神様は、時に強引である

運命の人とは、

赤い糸で結ばれているらしい。

 

でも、
出逢えない人がいるのは何故?
神様が、結び忘れちゃったの?

 

それはきっと、
結び忘れたのではなく、
結ばれた糸が、
どこかで絡まっているからに、
違いありません。

 

そして、

赤い糸で繋がった二人を、
なんとか引き合わせるために、
神様も必死に台本を作っているようです。

 

しかし時には、
かなり強引とも言えるストーリーを、
思いついてしてしまうことが…。

 

まるでドラマのような、
その衝撃的なストーリーとは?

志穂さんと彼は、交際3年。

高校時代のクラスメイトだったことから、
出逢ってからは、
もうかれこれ10年にもなります。

そのためか、恋人というよりも、
友達のようなカップルでした。

 

その日二人は、彼の家で、
ゲームに熱中していました。
ゲーム好きの二人には、
よくある休日の過ごし方です。

 

そこへ「ピンポーン」と、

玄関チャイムの音が。

 

「もー、こんな時に誰だよ」と、
ゲームを中断された不満を口にしながら、
彼がドアを開けると、
そこに立っていたのは、彼の幼馴染でした。

 

「おー、久しぶりだなあ。何年振りだ?」
「お前、ちっとも変わってないなあ〜」
「お前こそ!」
と、いきなりマックスで盛り上がる二人。

 

「あっ、ちょうど良かった。
 今、彼女が来てるんだ。
 紹介するよ。」

 

部屋に通され、

「初めまして、中野 雄貴です」
「初めまして、里崎 志穂です」

そう挨拶を交わした二人ですが、
心の中では同時に、
「あっ!」と叫んでいました。

 

偶然、知り合いだったのでしょうか?

 

イイエ、そうではありませんでした。

二人とも
「(運命の人は)この人だ!」
という衝撃が走ったのです。

 

そして、
彼もまた、同じ瞬間に、
「もしかしたらこの二人、
 結婚することになるんじゃないか?」
なんとなくそんな予感がしました。

 

それから2年。

 

志穂さんは…

 

“中野 雄貴さん” と、結婚しました。

 

元彼は、二人の親友として、
結婚式に出席してくれました。
新しい恋人(婚約者)を伴って…。

   ♡
信じられませんが、
事実、何の争いごともなく、
自然と幸せな結果になったのだそうです。

 

奇跡?
それとも、
やはり最初から、
運命の赤い糸が繋がっていた?

 

それにしても…
円満におさまったから良かったものの、
神様、そのストーリー、
少し強引過ぎやしませんか?

 

※この話は、事実に基づいたフィクションです。
登場人物は、すべて仮名です。