新郎新婦だけでなく、出席者にとっても、
素敵な思い出になることでしょう。
ところが、
その日の新郎新婦と出席者にとっては、
とても残念な思い出になってしまったのです。
原因は、
船の「選び方」に、ありました。
「なぜ」「どのようなルート」で、
その船を選んだのかはわかりません。
でも、一目見て、イヤな予感がしました。
そして、その予感は的中してしまいました。
結婚式の開始の少し前から、
お客様の乗船が始まりました。
船内の通路や座席間隔はかなり狭く、
例えるなら、混雑したマイクロバスの車内。
どんな船でも揺れるのは当然なのですが、
出席者が乗り込むたび、通路を歩くたびに、
ものすごく大きな揺れになっています。
最後に乗り込んだのは、
新婦のお祖母様。
車椅子でした。
とても可愛がってきたお孫さんの結婚式を、
何ヶ月も前から、心待ちにしていたそうです。
しかし、乗船して間も無く、
「やっぱり参加できません。無理です。」
そう言って、親族の介助で下船してしまいました。
すると他の出席者の中からも、
「私もちょっと無理そうなので…」と、
参加辞退の希望が、相次ぎました。
そう、「船酔い」です。
乗船から、出港を待つ間、
次第にみんなの顔色が悪くなっていきました。
多くの人が船酔いしてしまったのです。
船が港を出てしまったら、
途中でおりるわけにはいきません。
決断するなら、今しかないのです。
結局、十数名の人を港に残し、
結婚式はスタートしました。
しかし、盛り上がることができたのは、
ごくわずかな人たち。
多くの人が結婚式どころではなく、
船酔いと戦っているように見えました。
救いだったのは、
地上のレストランに、
お食事の席が用意されていたこと。
船上を、ドリンクと軽食のみにしたことは、
大正解でした。
船が港に到着すると、
結婚式に参加しなかった人たちが、
新郎新婦を笑顔で迎えてくれました。
結婚式に参加した人たちは、
ホッとした表情で船をおり、
レストランに向かいました。
お食事会はどうか盛り上がりますように…
祈るような想いで、その後ろ姿を見送りました。
♡
せっかくの素敵な企画。
もし違う船を選んでいたら…と、
残念でなりません。
新郎も新婦も、全く船酔いしないため、
きっと気が付かなかったのでしょう。
普段とは違う環境に身を置く場合、
出席者への心配りは、より重要になります。
新郎新婦のみならず、
出席者全員が心地よく楽しく過ごせる、
素敵な結婚式・披露宴がおこなわれますように…。